キャッシングの金利って?金利や利息の考え方・計算方法をわかりやすく解説

基礎知識

キャッシングの金利って?金利や利息の考え方・計算方法をわかりやすく解説

キャッシングを利用したいと考えたとき、契約前に気になることの1つが「金利」ではないでしょうか。カードローンなどでキャッシングをすると、利息が高くつくのではないかと不安になるかもしれません。また、公式サイトで金利を調べても「年率5~18%」のように幅のある表現になっていて、自分が利用した場合の金利がわからないという人も多いでしょう。
当記事では、金利と利息の考え方や計算方法について解説します。

目次

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キャッシングの「金利」とは?

キャッシングの「金利」とは?

キャッシングサービスを提供している金融機関を選ぶときの重要な要素として、「金利」が挙げられます。金利について正確に理解していない方は多いかもしれませんが、金利のことをよく知らないでキャッシングの契約をするのはおすすめしません。なぜなら、金利は返済総額を決定づけるものだからです。まず、金利とはそもそも何なのかをわかりやすく解説します。

「金利」と「利息・利子」との違い

金利と利息や利子は混同されやすいですが、利息は融資を受けることに対する「利用代金」のようなものです。利息がいくらになるか求めるときは、借入額に対して百分率(パーセント)を用いて表した割合を借入額にかけ算をしますが、この割合が金利です。

例えば、100万円の融資を受けて5%の5万円が「利用代金」として発生したとき、「5%」が金利、「5万円」が利息ということになります。キャッシングの金利は年率で表され、金利が低いほど利息を抑えられます。利息と同様の意味を持つ言葉に「利子」がありますが、こちらは銀行などの金融機関で預金をしたときに利用者側が受け取るものを指します。

カードローンの金利と利息、利子の違いについて詳しくはこちらをご覧ください。
カードローンの金利を徹底解説!金利を理解して賢く利用しよう

「金利」と「実質年率」との違い

消費者金融などの貸金業者が提示している金利を調べていると、多くの公式サイトに「実質年率」という言葉が出てきます。この実質年率についても、金利との違いがわかりにくいかもしれません。
実質年率とは、利息に手数料や諸経費を加算した割合のことです。同じ金利のキャッシングを比較したときに金利以外にかかる費用が安いほうが実質年率も低くなりますが、ほとんどの金融機関が手数料や諸経費を「0円」に設定しています。キャッシングをする際に別途費用がかかるのかを問合せてみて、それが無料であれば金利と実質年率を同じものとみなしてかまいません。
基本的に、金融機関は自社の貸出利率を実質年率で表すことが通例です。

「上限金利」が法律で決められている

消費者金融などの貸金業者は、利息制限法という法律に沿って営業をしています。この利息制限法では借入金額によって上限金利が定められており、それぞれの上限金利は以下のとおりです。

借入金額 利息制限法による上限金利
10万円未満 20%
10万円以上100万円未満 18%
100万円以上 15%

キャッシングの金利の見方

キャッシングの金利の見方

キャッシングの金利は金融機関によって少しずつ異なることがあります。それぞれを見比べてみても金利の表記に幅があり、どの金融機関を利用するべきなのかを選びにくいかもしれません。
ここではキャッシングの金利の見方や比較方法、金利の相場についても解説します。

金利にはなぜ幅があるの?どれを見ればいいの?

金利についての記載を見ると、多くの金融機関では「実質年率5~18%」のように幅のある表現になっています。文字どおり「最低で5%、最高で18%」を意味するのですが、このような幅を持たせているのは利用者ごとに適用される金利が異なるからです。
キャッシングを利用する金融機関を選ぶときには金利を上限で見るのか下限で見るのか悩むところですが、基本的には上限の数字を見て各社を比較することになります。
利用開始後の利用状況などによって金利が引下げられることもありますが、最初は金融機関が提示している上限の金利が適用されると考えておいたほうがよいでしょう。

金利相場はどれくらい?

金利の相場がどのくらいかを知っておくと、金融機関を選ぶときの判断材料になります。キャッシングができるのは、おもにクレジットカードのキャッシング枠とカードローンです。カードローンはさらに銀行のカードローンと消費者金融のカードローンに大きく分けられます。
それぞれの金利を見ると、クレジットカードのキャッシング枠は年率18%、銀行カードローンは年率3~15%、消費者金融カードローンは年率5~18%というのが一般的な水準です。
銀行カードローンはほかの消費者金融カードローンよりも金利が低い傾向にありますが、その一方で消費者金融のカードローンには「30日間無利息」などの無利息期間が用意されていることもあり、短期間だけ借入をしたいという人には消費者金融のほうが有利になることがあります。

適用される金利が決まるタイミングと決定方法

適用される金利が決まるタイミングと決定方法

キャッシングの契約手続をして審査結果が出るまでは、自分の適用金利がどのくらいになるかを知ることはできません。一般的には金利と利用限度額が連動していて、利用限度額が大きい利用者ほど金利は低くなります。
金利と利用限度額を決めるのに重要な判断材料となるのは、申込者の属性(年収や職業など)と信用情報です。新規契約時以外では、毎月の返済状況や収入証明書類の提出などで契約の見直しと再審査が行われます。その結果によって適用される金利や利用限度額が変更されることがあります。

すでにカードを持っている人が自分の金利を確認するには?

すでにカードを持っている人が自分の金利を確認するには?

キャッシングをすでにしていても、これまで自分の適用金利をあまり気にしてこなかったという方がいるかもしれません。しかし、利息負担がどのくらいかを把握するためにも、金利の確認をしておくことは重要です。複数のカードローンを利用している場合は、金利が高いところから優先して返していったほうが返済総額を抑えられます。
自分の適用金利を調べるには、カードが送られてきたときの台紙や、利用明細などで確認できる場合があります。そこに「実質年率」という項目で記載されているはずです。
ほかには、会員サイトに登録してログインし、自分の契約情報を閲覧する方法もあります。明細が手元になくサイトにも登録していない場合は、契約している金融機関に電話で問合せることもできます。

利息の計算方法

自分が今回の支払で利息をいくら支払ったのかは、明細を見ればわかります。しかし、翌月、さらにその先に支払う利息はいくらになるのでしょうか。返済が順調であれば月々の利息は減っていき、最低支払額も少なくなっていきます。利息がいくらになるかを事前に知ると、返済計画も立てやすくなります。
利息の計算式は、以下のとおりです。

借入残高(円) × 金利 ÷ 365(日) × 借入日数(日) = 利息(円)

借入残高に金利を掛けますが、金利は年利表示なので、1日当たりの利息を計算するためには年間の利息を365日(うるう年は366日)で割ります。1日あたりの利息に日数を掛けると、利息の支払額がわかります。
金利は小数に換算するため、18%なら0.18です。借入残高30万円で金利18%のとき、1か月(30日)の利息を計算すると、30万円×0.18÷365日×30日=4,438.356...となり、利息は4,438円であると求められます。小数点以下は切り捨てです。
なお、プロミスの公式サイトではお借入希望額と毎月のご返済額、お借入金利(年率)を入力するだけで返済のシミュレーションができます。

ご返済シミュレーション(お借入返済)

利息をできるだけ抑えるには?

利息をできるだけ抑えるには、おもに2つの方法があります。1つは借入限度額を上げて適用金利を低くする方法、もう1つは繰上返済によって完済時期を早める方法です。

借入限度額を上げる

利息制限法による上限金利との関わりもあって、金利は借入限度額が多くなるほど下がりやすくなります。
契約時は審査によって利用限度額が決まりますが、利用開始後に増額申請をすることも可能です。一般的には、利用限度額が10万円以上100万円未満だと法定の上限金利は18%ですが、それが100万円以上になると15%が上限となり、3%低くなります。100万円以上の利用限度額を設定できる方なら、金利を15%以下に下げられる可能性があります。
利用中の金融機関で金利を下げることが難しい場合は、より金利が低いカードローンとの契約を検討してみるのもいいでしょう。

繰上返済を活用する

利息をできるだけ抑えるには、返済期間を短くするのも有効な方法です。利息の計算式では、1日あたりの利息に借入日数を掛けて利息を求めます。つまり、借入日数が短くなればその分だけ利息が少なくなるわけです。
お金に余裕があるときには繰上返済をして借入残高を減らしていくと、利息を抑えられます。例えば、金利18%で50万円の借入があるとき、毎月2万円を返済し続けると32か月で完済します。この場合の利息は、合計で約13万円です。同じ条件で毎月3万円ずつ返済していくと20か月で完済となり、利息の合計は8万円弱まで少なくなります。また、消費者金融の無利息キャンペーンを利用するのも利息を抑える有効な手段です。

金利が違う!「クレジットカード」と「カードローン」

キャッシングの手段には、おもにクレジットカードのキャッシング枠を利用する方法とカードローンを利用する方法があります。この2つの金利の違いはすでに説明しましたが、異なる点はほかにもあります。
それぞれの手段のおさらいをしつつ、それ以外の違いについても解説していきます。

クレジットカードのキャッシングとは

クレジットカードは買物の後払いができるショッピング機能がメインで、キャッシング機能はオプション的な位置づけです。申込時に希望したことにより、最初からキャッシング機能がついたクレジットカードを使用している人もいるかもしれません。
一般的にキャッシング枠の利用限度額はショッピング枠より少なく、金利は15~18%です。特段の条件がない限り、適用金利は上限の18%が選択されます。クレジットカード1枚だけでショッピングの後払いとキャッシングの両方を利用でき、ショッピング枠とキャッシング枠の利用分をまとめて支払うのが一般的です。

カードローンを使ったキャッシングとは

カードローンはキャッシング専用のカードであるため、ショッピング機能はついていません。そのため買物の後払いはできませんが、多くの場合、クレジットカードのキャッシング枠よりもカードローンの借入限度額は高めに設定されています。支払方法は分割払いやリボ払いが主流で、ある程度まとまった金額の借入をして中長期にわたって返済する利用方法が多いようです。

カードローンは大きく、銀行カードローンと消費者金融カードローンに分類されます。銀行カードローンのほうが全体的に金利は低いですが、消費者金融には無利息期間などのサービスがあるため、使い方によっては銀行カードローンより利息を抑えることも可能です。

どちらを選べばいい?

お金を借りたいとき、クレジットカードのキャッシング枠とカードローンのどちらを選べばよいか悩むかもしれません。少額の借入をしてすぐに返す予定なら、金利の影響もほとんどないのでどちらを選んでも大きな差はありません。
返済が長期になるような大きな金額を借入したいときは、カードローンのほうが有利な傾向にあります。クレジットカードのキャッシング枠よりカードローンの限度額のほうが大きいこと、ショッピング枠がないため借入残額がわかりやすく返済計画が立てやすいことがおもな理由です。消費者金融のカードローンでは、初回の利用に限り一定期間無利息になるサービスを利用できるため、うまく活用すれば利息を最小限にすることもできます。

キャッシングには「総量規制」がある

キャッシングを利用する際には、総量規制を忘れないようにしましょう。総量規制とは、キャッシング利用者に対する融資額の上限を年収の3分の1とする規制のことです。複数の金融機関から借入をしている場合は、そのすべてを合算した借入残高が年収に対して3分の1を超えないようにする必要があります。
例を挙げると、年収360万円の人がキャッシングできるのは最大で120万円です。仮にA社で50万円、B社で50万円の借入をすでにしているとすると、C社と新規契約して借入ができるのは20万円までということになります。

総量規制は、利用者が多重債務におちいるリスクを軽減し、金融機関にとっては回収困難になることを防ぐことで契約当事者双方が多大な損失を被らないようにするためのものです。銀行は総量規制の対象外ですが、自主的に年収の3分の1までしか融資をおこなわないルールを設定しているところもあります。

総量規制について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
総量規制とは?年収の3分の1を超える借入と規制対象について

キャッシングの金利についてよくあるご質問

キャッシングの金利について、よくあるご質問とその答えをまとめました。

キャッシングの金利で最大利率はどれくらいですか

利息制限法による規定で、15%から20%が法的な最大利率です。多くの金融機関では18%を上限としているため、最大利率は18%前後となるのが一般的です。

10万円を18%の金利で借りると利息はいくらですか

10万円を18%の金利で借り、30日後に返済した場合を想定すると、利息の計算式は以下のようになります。

10万円 × 0.18 ÷ 365(うるう年の場合 366) × 30 =1,479.452

小数点以下は切捨てになるため、この場合の利息は1,479円です。

金利や利息を理解して計画的に行動しよう

毎月の利息は、借入額に比べると小さく見えます。しかし、返済期間が長引いて積もり積もると、やがて大きな金額になります。金利や利息を理解すれば、効率のよい返済プランを立てたり、繰上返済をしたりすることの有効性も理解しやすくなります。あとで支払に苦しむことがないように、利息がいくらかかるかを把握して計画的に行動するよう努めましょう。

【ライター情報】
田中 タスク
自身も投資家として資産運用を実践しつつ、そこで得られた知見を交えて投資系ライターとしてネットや書籍などの記事制作に取り組む。その一方で消費者金融やカードローンなどに関する知識をいかして、「お金のピンチ」を乗り切る方法の発信にも注力、借入に対する正しい知識の重要性を発信中。

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