キャッシングって借金なの?キャッシングの基礎知識と賢い付き合い方
不安解消
更新日:2021.02.04
お金が必要なときキャッシングに興味を持つ人は多いのではないでしょうか。キャッシングは、利用限度額内であればいつでも自由に現金を引き出せる点が便利です。興味を持ってはいるものの、中には「キャッシングって借金なの?」と疑問に思う人もいるかもしれません。そこで、キャッシングを経験したことのない人に向けて、キャッシングの基礎知識と上手な付き合い方など一般的な情報について解説していきます。
目次
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借金なの?「キャッシング」とは何か
結論からいえば、キャッシングとは負債を抱えることであり、つまり借金をすることです。キャッシングの利用方法は主に2種類あります。ひとつはクレジットカードのキャッシング機能を利用してお金を借りる方法、そしてもうひとつはカードローンを使ってお金を借りる方法です。クレジットカードはあくまでショッピング機能がメインになりますから、必ずどのカードにもキャッシング機能が付帯しているわけではありません。ついている場合でも、ショッピングの限度額より低めの設定にされていることがほとんどでしょう。
一方、カードローンはお金を借りるために発行されるもので、キャッシング専用のカードです。キャッシングとローンの違いといえば、お金そのものを借りるか立替えてもらうかという点でしょう。車のローンや、住宅ローン、教育ローンなどと同様に、必要なときに賢く借入れをして無理のない返済をするのが一般的であり、必要以上に利用することなく上手に付き合うことが大切です。
借入とは?個人が利用する方法や仕組・注意点などをわかりやすく解説
キャッシングの借入方法
キャッシングで借入れをする一般的な方法について見ていきましょう。カードローンを使う場合でもクレジットカードのキャッシング機能から借りる場合でも、どちらも借入れ方法に大きな違いは見られません。いずれもカードを使ってATMから引出すことが可能です。コンビニや銀行など提携先のATMが利用でき、暗証番号と金額を入力するだけで自分の預金を引出すときと同じように借入れできます。他には、インターネットを利用してパソコンやスマートフォンから操作し、銀行口座に直接振込んでもらう方法もあります。口座に振込依頼をする際、自由に口座を指定できる場合もありますが、カード会社によっては返済用の口座に限定されていることもあるため確認は必要です。
キャッシングの返済方法
キャッシングは借金ですから、返済について知っておくのは大切なことです。では、どのような返済方法があるのかを、クレジットカードとカードローンの2種類で紹介します。
一括払い
キャッシングは一括払いでの返済が可能です。クレジットカードでキャッシングした場合は、ショッピング機能の利用と同じように利用の翌月などあらかじめ決められた日に借入れした分を一括で返済します。カードローンも同じで、決められている返済日までに口座引落しまたはATMや窓口から一括で返済できます。一括で返済できれば利息を大幅に抑えることは可能です。ただし、それだけまとまったお金が必要になるわけですから、高額を借りた場合は翌月に用意するというのはむずかしいかもしれません。一括で返済する方法は、高額の借入れには向かない場合が多いといえます。
リボ払い
リボ払いとは毎月の返済額を定額で支払う方法です。例えば、10万円借りたとしましょう。この場合は毎月1万円ずつ返済していくというイメージです。ただし、カード会社や借入額に応じて毎月の返済額は変わります。
また、借入額が多いうちは返済額も高く、返済が進んで負債が減っていけば月々の返済額も下がるという方法をとっているカード会社も見られます。こうすることで、借入額が少ないときは返済の負担を抑えることも可能です。しかしリボ払いは利息分を把握しにくいため、知らずに利息の負担が増えてしまうというデメリットがあります。他にも、月々の返済額が低ければ完済までの期間が長引くことも頭に入れておくといいでしょう。リボ払いは一括での返済が難しい額を借入れしたときや、一時的に他の出費がかさんで返済にあまり回せないときに向いている方法です。
「リボ払いは怖い」の意味
ところで、「リボ払いは怖い」という話を聞いたことはないでしょうか。その理由は前述した通りで、返済額が少額であれば、返済期間が長引き、その分利息額の負担も増えてしまいます。そしてもうひとつ、安心しやすいという点にあります。例えば、毎月1万円など少額ずつでも返済を続けていれば「きちんと返済できているから大丈夫」という気持ちになるかもしれません。その結果、キャッシングを気軽に繰り返しやすくなり、借入額が増えてしまう可能性も出てきます。
中には、数千円での返済が可能なカードもありますが、それだけ返済期間が長引くことになります。カード会社にもよりますが、借入額が大きくなればリボ払いの額も上がるのが一般的です。それまでは1万円で払っていたのに、突然1万5000円と返済額が上がって驚くこともあるでしょう。そうならないためにも、安易に借入残高を増やさないよう自己管理を行うことは大切です。
キャッシングの利息はどれくらいになるの?
キャッシングをする際、利息について気になる人は多いかもしれません。そこで、利息はどれくらいになるのか、どのように計算すればいいのか説明していきます。
金利と利息の違い!金利ってどれくらい?
金利と利息について混同する人は多いかもしれません。金利は借入れの金額に対する利息の割合のことで、利息とはお金を借りる対価として支払う料金のことです。そして、利息は借入金額と金利をもとに計算されます。キャッシングの場合、金利は「年利」で考えることが多く、1年間借りたときに発生する利息が借りた金額に対して何%になるかで表示されています。つまり、利息額を知りたいときは、借入額に金利をかけるだけで計算することが可能です。
中には、キャッシングについて「法外な金利になるのではないか」と不安を感じる人もいるでしょう。キャッシングの金利については、「出資法」と「利息制限法」という2つの法律によって制限がされています。「出資法」では金利の上限を20%までと決められており、「利息制限法」ではさらに設定が細かく、借入額が10万円未満なら20%まで、100万円未満は18%まで、100万円を超える場合は15%までとなっています。この制限を超えた金利は違法ですから、そのようなカード会社は利用しないよう注意しましょう。
カードローンの場合、銀行系は3〜15%の間が多く、消費者金融系は5〜18%が一般的です。また、カードローン会社のWebサイトを見ていくと、「○%〜○%」と表記されています。つい低い方の金利を見てしまうかもしれませんが、低い金利は最高限度額を借入れる場合がほとんどで、誰もが適用されるわけではありません。
利息の計算方法は?楽に計算するには?
では、自分でも簡単にできる利息の計算法を紹介します。説明したように利息は借入れした金額に金利をかけて計算できます。ただし、金利とは1年間にかかる利息の割合ですから、実際にはかかるのは利用日数分です。利息の計算は「元金(借入金額)×金利(年率)÷365日×利用日数」で出すことができます。例えば、10万円を18%で2か月間借りる場合の計算法は「10万円×0.18÷365日(うるう年の場合は366日)×60日=2,958円」です。もう少し楽に利息を知りたいときは、それぞれのカード会社のWebサイトにある「返済シミュレーション」で計算してみましょう。
よくある誤解!「キャッシングしたらローンは組めない」
キャッシングすると住宅ローンが組めなくなるという誤解をしている人もいるでしょう。結論からいえば、キャッシングの利用があることで住宅ローンが組めないということではありません。住宅ローンで審査されるのは、返済能力があるかどうかです。ただし、審査のときは信用情報機関に記録されている情報も確認するのが一般的で、利用状況によっては影響を与える可能性も出てきます。例えば、収入に対してキャッシングの利用が多い人や返済の遅延などが見られる場合には、返済能力に疑問を持たれるかもしれません。キャッシング自体が住宅ローンに影響するわけではなくても、借りすぎないよう注意は必要です。
消費者金融と銀行どちらを選ぶか
カードローンには消費者金融が発行しているものと銀行が発行しているものの2種類があります。どちらを選ぶかで迷っている人のために、それぞれの特徴について簡単に説明します。銀行のカードローンは消費者金融より金利が低い傾向にありますし、キャッシングに抵抗感がある人でも安心感はあるでしょう。一方、消費者金融の方は言葉のイメージで怖いと感じる人もいるかもしれません。
消費者金融の中には銀行の傘下に入っている会社もあるため、そうでないところと比較すると安心感があります。さらに、消費者金融は審査にかかる時間が銀行に比べて短いのが特徴です。即日の融資に応じている消費者金融も多く、返済サイクルを選びやすいなどサービスも充実しています。銀行と消費者金融のどちらにするか迷ったときは、さまざまな条件を比べながら自分のニーズに合ったものを選びましょう。
キャッシングのリスク
キャッシングは、まったくリスクがないかといえばそうではありません。借金であることに変わりはなく、返済期間が長くなればその分の利息の負担も増えてしまします。さらに、返済に遅れが出れば遅延の金利が適用になるうえに、その事実が信用情報機関に記録されるというリスクを負います。キャッシングは基本的に使い道が自由で利用限度額内であればいつでも引出せますから、中には金銭感覚が麻痺してしまう人もいるかもしれません。キャッシングは便利ですが、その分自分をしっかり自制することが重要です。
「信用情報に悪影響」ってどういうこと?何に影響するの?
キャッシングの返済に遅れが出たり借りすぎたりすると信用情報機関に悪い影響が出ることがあります。ところで、具体的にはどのようなことでどう困ることになるのか、具体的な内容を見ていきましょう。
信用情報とは?
信用情報機関とは、借入れや金融商品などに関する利用状況を記録している機関のことです。借入れしている額はもちろん、遅延を含む返済状況や申込みの事実、契約情報など利用についてのすべてが記録されています。信用情報機関には銀行系、信販系、消費者金融系の3つがあります。
信用情報の影響
信用情報機関には個人の借入れについて記録されますから、遅延など好ましくない情報があれば新たな申込みに影響が出ると考えていいでしょう。例えば、住宅ローンを申込んでも審査に通りにくくなる可能性があります。クレジットカードやカードローンなどの新規申込みも同様です。場合によってはすでに持っているカードも使えなくなる場合も出てきます。また、スマートフォンの分割払いもできなくなることもありますから、注意しましょう。
キャッシングを賢く利用するために
ここでは、キャッシングを賢く利用するにはどのようにしたらいいのか紹介していきます。
必要な分しか借りない
もっとも大切なことは、本当に必要なときに必要な分だけ借りるということです。例えば、給料日の前に弔事による出費が必要になってしまったときやボーナス前の友人の結婚式など、必要で急な出費なら利用するのはやむを得ないでしょう。ところが、借りることに慣れてしまい、「ちょっと多めに現金を持っていたい」など特に理由もないのにキャッシングを繰り返すことは危険です。キャッシングするときは目的と金額をしっかり決めて利用しましょう。例えば、「友人の結婚式があるからお祝いの5万円だけ」と決め、その金額だけ借りることが大切です。そして、追加で何度も借りるのではなく、一度完済してから利用するという心がけも忘れてはいけません。
返済計画を立てる
キャッシングで大切なのは、計画的で無理のない利用です。借りる前に必ず「どれくらい借りてどれくらいの期間でいくらずつ返すか」をきちんと計算しておきましょう。さきほど紹介したように、カードローンを提供している金融機関のほとんどに返済シミュレーションが用意されています。カードローンを検討する際、Webサイトにある返済シミュレーションを利用すれば月々の返済額を正確に出すことが可能です。入力は自分が借りたい額と返済期間などを入力するだけで簡単ですし、時間はかかりません。返済イメージをつかむために、必ず試しておくといいでしょう。
繰上げで返済して早く完済する
カードローンは、毎月決められた返済額以外に上乗せして返済することが可能です。この返済方法は繰上返済や随時返済ともいわれるもので、利用すると早めの完済ができますし、その結果利息を抑えることにも役立ちます。臨時収入が入ったときなど、お金に余裕があるときは繰上返済で早めの完済を心がけましょう。
自分の収支を把握する
何かのタイミングで銀行口座の明細を確認したときや財布の中身をチェックしたとき、予想以上にお金を使っていることはないでしょうか。「特に大きな出費をしていないはずなのになぜかお金がなく、借入額が増えてしまう」という人は、家計の収支を把握していない傾向が見られます。これは、借入れが増えてしまう人に共通していることです。自分では忘れていても、引落しになっている支払いがあるかもしれません。たとえ数百円という少額の物でも、数多く購入すればそれなりの金額になります。「使っていない」と感じていても油断は禁物です。必ず毎日収支を確認するようにし、全体のバランスを把握しておきましょう。
キャッシングを怖がりすぎず賢く利用しよう
キャッシングは借金です。しかし、冠婚葬祭や急に帰省する用事ができるなど、突然現金が必要になることは誰にも起こり得ることで、必要なお金を借りるのは悪いことではありません。お金を一時的に借りるのは、住宅ローンや車のローンも同じことです。借入れをただ怖がるのではなく、正しい基礎知識を身につけて賢く利用しましょう。