生活費が足りない原因は?対処方法や避けるべき行動などを紹介

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生活費が足りない原因は?対処方法や避けるべき行動などを紹介

毎月の生活費が足りない、なんとか足りてはいてもギリギリで貯金をするまでには至らない…という人は決して少なくありません。生活費が足りない時は、どのようにしてその状況を抜け出せばいいのでしょうか。
家計を見直して固定費を減らす方法や、一時的な生活費不足に陥った時の対処方法などについて解説します。

目次

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生活費が足りないのは、収入より支出が多いから

生活費が足りないのは、収入より支出が多いから

現在の日本では、「生活が苦しい」と思っている人が多くいるようです。厚生労働省が公表した「2022年 国民生活基礎調査」では、「生活が苦しい」と答えた世帯が全体の51.2%(「大変苦しい」20.2%、「やや苦しい」31%)というデータもあります。

毎月のお金が足りない理由は、いうまでもなく、収入よりも支出が多いからです。完全に支出が収入を上回ってしまうと生活が成り立たなくなりますが、収入と支出が同じくらいの場合も、給料日前に無理して節約をしなくてはならないなど、苦しい状態ではあるでしょう。

こういった状況を解消するためには、収入を増やすか支出を減らすかのいずれか、もしくはその両方が必要です。しかし、急に収入を増やすことができる人は多くないと思いますので、まずは家計を見直して支出を減らす努力をすることをおすすめします。

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なぜ生活費が足りなくなるのか、まずは原因を知ろう

なぜ生活費が足りなくなるのか、まずは原因を知ろう

生活費が足りない、この状況を何とかしたいと感じている方にとって重要なのは、生活費が足りない原因を知ることです。ここでは多くの人が経験している理由を4つ紹介しますので、このなかに当てはまるものがないかチェックしてみてください。

固定費が高い

固定費とは、毎月必ず発生する料金のことです。スマートフォンの料金や生命保険料、サブスク(定額制)のサービスなど、こうした毎月必ず発生する費用のなかに、無駄だと思えるものがないかチェックしてみましょう。
ほとんど利用していないのに会費だけ支払っているフィットネスジムや英会話スクールなどは目立つので節約しやすいと思いますが、例えばスマートフォンの料金が高すぎないか、格安SIM会社に乗り換えできないかといったように、見えにくい部分の無駄にも目を向けてみてください。

外食が多い

自炊よりも外食の方がお金がかかる場合が多いため、外食の回数が多すぎると生活費が足りない事態に陥りやすくなります。本当に必要な外食まで節約する必要はありませんが、無駄な外食、衝動買いのような感覚の外食が多くないか自問自答してみてください。

思いがけない出費

日常的に使っている家電が故障をしたために買換えた、事故や病気などで思わぬ出費があったといったように、思いがけない出費が続くと生活費を圧迫することになります。
しかし、こうした事態は予測が難しいだけに、リスクをゼロにすることはできません。そこで、こうした思いがけない出費があっても慌てずに済むように、毎月少しずつでも非常用にお金を貯めておくことをおすすめします。

自分の収入を把握できていない

収入が少ないから生活費が足りないと感じている方に一度考えていただきたいのですが、ご自身の収入を正確に把握できているでしょうか。いつもの収入額が把握できていないと、何らかの理由で特定の月だけ収入が減っても気付きにくく、理由が分からないまま「生活費が足りない」と感じてしまいます。
自分の収入を正確に把握すれば、生活費と照らし合わせていくら足りないのかが見えてきます。「生活費が足りない」と漠然と思うだけでなく、まずは自分の収入がいくらなのかを正確に把握してお金への関心を高めましょう。

生活費が足りない場合の対処方法

生活費が足りない場合の対処方法

生活費が足りないと嘆いているだけでは問題は解決しません。まずやるべきこと、有効な対処方法を解説します。

まずは家計の見直し

支出を減らすための工夫として、まず取組みたいのが家計の見直しです。なかでも、毎月必ず支払うことが決まっている固定費を減らすことができれば、家計にゆとりが生まれます。
ざっくりでもいいので、1か月分の収支(特に支出)を記録してみてください。細かく家計簿をつけなくても、何にいくらかかっているのかを見える化して把握するのが、支出を減らす第一歩です。ここでは、固定費の種類とそれを減らす方法について見ていきましょう。

固定費

家賃など住居にかかる費用や保険料、通信費、光熱費、自動車の維持費など、こうした固定費のなかで節約できる余地はないか検討してみましょう。
それぞれの項目別に節約の可能性について解説します。

■住居費

家計に占める割合が大きくなりがちなのが、家賃や住宅ローンなどの住居費でしょう。目安として、住居費は月々の手取金額(収入から税金や社会保険料を引いた金額)の25%から30%以内に収めるのが適正といわれています。
都心など家賃・地代が高いエリアに住んでいる場合でも、30%未満には抑えたいところです。これを超える場合は、次のような方法で負担を減らすことを検討しましょう。

・引越を検討する
賃貸で住居費の割合が高すぎる場合は、引越を検討しましょう。引越代がかかったとしても、家賃が安くなれば長期的に見て節約効果は大きくなります。
家賃を下げるために郊外などへ引越すと、通勤に時間を取られる懸念はありますが、リモートワークが可能な勤務先であれば、住みやすく家賃の安いエリアを探してみるのもおすすめです。

・家賃の値下交渉をする
賃貸契約の更新時などに、家賃の値下交渉を試みる方法も考えられます。長く住んでいるほど物件は古くなるため、同じ集合住宅内や周辺の家賃相場との差が生じているようであれば交渉の余地があります。家賃の値下げは難しくても、管理費や更新料を値下げしてもらえるケースがあります。
また、賃貸契約でほぼ必須となっている火災保険は、見直しをすると安くなることもあります。賃貸物件の24時間サポートサービスも、任意で加入していて不要なのであれば外すことを検討してみましょう。

・住宅ローンの借換、繰上返済
分譲マンションや持ち家の場合、住宅ローンを組んでいるケースは多いでしょう。住宅ローンの返済額は手取り額の25%以下が目安です。ただ、住宅ローンは長期返済になることを考えると20%以下が望ましいともいわれています。いずれにしろ、負担が大きいという実感があるのであれば、ローンの借換を検討してみましょう。
一般的に、ローン残高が1,000万円以上、残年数が10年以上で、さらに借換後の金利差が大きければ返済の負担が軽減する可能性があります。ただし、借換契約時には事務手数料や保証料、印紙税などの諸費用が必要です。まとまったお金を用意できるなら、繰上返済をして元金を減らすほうが得策かもしれません。
借換える場合と、繰上返済をする場合、どちらが支出を減らすために有効かを比較検討してください。

■保険料

生命保険も、ライフステージにあわせて保障内容や期間、保険料、保険金などを見直していきましょう。
就職や転職、結婚、出産、子どもの独立などで状況が変わると、必要な保障も変化します。
例えば、子どもが生まれると変動費や固定費が増え、学校に通うようになれば教育費も確保しなければならなくなります。保険料が家計の負担にならないよう、無理なく支払っていくことができる金額に再設定することがおすすめです。

保険期間が定まっている定期保険の多くは、満期を迎えると自動更新されることもあるため、要注意です。更新後の保険料は一般的に更新前より高くなるので、そのタイミングでも見直しを検討してみてください。保険は状況にあわせて最適なものにアップデートしていくことが重要です。
なお、代理店を経由して自動車保険に加入しているものの、特に営業担当者が不要と考えている場合は、ダイレクト型(通販型)にすると保険料が安くなる場合もあります。

■通信費

スマートフォンの料金やインターネットの通信費も、見直すことで支出を減らす効果が期待できます。まずは、現在の契約プランや利用状況を確認してみましょう。

・契約プランの変更
利用するデータ通信量が少ないにも関わらず、大容量のプランで契約している場合は、利用状況にあわせたデータプランに変更するだけでも、月々の料金を大幅に抑えられる可能性があります。さらに、「家族割」のようなサービスを利用するのも1つの手です。
また、毎月の金額は少なくても、使わずに放置しているオプションは解約してしまいましょう。

・大手キャリアから格安SIM会社への乗換
大手キャリアから格安SIM会社へ乗換えるのもおすすめです。格安SIM会社にすることで、データ通信の速度やつながりやすさの面で若干のデメリットはありますが、月額利用料金は驚くほど安くなります。
特に、自宅や会社ではWi-Fiを利用する、通話は無料通信アプリを使用することが多い方は、格安SIMがおすすめです。

・インターネットとスマートフォンのセット割を利用
スマートフォンとインターネット(光回線)をセットで契約することで、月々の料金が割引されるサービスがあります。大手キャリアや格安SIM会社でさまざまなプランがありますので、比較検討してみましょう。

■光熱費

電気とガスは、小売の自由化によって料金を抑えやすくなっています。電力会社、ガス会社を選んでそれぞれの月額利用料金を節約することができるほか、電気とガス、インターネットとのセット割も登場しています。

基本的に、乗換の際に初期費用などは発生せず、手続もインターネットなどから申込むだけでOKといった形が一般的です。各社さまざまな料金プランが用意されていて、ポイントサービスによる還元を行っている業者もあります。

■自動車の維持費

自動車を所有している場合、維持費がかさんでいる方は多いのではないでしょうか。ローンや税金、車検代、駐車場代、保険料、さらには燃料代や高速代、メンテナンス代など、自動車を所有するだけで固定費に加えて変動費も必要になります。

レンタカーだけでなく、近年ではカーシェアリングも普及していて、気軽に自動車を借りることができます。日常的に自動車を利用していないのであれば、手放すことを考えてもいいでしょう。

■実は不要なものも…

ほかにも、「これまで当たり前に利用してきたけれど、なくてもそれほど困らないもの」がないか確認してみましょう。
例えば、固定電話や新聞が絶対必要かといえば、スマートフォンがあればそれだけでも問題ない人は多いでしょう。また、ほとんど利用していないサブスクリプションサービスなども同様です。

変動費

固定費のように毎月の支出額が決まっておらず、場合によってはまったく発生しない月もあるのが変動費です。食費や日用品、衣服、交際費、外食費など、これらはついつい無駄遣いをしてしまいやすい費用でもあります。
生活をする上で必要な出費まで抑える必要はありませんが、これらの変動費には節約の余地があるので、支出をする前に「本当に必要か」と一度考えることを習慣づけておくと、こうした変動費を抑えやすくなります。

すぐにできる対処方法

毎月のことではなく、何らかの理由で一時的に生活費が足りなくなった場合は、次のような方法でお金を得ることも可能です。

短期・日雇いバイト

週末など、空いている時間を使ってアルバイトをして収入を増やすのもいいでしょう。販売や警備、交通誘導、倉庫内作業、清掃、引越、配送助手、工事現場作業、イベントスタッフ、データ入力など、1日だけでもできる短期バイトは意外に多くあります。
近年では隙間時間にアルバイトができるサービスもあります。こうしたサービスを上手に活用するのも、有効な対処方法です。

不要になったものを売る

手持ちのいらなくなった物を売る場合、貴金属や宝石、時計、ブランドバッグなどは、買取専門店を利用すると高値がつく可能性があります。査定は基本的に無料なので、積極的に利用してみてください。
また、本やDVD、ブルーレイ、CD、ゲーム、洋服、スマートフォン、タブレット、ノートPCなども、中古ショップやリサイクルショップで売ることができます。

「買取専門店やリサイクル店ではあまり歓迎されないけれど、需要がある」と考えられるような物であれば、フリマアプリやネットオークションに出品してみてもいいでしょう。

クレジットカードのキャッシングを利用する

クレジットカードにキャッシング機能が付帯されていれば、ATMなどで現金を借りることができます。利用枠はあまり多くなく、金利も高めですが、手軽に借りられるのがメリットです。

カードローンを利用する

貸金業者や金融機関が提供する個人向け融資サービスに、カードローンがあります。ATMやアプリなどでお金を借りることが可能です。

通常、キャッシングよりも利用限度額が高く、金利が低めの傾向があります。カードを持っていなくてもインターネットなどから申込めば、最短で当日のうちに借入が可能になります。

カードローンは担保なし・保証人なしであっても申込むことができるのもメリットの1つです。プロミスのように、初回30日間無利息といったサービスを行っているカードローンなら、使い方によっては利息負担なしでお借入ができます。
一方で、便利であるがゆえに、つい借りすぎてしまうことがあるかもしれません。無理なく返済できる範囲内で、計画的に利用することが重要です。

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お金を借りる際に気を付けること

金融機関からお金を借りる際に留意したいのは、以下の3点です。

  • ・利息を必ず確認する
  • ・月々の返済額を把握しておく
  • ・返済計画を立て、計画通りに無理なく返済できる分のお金を借りる

生活費が足りないことへの対策としてお金を借りる場合は特に注意が必要で、毎月の生活費がいくら足りないのか、そのためにいくら借入をして、どうやって返済していくのかをしっかりと計画し、その計画どおりに行動することが重要です。

長期的な対処方法

ここまでは生活費が足りない場合の短期的な対処方法を解説してきました。短期的な対処では当面のピンチを解決することはできても、根本的な問題が解決していなければ、いずれまた生活費が足りない事態になってしまう可能性があります。
そこで、長期的な視点での対処方法についても解説したいと思います。

副業

いまの勤務先の給料だけでは生活費が足りないということであれば、副業を検討してみてはいかがでしょうか。インターネット上でスポット的な仕事を請け負うことができるクラウドソーシングや、隙間時間でできるアルバイトをするなど、本業の収入に上乗せする方法があります。
近年では副業を容認する企業が多くなっており、以前と比べると副業をしやすい環境が整備されつつあります。

公的制度を利用する

国や自治体には、生活費が足りなくて困っている人のためにお金を貸付ける制度があります。代表的なものに、「生活福祉資金貸付制度」があります。低所得者世帯、障がい者世帯、高齢者世帯向けにそれぞれ生活費などを貸付ける制度があるので、利用を希望する方は住民票のある自治体の市区町村役所にある相談窓口で相談をすると、最適な制度や手続の方法などを案内してもらえます。
長期的に生活費が足りない、このままだと生活に困窮するといった可能性がある場合は、生活保護を検討するのも有効です。条件を満たしている人で調査の結果保護が必要と認められた場合は、生活費に使うことができるお金が毎月支給されます。

債務整理を依頼する

借入がある人が返済に困った場合、債務整理によって法的に借入を減額したり、返済免除の手続をとったりすることができます。返済が困難になったら一人で悩まず、法律の専門家に相談して、最善の策を考えるのがいいでしょう。
なお、債務整理には自己破産、個人再生、任意整理の3つの方法があるため、状況に応じて最適な方法を法律の専門家にアドバイスしてもらうのが得策です。
専門家に相談をする費用がないという場合は、「法テラス」といって無料で相談ができる窓口もあります。

避けるべきNG行動・注意点

生活費が足りないからといって、安易な行動は控えましょう。最も避けるべきなのが、闇金など違法業者からの借入です。「審査なしで融資」「他社で断られた方もOK」といった甘い言葉でお金に困っている人を勧誘し、融資を持ちかけます。
しかし、実際には違法業者であるため法外な高金利を要求されたり、返済が滞ると強引かつ暴力的な取立に遭ってしまうこともあります。
その場しのぎでこういった違法業者を利用してしまうと、お金に困るだけでなくさらに深刻な事態にもつながりかねません。
また、生活費が足りないことに悩むあまり、無理な節約をしたり自分を責めてしまったりといったことにも注意したいところです。精神的に追込まれると違法業者の誘いに乗ってしまう恐れがありますし、冷静な判断がしづらくなることもあります。
生活費が足りないと感じたら早めに行動して、できることから取組む意識を持ちましょう。

家計の見直しで生活費の確保を

生活費が足りないと感じている時は、まず家計の見直しから始めてみてください。毎月当たり前に支払っていた固定費も、現在の生活スタイルを踏まえると改善できるところは多くあるかもしれません。まずは、できるところから見直していきましょう。

一方で、一時的に生活費が足りなくなった時も、手早くお金を得る方法がいくつかあります。なかでもカードローンは、労力をかけることなくお金を用立てることができる手段です。賢く利用すれば非常に便利な方法ですので、返済できる範囲内で計画的に利用すれば強い味方になるでしょう。

【ライター情報】
田中 タスク
自身も投資家として資産運用を実践しつつ、そこで得られた知見を交えて投資系ライターとしてインターネットや書籍などの記事制作に取り組む。一方で消費者金融やカードローンなどに関する知識をいかして、「お金のピンチ」を乗り切る方法の発信にも注力、借入に対する正しい知識の重要性を発信中。

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