一人暮らしの生活費の平均はどれくらい?目安や家賃の考え方を解説

便利な使い方 更新日:2025.07.18
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一人暮らしの生活費の平均はどれくらい?目安や家賃の考え方を解説

一人暮らしをする際には生活費がかかりますが、生活費がどのくらい必要か、収入に対してどのくらいの費用が目安となるか疑問を感じている方もいるのではないでしょうか?

家賃の目安は手取収入の30%までと言われています。本記事では、一人暮らし向けの家賃相場や必要な初期費用、生活費を節約するコツを解説します。

目次

一人暮らしの生活費の平均はいくら?目安と内訳を紹介

まずは、一人暮らしをした場合にかかる生活費の平均金額を見ていきましょう。以下は、総務省統計局の家計調査報告家計収支編2024年(令和6年)平均結果の概要にある一人暮らしにかかる費用の毎月の平均額です。

費目 金額
食費 44,227円
家賃(注) 23,267円
水道光熱費 13,256円
家具・生活用品費 5,969円
衣料品費 4,846円
医療費 8,526円
交通費・通信費 19,561円
教育費 9円
教養娯楽費 20,470円
その他 32,836円
合計 172,968円

出典:総務省統計局「家計調査 家計収支編 単身世帯 詳細結果表 年度次 2024年度」

※上記出典を元に筆者作成
(注)家賃については持家など支払義務がない人も含まれているため、実態よりも低い金額になっている可能性があります。また、家賃は地域や物件によっても異なります。

すべての費用のうち食費が3分の1以上を占めています。次に家賃や交通・通信費、教育娯楽費などに多くの費用がかかっています。

住居費の相場と手取り収入に対する割合の目安

総務省統計局の調査では、一人暮らしの家賃は平均20,077円でしたが、そんなに家賃が安くないと考える人もいるのではないでしょうか?

実はこの調査では、家賃を支払っていない人が含まれており、住宅ローンを支払っている人、実家暮らしでお金を払っていない人の費用は除外されています。

そこで、ここからは一人暮らし向けの家賃相場や手取り収入に対する目安の実態について解説します。

一人暮らし向けの家賃相場

総務省の令和5年住宅・土地統計調査をもとにアパート・マンション等の賃貸物件に住む場合の月額家賃を紹介します。

借家の種類 月額家賃
公営の借家 24,961円
都市再生機構(UR)・公社の借家 71,831円
民営借家(木造) 54,409円
民営借家(非木造) 68,548円
給与住宅 37,993円
全体平均(専用住宅) 59,656円

出典:総務省|令和5年住宅・土地統計調査

公営の借家や給与住宅(社宅や寮など)であれば、家賃の負担は少なく済みますが、都市再生機構や不動産会社から賃貸物件を借りる場合には、多くの費用がかかるので注意が必要です。

現在の収入の状況に応じて、慎重に検討しましょう。

収入に対する家賃の目安

収入に対する家賃の目安

一人暮らしを始めるにあたって収入に対する家賃の目安を考えておくことも重要です。一般的に家賃の目安は手取り収入の30%までと言われています。その水準を超える家賃の家を借りた場合、毎月の負担が大きくなり、生活費の支払に苦労するかもしれません。

また、手取りとは、給与明細書に記載された支給額ではなく、社会保険料や所得税・住民税などを差し引き銀行口座に振り込まれる金額を指します。

現在の収入に対して家賃の負担が大きすぎないか確認する場合は、手取り収入をもとに計算しましょう。

一人暮らしを始める際にかかる主な費用

一人暮らしを始める際には、さまざまな費用がかかります。まとまった金額が必要になるため、事前にどのような費用が発生するか確認しておきましょう。

仲介手数料

賃貸物件を契約する際には、仲介手数料を支払う場合が大半です。仲介手数料とは、物件を契約するにあたり貸主との調整や事務作業を行ってくれる不動産会社に対して支払う手数料です。一般的には契約の締結時に支払うことが多いです。

仲介手数料は法律により家賃の1か月分+消費税と上限と定められていますが、家賃の0.5か月分+消費税の不動産会社もあります。

また、仲介手数料以外にも鍵の交換費用(1万円〜2万円が相場)や火災保険料(年間1万円前後)、保証会社を使う場合は保証会社にも家賃の0.5か月分〜1か月分の利用料がかかります。

敷金・礼金

賃貸物件を借りる際には、敷金や礼金がかかります。敷金とは、部屋を借りる時に大家さんに預けるお金のことで、家賃を滞納した場合の担保や原状回復費用(退去時に部屋を借りる前の状態に戻すために使われる費用)です。家賃を滞納していない状態で故意または過失により物件を損傷していなければ、退職時に全額返金されます。

次に礼金は、部屋を貸してくれた大家さんにお礼として支払う費用です。敷金とは異なり返金されないので注意が必要です。

一般的には敷金・礼金ともに家賃の1か月分が相場ですが、礼金不要の物件や稀に敷金と礼金の両方が不要な物件もあります。

家電の購入費用

一人暮らしを始める場合、基本的に家電を買いそろえる必要があります。必要な家電の数や種類によって異なりますが、一般的には20万円〜30万円かかることも珍しくありません。

とはいえ、知人や家族から譲ってもらったりリサイクルショップで中古品を購入したりすることで、家電の購入費用を抑えることも可能です。

また、機能性が高くなく、サイズも小さい家電を選んだほうが、費用を抑えやすくなります。

引越費用

一人暮らしを始める際、新居へ荷物を運ぶための引越費用がかかります。引越費用は荷物の量と引越場所までの距離、引越をする時期、選択する引越業者やプランによって変わります。

特に、2月〜4月の繁忙期と5月〜1月の通常期では、1万円以上費用が変わることもあるので注意が必要です。

また、一人暮らしで荷物の量が少ない人は、単身引越パックを利用することで費用を抑えられる可能性があります。

一人暮らしの生活費を上手く管理するコツ

一人暮らしを始めるにあたり生活費を管理に不安がある方もいるのではないでしょうか。ここでは、一人暮らしの生活費を上手く管理するコツを解説します。

家計簿をつける

家計簿をつける

生活費を管理するためには、毎月何にいくらお金を使っているか正確に把握することが重要です。そのためには、家計簿を付けましょう。家計簿を付けることで、何にいくら使ったかがわかるだけでなく、使途不明金を減らしやすくなります。

どうしても家計簿を付けるのが面倒に感じる方は、どれか1つの項目のみに絞って記録を付けるようにしましょう。例えば、食費を抑えたい場合は、毎日夜に食費のみを記録します。

また、紙で家計簿を付けることに抵抗がある場合は、アプリを使用しても問題ありません。
アプリは手書きよりも入力の手間を省け、レシート読み取り機能があるものもあります。また、グラフ機能のあるアプリなら毎日や毎月のお金の動きを把握しやすくなります。

固定費と変動費を分けて管理する

支出を記録する際は、固定費と変動費を分けて管理することが重要です。固定費は毎月ほぼ決まった金額が出ていく費用、変動費は月によって使う金額が異なる費用を指します。

固定費 家賃
水道光熱費
インターネットのプロバイダ料金
保険料
サブスクサービス
自動車の維持費
変動費 食費
日用品費
交通費
交際費
娯楽費
医療費
スマートフォンの通信料金

固定費と変動費を分けて管理することで、支出の状況を正確に把握しやすくなります。

「先取り貯蓄」をする

毎月お金を残したい場合や将来に備えて貯蓄をしたい場合は、先取り貯蓄をしましょう。先取り貯蓄とは、給料が入ったら貯蓄分を先に別の口座などに移し、残ったお金で生活することです。

先取り貯蓄をした場合、残ったお金でやりくりする意識が生まれるため、無駄遣いを避けやすくなります。貯金に苦手意識がある人やいつの間にかお金を使ってしまう人、マイホームの購入や子どもの学費など貯蓄目標がある人におすすめです。

生活費を節約するポイント

一人暮らしをする際に掛かる生活費に不安を感じている方もいるかもしれません。何も対策をせずに一人暮らしを始めた場合、生活費の負担が大きくなる可能性があります。ここでは、生活費を節約するポイントを解説します。

自炊を中心に生活する

ファミレスやレストランなどで外食をしたり、スーパーやコンビニなどで惣菜や弁当を購入したりすると、食費の負担が大きくなる可能性があります。

食費を抑えたい場合は、自炊を中心とした生活に変えましょう。特にスーパーの割引セールを利用し、買物に行く頻度を減らすことで、無駄な買物を減らせる可能性があります。

電力・ガス会社の見直し

水道光熱費を安くしたい場合は、現在使用している電力・ガス会社の見直しを検討しましょう。電力や都市ガスの会社を見直すことで、年間数万円の節約ができる可能性があります。

また、一人暮らしの場合は使用量が少ない傾向があるため、基本料金の安いプランや特定の時間の料金が安くなるプランに変更することで費用を抑えることも可能です。

ただし、大家さんや管理会社が特定のガス会社と契約している場合は、個人が勝手に契約を変更できないことがあります。

大家さんや管理会社の断りなしにガス会社を変更すると、トラブルの原因になりかねないため、事前に相談しておきましょう。

格安SIMの利用

大手キャリアでスマートフォンを契約している場合は、格安SIMに変更するだけで、毎月の通信量を1,000円〜2,000円前後に抑えることも可能です。

なぜなら、格安SIMは大手キャリアの回線を借りて運営を行っているため、回線を設置する費用や基地局のメンテナンス費用などの料金が掛からないからです。

電波のつながりやすさにも大きな差はないと言われているため、通信料金を抑えたいと考えている方は、格安SIMへの乗換を検討してもいいかもしれません。

契約しているサブスクの整理

サブスクを複数契約している人は、この機会にあまり使用していないものがないか確認しましょう。サブスクのサービスは、使用頻度に関わらず毎月お金がかかり一般的に自動的に更新されるため、解約をすることで無駄に掛かっている費用を支払わなくて済みます。

ほとんど使用していないサブスクの費用が1か月500円であっても複数ある場合、毎月多くの金額を負担していることになります。

解約可能なサブスクがあるか確認してみましょう。

どうしても生活費が足りない場合の対処方法

一人暮らしをしている場合、急な理由でお金が必要になることは珍しくありません。これから一人暮らしを始める人は、生活費が足りなくなった場合に備えて、対処方法を知っておくことで、慌てることが少なくなります。

ここでは、どうしても生活費が足りない場合の対処方法について解説します。

日雇いバイトをする

一時的に生活費が足りない場合は、日雇いバイトをと言う方法もあります。特に求人票に即日払いと記載されているバイトなら、働いたその日に振込や手渡で給与の受取が可能です。

日雇いバイトでは、工場での軽作業、イベントスタッフ、清掃員などさまざまな仕事があります。通常のアルバイトのように長期間出勤する必要がないので、人間関係で悩む心配もあまりありません。

家族や友人から借りる

家族や友人からお金を借りる方法もあります。カードローンのように審査がないので、審査に不安がある人でもお金を借りられる可能性があります。

ただし、相談をしてもお金を必ず貸してもらえるとは限りません。口約束だけで済ませるのではなく、返済日、返済回数、返済金額などを記入した借用書を作成しておいたほうが、返済する意思を示すことができます。

また、お金を貸してもらうことができても約束通りにお金を返せなかった場合、信頼関係が悪化することもあるので注意が必要です。

不用品を売却する

家の中に不用品がある場合は、リサイクルショップやフリマアプリなどで売却することでお金を用意できます。サイズが合わなくなった服、遊ばなくなったゲーム、読まなくなった書籍などがあれば、売却を検討するのも1つの手段です。

さらに、貴金属や宝石、スマートフォンなどがある場合は、質屋に担保として預けることでお金を借りることができます。特にスマートフォンはほぼ誰でも持っていて需要も高いため、貴金属や宝石を用意できない人でも質に出しやすいかもしれません。

ただし、期日までにお金を返さなかった場合、品物の所有権が質屋に移ってしまうので注意しましょう。

クレジットカードのキャッシングやカードローン利用する

クレジットカードのキャッシングやカードローン利用する

お持ちのクレジットカードにキャッシング機能が付帯していれば、ATMなどで現金を借りることができます。キャッシング機能とは、ショッピング枠とは別に現金を借入れするための枠のことです。ただし、持っているクレジットカードにキャッシング機能が付帯していない場合は、キャッシング機能付きのカードを新たに申込する必要があります。審査にも時間がかかるため、期日までにお金を用意できないかもしれません。

カードローンとは、銀行や消費者金融が提供するお金を借りることに特化したサービスのことです。

特に消費者金融のカードローンでは、最短当日で借入ができる会社もあります。借入や返済は、提携している金融機関・コンビニのATMやアプリなどから利用できます。

ただし、クレジットカードのキャッシングもカードローンも金利が発生するため、借入をする前に返済計画を立て、無理のない範囲で利用する必要があります。

生活費が足りない原因や対処方法については、以下の記事をご覧ください。
生活費が足りない原因は?対処方法や避けるべき行動などを紹介

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これから一人暮らしをする場合は初期費用がかかることも覚えておこう

一人暮らしをする場合、毎月の生活費は約21万円、家賃は手取収入の3割までを見ておきましょう。また、ある程度の生活費が確認できても、一時的にお金が足りなくなることが考えられるため、その場合の対処方法を知っておくと慌てずに済みます。
さらに引越が必要なため、不動産会社への仲介手数料や引越会社に支払う引越料を含めればかなりの金額を用意しなければなりません。引越をする際には生活費だけでなく初期費用も含めて準備しておきましょう。

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