クレジットカードのブラックリストとは?登録条件や確認方法、解除までの期間を徹底解説
不安解消
更新日:2024.12.25
「ブラックリストに載るとクレジットカードを作れなくなる」という話を聞いたことはないでしょうか。ブラックリストに載ってしまうとクレジットカードの審査には通らないと思われがちですが、実は「ブラックリスト」という名前のリストがあるわけではありません。信用情報機関に長期延滞や債務整理をはじめとする、以後の審査に影響を及ぼすような事実が記録されることを、一般的に「ブラックリストに載る」と表現します。
審査に影響を及ぼすようなことが過去にあると、それが理由でクレジットカードの審査に通りにくくなることは事実なので、載ってはいけない「ブラックリスト」という俗称になったのかもしれません。
当記事ではいわゆるブラックリストについての解説と、自分の信用情報を確認する方法、そして審査に影響を及ぼす情報が解除されるまでの期間などについて解説します。
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クレジットカードの「ブラックリスト」とは
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冒頭でも述べたように、「ブラックリスト」というのはあくまでも俗称であり、「ブラックリスト」という名前のリストが存在しているわけではありません。一般的に「ブラックリスト」と呼ばれているのは、信用情報機関に記録されている金融事故情報のことです。
金融事故とは、お金を借りたものの返済の長期延滞や返済困難になってしまったことによる債務整理といった事実のことを指し、こうした事実は信用情報機関に記録されます。新たにクレジットカードの申込や金融機関への借入申込などをすると、信用情報機関への照会が行われ、そのときに金融事故情報があると審査に通るのが困難になります。
こうした仕組があるため、金融事故があると「ブラックリストに名前が掲載されて審査に通らなくなる」という解釈になるわけです。一般的に用いられている表現であり分かりやすいと思いますので、金融事故情報が記録されることを当記事でも「ブラックリストに載る」と表現します。
ブラックリストに載ると、審査に影響が出る
ブラックリストに名前が載ると、クレジットカードや消費者金融などの審査に通るのが困難になります。主に以下のような影響が考えられます。
- ・新規のクレジットカードを作れなくなる
- ・使用中のクレジットカードが使えなくなる
- ・新たなローンの審査に通るのが困難になる
- ・賃貸住宅の審査に通るのが困難になる
4つ目の賃貸住宅の契約については、保証会社を通して信用情報機関への照会が行われることがあります。そのため過去に家賃の滞納をしていなくても他の支払で延滞をしていた場合は「支払能力に不安がある」と判断される可能性があります。
ブラックリストに載ることによる影響については、こちらもご覧ください。
プロミス等のカードローンの審査落ちする理由は?再審査の申込方法や期間・完了メールはいつ来るか解説
クレジットカードのブラックリストに載る代表的な5つの条件
ブラックリストに載ると、さまざまな不利益が生じます。それでは、どんなことをするとブラックリストに載ってしまうでしょうか。代表的な5つの条件について解説します。
支払の長期延滞
クレジットカードやローンなどの支払を長期間にわたって延滞すると、その事実が信用情報機関に記録(つまりブラックリストに載る)される可能性があります。
その期間については信用情報機関によって異なります。例えば、主要な信用情報機関の1つであるCICでは、「返済日より61日以上または3か月以上の支払遅延」を掲載要件としています。61日というと約2か月なので、CICの場合は「2か月以上支払が遅れるとブラックリストに載る」と解釈できます。
クレジットカードの強制解約
延滞が長期化したり、利用規約に違反するようなことが発覚すると、クレジットカード会社から強制解約されることがあります。強制解約の事実も信用情報機関に記録されるため、「ブラックリストに載る」ことになります。
クレジットカードの利用規約違反として代表的なのは、「ショッピング枠の現金化」です。本来買物のために設けられているクレジットカードのショッピング枠を「現金化します」と謳っている業者に依頼をすることは規約違反になるため、強制解約の原因になります。
クレジットカードの短期間での複数申込・解約
短期間のうちに複数のクレジットカードに申込をしたり、解約をしたりすることはいわゆる金融事故情報ではありませんが、これもブラックリストに載る原因の1つです。特に支払の延滞をしたわけではありませんが、クレジットカードの申込や契約の事実は信用情報機関に記録されます。
同時もしくは短期間に複数のクレジットカードに申込をすると審査時にはそのことが分かるため、「何か多くのクレジットカードが必要な事情があるのではないか」と見なされる可能性があります。また、クレジットカードの多くは新規入会時にキャンペーンなどを用意しているため、「特典目的で使うつもりのないクレジットカードをたくさん作ろうとしているのではないか」と見なされ、敬遠される可能性もあります。
自己破産・個人再生などの債務整理
債務整理とは、法的な仕組を用いて債務(借金)の返済免除、猶予、減額などを行う手続のことです。自己破産や個人再生、任意整理などはいずれも債務整理の具体的な方法です。
債務整理をした事実は、ブラックリストに掲載されます。記録は一定期間保存され続けるため、クレジットカードの審査時に照会をかけて債務整理の情報があると審査に通るのが困難になります。
過払い金請求は債務整理ではないため、既に完済した人が過払い金を取戻したとしてもブラックリストには掲載されませんが、まだ借入がある状態で過払い金請求をすると債務整理をしたことになるため、ブラックリストに掲載されます。
代位弁済
ローン返済などの延滞が長引き、保証会社が代わりに返済を行うことを代位弁済といいます。借入をした人が返済能力を失ったと判断された際に行われるのが代位弁済なので、ブラックリストに載ることになります。
ブラックリストの確認方法
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自分がブラックリストに登録されているのかどうかは、信用情報機関に開示請求をすることで調べられます。クレジットカードや消費者金融のカードローンなどの信用情報を管理しているのは、CIC、JICC、KSCの3社です。
主に取扱っている信用情報の分野がそれぞれ異なるため、この3社の特徴や開示請求の方法などについて解説します(2024年12月時点の情報であり、今後変更される可能性があります)。
信用情報機関 | 請求方法/料金 | 開示請求にかかる期間 | 受け取り方法 |
---|---|---|---|
CIC (株式会社シー・アイ・シー) |
パソコン/500円 スマートフォン/500円 郵送/1,500円 |
即時対応 (郵送は約10日) |
パソコン スマートフォン 郵送 |
JICC (株式会社日本信用情報機構) |
スマートフォン/1,000円 郵送/1,300円 |
数分~7日程度 | スマートフォン 郵送 |
KSC (全国銀行個人信用情報センター) |
スマートフォン、パソコン/1,000円 郵送/1,679円~1,800円 |
3営業日~10日 | パソコン スマートフォン 郵送 |
※郵送は切手代がかかる可能性があります。詳細は公式ホームページをご確認ください。
CIC(株式会社シー・アイ・シー)の場合
CIC(株式会社シー・アイ・シー)は、クレジットカード会社や信販会社、消費者金融、携帯電話会社などが加盟しており、これらの信用情報を管理しています。CICに加盟している会社における事故情報は最長5年間保存されるため、5年間はクレジットカードの申込審査などで影響を受ける可能性があります。ただし、クレジットカードやローンなどの利用中に加盟会社が支払能力の調査のために照会をかけた場合などは、保存期間が6か月です。
CICへの情報開示請求は、インターネットもしくは郵送での申込が可能です。インターネットによる方法であればパソコンもしくはスマートフォンによってすぐに開示報告書を閲覧することができます。
JICC(株式会社日本信用情報機構)の場合
JICC(株式会社日本信用情報機構)は主に消費者金融や銀行などが加盟している信用情報機関で、多くの金融機関の信用情報を管理しています。信用情報の保存期間は、5年間です。
JICCではスマートフォンと郵送による開示請求が可能です。スマートフォンによる開示請求では専用のアプリを使用するため、以下の手順で手続をします。
- 1.アプリのインストール
- 2.クレジットカードやマイナンバーカードによる本人の認証
- 3.請求者自身の情報を入力
- 4.手数料の支払
- 5.アプリもしくは郵送で開示結果を受取る
KSC(全国銀行個人信用情報センター)の場合
KSC(全国銀行個人信用情報センター)は、銀行や信用金庫、信用組合、農協などの金融機関が加盟し、それらの信用情報を管理しています。KSCでの保存期間は、長期の延滞や代位弁済などの事故情報が最長5年、債務整理に関する事故情報が最長7年となっています。
KSCへの開示請求にはスマートフォンやパソコン、もしくは郵送による方法があります。
ブラックリストの登録から解除までの期間
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ブラックリストに登録されたとしても、永久に情報が残るわけではありません。記録される情報によって保存年数は異なりますが、一定期間を過ぎると情報は削除されます。主な金融事故情報の掲載期間は、以下のとおりです。
信用情報機関 | 長期延滞 代位弁済 強制解約 任意整理 個人再生 |
自己破産 |
---|---|---|
CICの保存期間 | 5年 | 5年 |
JICCの保存期間 | 5年 | 5年 |
KSCの保存期間 | 5年 | 7年 |
信用情報機関、つまりブラックリストに記録されている情報は保存期間が過ぎる以外に削除する方法はなく、保存期間中はクレジットカードやローンなどの審査に影響を及ぼすことになります。
この事実を踏まえると、少しでも早くブラックリストへの記録解除をするのであれば、延滞している借入や支払などをできるだけ早く返済することをおすすめします。
クレジットカードのブラックリストに関するよくあるご質問
クレジットカードのブラックリストに関する、よくあるご質問と答えをまとめました。
ブラックリストに載らないためには?
金融事故情報として記録されることをはじめ、以下に該当することをしなければ、原則ブラックリストに載ることはありません。
- ・返済の長期延滞
- ・短期間の複数申込や解約
- ・債務整理
つまり、適切に利用、返済をしている限り、ブラックリストに載ることはないということです。
ブラックリストに載るとローンが組めないって本当?
ブラックリストに載るとローンなどの審査に通るのが困難になるため、「ローンは組めない」と認識しておいたほうがいいでしょう。住宅ローンやカードローンなどさまざまなローンの審査では信用情報機関への照会が行われ、金融事故情報があると返済能力に不安があると判断される可能性が高く、審査に通りにくくなります。
まとめ
一般的に「ブラックリスト」と呼ばれる名簿のようなものは存在しませんが、信用情報機関に金融事故情報が記録されると5年や7年といった期間にわたって審査に影響を及ぼすことになるため、クレジットカードやローンなどの審査には事実上通らないと考えておいたほうがいでしょう。
適切な利用と返済をしている限りブラックリストに載ることはないので、計画的な利用を心がけましょう。
【ライター情報】
田中 タスク
自身も投資家として資産運用を実践しつつ、そこで得られた知見を交えて投資系ライターとしてインターネットや書籍などの記事制作に取り組む。一方で消費者金融やカードローンなどに関する知識をいかして、「お金のピンチ」を乗り切る方法の発信にも注力、借入に対する正しい知識の重要性を発信中。