カードローンって借金?利用のデメリットや返せなくなった時の対処法まで!
不安解消
更新日:2020.07.13
突発的な出費があった場合など、次の給料日までお金が足りないときにカードローンの利用を考える人は少なくありません。しかし、その一方でカードローンとは実際どのようなものか今ひとつわからないという人もいるでしょう。この記事では、カードローンと借金との違いや知っておきたいデメリット、返済に困った際の上手な対処方法など一般的な情報をまとめて解説します。
目次
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カードローンとは
カードローンとは銀行をはじめとした金融機関やクレジットカード会社などが提供している個人向け融資のことです。ローンとはいっても住宅ローンやマイカーローンのように明確な目的が決まっている金融商品とは異なり、基本的には使い道が自由であるという特徴を持っています。利用限度額はカードローンの種類や申込者に応じて異なりますが、限度額内であれば繰り返し利用することが可能です。そのため、緊急でお金が必要なときに持っていると便利なカードといえます。
使い道が自由で、いつでも利用できるという点ではクレジットカードのキャッシング枠に似ているかもしれません。しかし、クレジットカードに付帯しているキャッシング枠とは違い、カードローンは専用のカードを使ってお借入れとご返済を行うという点が大きな違いです。また、クレジットカードのキャッシング枠はショッピング枠の一部という考え方がされており、ご利用限度額はショッピング利用に左右されるという性質もカードローンとの違いとしてあげられます。カードローンは専用のカードを持つのが一般的ですが、スマートフォンのアプリなどカードを発行せずに利用できるサービスも増えています。
カードローンは「借金」なのか
カードローンは個人向けの融資であり、お借入れするという点では借金といえます。ただし、計画的に使うことで生活を豊かにし、事業をスムーズにさせるといったプラスに働く使い方も少なくはありません。例えば、給料日前に必要なものを購入するための「立て替え」という使い方もできます。手持ちの現金がないときにカードローンから引き出して支払っておき、給料日になったら返済しておけば計画的で便利な利用が可能です。
立て替えは本来クレジットカードがその役割を持っていますが、クレジットカードの場合は商品の購入やサービスの利用代金のみでしか使うことができません。しかし、カードローンは使い道が限定されていないため、生活費の補填や冠婚葬祭での急な出費、さらにレジャーなどに使うこともできます。何より、現金を使えるというメリットがあります。このような使い方をすることで生活に豊かさを加えてくれるのです。もちろん、自由に利用できるといっても計画性を持って使うよう注意しましょう。
また、本来カードローンは事業用として使うことはできません。事業性以外のことであれば自由としているカードローンがほとんどです。しかし、中には個人事業主など自営業者に向けたカードローンも出ています。自営業者向けのカードローンなら事業用資金にも流用可能なため、仕入れなど現金が必要な場合に利用すれば事業がスムーズに進むでしょう。事業を営んでいると、現金回収よりも先に資金が必要になることは多いものです。そのようなときに資金調達の手段として利用し、実際に売り上げが回収されたら返済するというサイクルを繰り返すことで計画的な利用ができます。
実は多くの人が使っている
カードローンはお借入れをするものであるという観点から考えれば、収入が少ない人などお金に困っている人が利用するというイメージを持つ人もいるでしょう。しかし、実際はそうとはいいきれません。実は、平均年収よりも上回る人にもカードローンは利用されています。国税庁の公式サイトで発表されている「平成30年分民間給与実態統計調査結果について」によれば、平成30年度の日本国内の平均年収は約441万円です。ところが、同じく平成30年度に発表された「銀行カードローンに関する消費者意識調査に関する報告」を見ると、カードローン利用者の20%以上は年収が600万を超えているという結果が出ています。
カードローンの利用目的は、前述した自営業者の例のように一時的な資金繰りから投資資金までさまざまです。お借入れというとネガティブな印象を持ちやすいかもしれませんが、取引金融機関の事情などで一時的に現金が不足することは誰にでも起こり得ます。必要なときだけ利用して現金が入った時点で速やかに返済をすれば、金利を抑えて利用することが可能です。利用や返済のタイミングを考えて、カードローンを上手に活用している人は多いといえます。
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利用することのデメリット!住宅ローンや保険加入に影響は?
カードローンを利用することで、他のローンへの影響を心配する人もいるでしょう。中でも、住宅ローンや保険加入の審査が通りにくいのではないかという心配から、利用を迷っている人は多いかもしれません。そこで、カードローンが住宅ローンや保険加入にどれくらい影響するのか説明していきます。
ちゃんと返済すれば大丈夫
結論からいえば、カードローンの利用があってもすぐに審査に影響が出る可能性は低いといえます。計画的で健全な利用であれば、特に心配をする必要はないでしょう。利用に対して計画に沿ったご返済ができていれば、信用情報機関にネガティブな記録が残されることもありません。
返済に遅延した場合は信用が下がる
カードローンの利用で注意しなければならないのは、返済が計画通りにいかなくなることです。利用しているだけならデメリットは少ないですが、返済の遅延などが出ないよう注意をしましょう。返済に遅延が出ると、まずカードローン会社から電話やハガキなどで督促があります。しかし、そのまま遅延が続いた場合、状況にもよりますが半年ほどで債券回収会社から郵送などで通知が来る可能性が高くなります。債券回収会社から通知が来るということは、債権を回収する業務をカードローン会社が外部に委託したということです。
つまり、この時点で返済能力がないと判断されたことになり、信用情報期間にその事実が記録されたと考えることができます。一度信用情報機関に記録されると、情報が残っている間は次のお借入れはもちろん、他のローンなどの審査も通りにくくなるでしょう。また、債券回収会社に回収業務が移動すると法的措置に進む可能性も出てくるため、速やかな返済が求められます。債券回収は弁護士事務所などが業務を行っていることが多く、事情を抱えている場合は分割払いなどに応じてくれる場合もあります。いずれにしてもまず連絡をして誠実に対応しましょう。
借金が返済できない状況に陥らないために!順調に返済するコツ
カードローンで心がけたいのはスムーズな返済です。これさえ守っていればメリットは多いといえます。カードローンを便利に活用するためには、3つのポイントを押さえておきましょう。まず1つ目は、無理のない返済計画をきちんと立てることです。例えば、返済期日が給料日前に来てしまったり生活費を圧迫するような返済額を設定したりすれば、スムーズな返済が続けにくくなります。そうならないよう、返済日のタイミングや無理のない返済額を考えて利用することがポイントです。
2つ目は、自分の返済能力を超えた額のお借入れをしないことです。カードローンをお申込みする際、年収や他のお借入れ状況などから判断されるため、貸金業法で定められているように利用限度額が年収の3分の1を超えて設定されることはほぼありません。しかし、貸金業法の対象は消費者金融やクレジットカード会社といった貸金業者です。住宅ローンのような銀行のお借入れは対象外となり、自分で判断してコントロールする必要があります。カードローンの利用はもちろん、家計全体の返済や支払いを考慮したうえで無理のない範囲内に抑えましょう。
そして、3つ目にあげられるのは返済のためのお借入れをしないことです。カードローンの返済が間に合わないと、督促や信用情報機関へ記録されることを避けるために、新たにお借入れをして返済を考える人もいるかもしれません。しかし、結果としてその分返済を増やすことになります。ただし、複数の融資のおまとめとして金利が安いカードローンを利用するという方法なら問題はないでしょう。
もし払えなくなったら?
心配はないと感じていても、万が一返済ができなくなったときにはどのようにしたら良いか知っておくことも重要です。何らかの事情で返済が難しくなったときに備えて、あらかじめ知識を吸収しておきましょう。ここでは、返済がスムーズにいかなくなった場合の対策について説明していきます。
放っておくのは絶対NG!
返済が難しいときにもっとも好ましくないのは、そのまま放っておくことです。たとえ返済期限に間に合わない事態になっても、まず連絡を入れておきましょう。すでに督促のハガキが届いてしまった場合でも連絡を入れることが大切です。遅延の理由や支払いの予定などを素直に伝えれば「返済したい気持ちはある」ということは理解してもらえます。
一人で抱え込まないのが鉄則
病気やケガで仕事が続けられないなど、収入状況や生活の変化は誰にでも起こり得ることです。返済を続けること自体が難しくなった場合には、誰かにその事実を相談することで悩みを軽減できます。まず、利用しているカードローン会社に相談してみましょう。状況について素直に説明をすることで、解決策が見つかるかもしれません。例えば、返済期限を猶予してもらえる場合もあります。または、返済回数の変更など少しでも負担を軽減できる方法を提案してくれることもあるでしょう。前述したように、返済できない状況を放っておくことは好ましくないことです。返済ができない事実を伝えるのは気が進まないかもしれませんが、時間が経てばそれだけ金利も増えていきます。ひとりで抱え込んでしまうことで、冷静さを失わないことが大切です。
とにかく困ったら相談!相談先は?
繰り返しになってしまいますが、カードローンの返済に困ったときには、できるだけ早い段階で誰かに相談することが大切です。実際に返済が難しいという状況に陥ってしまうと、冷静な判断ができなくなる人は少なくありません。自分だけで解決しようと考えるより、誰かに相談しましょう。周囲に適切な意見をもらえそうな人がいない場合や力になってもらえる人がいないときは、専門家に相談すると解決につなげることができます。返済の問題で相談しやすいひとつに「消費生活センター」があります。「消費生活センター」はどちらかといえば商品やサービスの苦情などが主ですが、不安を解消できるかもしれません。「消費生活センター」には188だけの電話番号でつながるホットラインがあります。
「日本貸金業協会」や「公益財団法人 日本クレジットカウンセリング協会」なども返済の相談が可能な機関です。返済に関する適切な意見を得やすいといえます。「日本貸金業協会」は無料で、お借入れに関する悩みや疑問について相談が可能です。紛争の解決に向けた相談にも応じてもらえます。「公益財団法人 日本クレジットカウンセリング協会」も無料で返済の相談やアドバイスをもらえる機関です。複数のカードローン利用で返済が難しくなった場合も気軽に相談してみましょう。
カードローン会社に相談と交渉がしたいが自分ではできないという場合は、弁護士や司法書士に依頼するという方法もあります。司法書士の場合、代理で交渉するには条件をともないますが、相談は可能です。返済に関する相談については弁護士事務所のテレビCMなども増えているため、目にした人も多いでしょう。弁護士や司法書士になると費用がかかることが心配になるかもしれませんが、無料相談に応じている事務所もあります。また、経済的に余裕がない場合には「日本司法支援センター」を利用するのも良い手段です。
「日本司法支援センター」は「法テラス」と呼ばれている機関のことで、弁護士に無料で相談できます。ひとつの案件に対して3回まで無料相談が可能で、同じ弁護士に相談するのも毎回違う弁護士に相談するのも選択は自由です。弁護士といっても得意分野はさまざまで、相談した弁護士が必ずしもカードローンの問題に詳しいとは限りません。また、相性もありますから、依頼する場合は親身になってくれる弁護士を選ぶようにしましょう。また、「法テラス」を通して債務整理などを行うときは、弁護士費用については立て替えをしてもらえます。
カードローンはどれを選べばいい?銀行と消費者金融の違い
カードローンといっても、実際にはさまざまな金融機関から提供されています。そこで、代表的な機関として銀行と消費者金融ではどのような違いがあるのか説明していきます。それぞれの特徴と違いを理解して利用を考えましょう。
銀行カードローン
銀行が発行しているカードローンは、金利が低い傾向があります。そのため、できるだけ金利を抑えての利用をしたいなら銀行カードローンが向いているでしょう。また、ATM手数料を優遇しているケースが多いのも特徴的で、無料で利用できるカードローンも出ています。1回のATM手数料はわずかなものであっても、回数を重ねればそれなりに差が出るため節約につながります。しかし、銀行カードローンは金利が低い分、審査に時間がかかりやすいうえに厳しい傾向が見られるのも特徴のひとつです。消費者金融では通りやすい場合でも、銀行カードローンは審査に通りにくい場合もあります。また、銀行カードローンのほとんどは無利息期間を設けていません。短期のお借入れでも金利が発生するので、不利に感じることもあるでしょう。
消費者金融のカードローン
消費者金融のカードローンは無利息期間を設けているケースが多く、短期間であれば利息なしでの利用が可能です。そのため、お借入れに費用をかけずに手軽に利用したいときに向いています。審査が早い傾向があり、即日融資が可能なカードローンが多いのも消費者金融の特徴のひとつです。銀行カードローンの場合は早くても翌日以降なため、急な利用に迫られたときには対応が難しいといえます。消費者金融は、短期間だけお借入れしたい場合や銀行カードローンのお申込みをする時間が取れないときに利用するといいでしょう。
カードローンの利用は計画的に
カードローンといっても提供している金融機関によって特徴が分かれています。しかし、どのカードローンを利用するにしても、無理のない額のお借入れをし、スムーズな返済を心がけていればただちに他のローンなどに影響するということはありません。お申込みの際はまず条件をきちんと確認して自分に合ったものかどうか判断し、計画的な利用をすれば便利に活用できます。