キャッシングの金利って?金利や利息の考え方・利息の計算方法を解説
不安解消
更新日:2021.02.04
キャッシングを利用したいと考える人が、契約前に気になることの1つが「金利」です。カードローンなどでキャッシングをすると、利息が高くつくのではないかと不安になります。また、公式サイトで金利を調べても「年率5~18%」のようにあいまいに書かれていて、混乱してしまう人も多いのではないでしょうか。この記事では、金利と利息の考え方や計算方法について一般的な情報をまとめたうえで、詳しく説明します。
目次
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キャッシングの「金利」とは?

カードローン会社を選ぶときの重要な要素として金利が挙げられます。しかし、金利がどのような意味を持つのか、正確に理解していない人も多いでしょう。金利のことをよく知らないでキャッシング契約をするのはおすすめしません。なぜなら、金利が返済総額を決定づけるものだからです。まず、金利とはそもそも何なのかをわかりやすく解説します。
「金利」って?「利息・利子」との違い
金利と利息は混同されやすいですが、利息は融資を受けることに対する代金のようなものです。利息がいくらになるか求めるときは借入額を基準にします。利息計算では借入額に対して百分率(パーセント)を用いて表した割合を借入額にかけ算しますが、この割合が金利です。例えば、100万円の融資を受けて5%の手数料として5万円が発生したとき、「5%」が金利、「5万円」が利息ということになります。キャッシングの金利は年率で表され、金利が低いほど利息も安くなります。利息と同様の意味を持つ言葉として「利子」がありますが、こちらは銀行などの金融機関で預金をしたときに利用者側が受け取るものを指します。
「実質年率」との違い
キャッシング業者の金利を調べていると、多くの公式サイトでは「実質年率」という書き方がなされているのに気づくはずです。この実質年率と金利の違いもわかりにくいかもしれません。実質年率は「利息+手数料や諸経費」を算出する割合です。同じ金利のキャッシングを比較したときに金利以外にかかる費用が安いほうが実質年率も低くなりますが、ほとんどの業者が手数料や諸経費を「0円」に設定しています。キャッシングをする際に別途費用がかかるのか問い合わせてみて、無料であれば金利と実質年率を同じものとみなしてかまいません。基本的に、キャッシング業者は自社の貸出利率を実質年率で表すことが義務づけられているため、中身は金利とまったく同じでも、特別な理由がなければ実質年率で表すのが通例です。
キャッシングの金利の見方

キャッシングの金利はどこも似たような数値になっているとはいえ、業者によって少しずつ違います。それぞれを見比べてみても書き方に幅があり、どのキャッシング業者を利用すれば得をするのかはっきりしません。次はキャッシングの金利をどう見ればよいかを説明し、金利の比較方法や金利相場についても解説します。
金利にはなぜ幅があるの?どれを見ればいいの?
金利の記載を見ると、多くは「実質年率5~18%」のように幅のある書き方がされています。文字通り「最低で5%、最高で18%」を意味するのですが、このような幅を持たせているのは利用者ごとに金利が異なるからです。キャッシング業者を選ぶときには金利を上限で見るのか下限で見るのか悩むところですが、基本的には上限の数字を見て各社を比較することになります。なぜなら、新規契約者のほとんどが上限金利でスタートすることが多いからです。キャッシングの審査後、あるいは利用を開始してから、年収や利用限度額、返済実績などのさまざまな要素を元にして金利が設定されます。
金利相場はどれくらい?
金利相場、つまり平均的な金利はどのくらいかを知っておくと、キャッシング業者を選ぶときの有効な判断材料になります。キャッシングができるのはクレジットカードのキャッシング枠とカードローンです。カードローンはさらに銀行系カードローンと消費者金融系カードローンに分けられます。それぞれの金利相場を見ると、クレジットカードのキャッシング枠は年率18%、銀行系カードローンは年率3~15%、消費者金融系カードローンは年率5~18%です。一般的に銀行系カードローンは、ほかの消費者金融系カードローンよりも低い金利が設定されています。その代わり、消費者金融系カードローンには「30日間無利息」などのキャンペーンが用意されていることもあり、短期間だけ借入れしたいという人には強い味方となるでしょう。
自分に適用される金利が決まるタイミングと決定方法は?

キャッシングの契約手続きをして審査を受けるまでは、自分の適用金利がどのくらいになるかを知ることはできません。基本的には金利と利用限度額が連動していて、大きい限度額を持っている利用者ほど金利が低くなります。したがって、審査の時点で利用限度額が大きい、すなわちたくさん借りることができる人ほど金利が低くなる傾向があるといってよいです。これには、限度額いっぱいまで借入れをしたときに、負担が大きくなりすぎないようにする意図があります。
金利と利用限度額を決めるのに重要な判断材料となるのは、利用者の信用情報です。利用限度額を決めるときは年収の額や安定性なども重視されます。新規契約時以外では、毎月の返済状況や収入証明書類の提出などで契約の見直しと再審査がおこなわれます。高収入で借入限度額がそのキャッシング業者の最大に設定され、かつ返済状況も良好な長期利用者であれば最低金利で借入れができるはずですが、そんな人はなかなかいないでしょう。
すでにカードを持っている人が自分の金利を確認するには?

キャッシングをすでにしていても、これまで自分の適用金利を気にしてこなかったという人がいるかもしれません。借入額に対してどのくらい上乗せして支払いをしているかを把握するためにも、金利の確認だけはしておきましょう。複数のカードローンを利用している場合は、金利が高いところから優先して返していったほうが返済総額を抑えられます。また、将来的におまとめをしたほうがよいかどうかの判断材料にもなります。
自分の適用金利を調べるには、カードの利用明細や支払い明細を見るとよいでしょう。そこに「実質年率」という項目で記載されているはずです。ほかの方法としては、会員サイトに登録してログインし、自分の契約情報を閲覧すればわかります。明細が手元になくサイトにも登録していない場合は、契約している会社に電話で問い合わせるのが一番簡単です。
金利が違う!「クレジットカード」と「カードローン」
キャッシングの手段は、クレジットカードのキャッシング枠を利用するか、カードローンを利用するかの2択であるといってもよいでしょう。この2つの金利の違いはすでに説明しましたが、異なる点はまだいくつもあります。クレジットカードとカードローンの金利のおさらいをしつつ、ほかの違いについても解説していきます。
クレジットカードのキャッシングとは
クレジットカードは買い物の後払いができるショッピング機能がメインで、キャッシング機能はオプションです。最初からキャッシング機能がついたクレジットカードを使用している人もいるかもしれません。基本的にキャッシング枠の限度額はショッピング枠より少なく、金利は15~18%です。特段の条件がないと適用金利は上限の18%が選択されます。クレジットカード1枚だけでショッピングの後払いとキャッシングができるのが魅力で、ショッピング枠とまとめて支払いをするのが主流です。たくさんキャッシングをするとショッピング枠と同時に払うのが大変になるため、借入れ金額の少ない人が大半を占めます。キャッシング額が少額なら翌月に一括返済をすると利息が安くて済みます。
カードローンを使ったキャッシングとは
カードローンはキャッシング専用のカードで、ショッピング機能はつきません。買い物の後払いはできませんが、一般的なフリーローンの使途は自由です。また、クレジットカードのキャッシング枠よりも借入限度額が高めに設定されています。支払いは分割払いやリボ払いが主流で、ある程度まとまったお金を借入れして中長期にわたって返済する利用法が多いです。カードローンはさらに銀行系と消費者金融系に分類されます。銀行系カードローンのほうが全体的に金利が低いですが、消費者金融系には無利息期間が設けられているため、使い方によっては銀行系より利息を抑えることも可能です。消費者金融系のほうが審査がスピーディで、通りやすい傾向があるといわれています。
どちらを選べばいい?
お金を借りたいときは、クレジットカードのキャッシングとカードローンのどちらを選べばよいか悩むかもしれません。少額融資を受けてすぐに返すつもりなら、金利の影響もほとんどないのでどちらでも大丈夫です。自分にとって使いやすいほうを選べば問題ないでしょう。返済が長期になるような大きな金額を借入れしたいときは、カードローンのほうが向いています。クレジットカードのキャッシング枠よりカードローンの限度額のほうが大きいこと、ショッピング枠がないため借入残額がわかりやすく返済計画が立てやすいことが主な理由です。カードローンでは30日間無利息のキャンペーンが利用できるため、うまく使えば利息を最小限にすることもできます。
キャッシングには「総量規制」がある
キャッシングを利用する際、「総量規制」という言葉を常に忘れないようにしましょう。総量規制とは、キャッシング利用者に対して年収の3分の1までしか融資ができないように設定されているものです。複数のキャッシング業者から借入れしている場合は、すべて合算します。例を挙げると、年収360万円の人は総量規制によりキャッシングが可能なのは最大120万円です。仮にA社で50万、B社で50万の借入れをおこなっていたとすると、C社と新規契約しても20万までの融資しか受けられないことになります。
総量規制は、利用者が多重債務におちいるリスクを軽減し、さらには貸し倒れを防いで契約当事者双方が多大な損失を被らないように定められています。銀行は総量規制の対象外ですが、自主的に年収の3分の1までしか融資をおこなわないルールを設定しているところもあります。自分の年収から総量規制のラインは計算できますから、それに近づくような大きな借入れにならないように気をつけましょう。
利息の計算方法
自分がその月の利息をいくら払ったのかは、明細を見ればわかります。しかし、翌月、さらにその先の利息はいくらになるのでしょうか。返済が順調であれば月々の利息は減っていき、最低支払額も小さくなっていきます。利息がいくらになるかを事前に知ると返済計画も立てやすいです。金利から利息を求めるには、「利息=借入残高×金利÷365日×日数」という式を使って計算します。金利は小数に換算するので、18%なら0.18です。借入残高30万円で金利18%のとき、1カ月(30日)の利息を計算すると、30万円×0.18÷365日×30日=4,438.356...となり、利息は4438円であると求められます。小数点以下は切り捨てです。
利息計算が難しくても大丈夫
利息を求めるためには小数のかけ算とわり算をおこなうので、計算が苦手な人だと難しく感じてしまうでしょう。しかし、計算ができなくても心配はいりません。キャッシング業者のほとんどが、公式サイトで返済シミュレーションができるようになっています。使い方は簡単で、必要な数値をいくつか入力するだけで正確な利息計算ができます。借入れを始める前に詳しく知っておきたい人は、キャッシング業者に電話をして利息について質問しておくと安心です。
低金利でキャッシングを利用するには
キャッシングをするなら、利息が安くなるようにできるだけ金利を下げたいものです。先に述べたように、金利は借入限度額が大きくなるほど下がりやすくなります。低金利で融資を受けるためには、限度額を上げる以外に有効な方法はありません。契約初期は審査時の信用情報で限度額が決まりますが、あとから増枠申請をすることも可能です。返済状況がよかったり年収が上がったりしたときに、限度額が増えないか問い合わせてみましょう。100万円以上の借入限度額だと上限金利は年15%までと定められています。したがって、100万円の総量規制をクリアできる年収300万円以上なら、15%以下の金利にできる可能性があります。金利を下げることが難しい場合は、もっと金利が低いカードローンとの契約を検討してみるのもよいでしょう。
利息をできるだけ抑えるには?
返済総額を減らすには、利息を少しでも抑えるしかありません。では、利息をできるだけ払わないようにする方法はあるのでしょうか。それはただひとつ、完済時期を早めることです。利息の計算式からもわかるように、借入日数を少なくすることで利息を減らせます。そのためには、余裕があるときに繰り上げ返済をしていく以外にありません。例えば、金利18%で50万円の借入れがあるとき、毎月2万円を払い続けると32カ月で完済します。このときの利息は合計で約13万円です。同じ条件で毎月3万円ずつ返済していくと、20カ月で完済して利息合計は8万円弱で済みます。また、借入れから1、2カ月で返済が終わりそうなときは、消費者金融の無利息キャンペーンを利用するのが利息を抑える有効な手段です。
金利や利息を理解して計画的に行動しよう
毎月の利息は、借入額に比べると小さく見えます。しかし、返済期間が長引いて、積もり積もると大きな額になります。金利や利息を理解すれば、効率のよい返済プランを立てたり、繰り上げ返済をしたりすることの大切さがわかるはずです。あとで支払いに苦しむことがないように、利息がいくらかかるかを把握して計画的に行動するよう努めましょう。