カードローンにはどんな危険性がある?借入のリスクや対処方法を解説
不安解消
更新日:2024.10.21
お金に困った時、カードローンでの借入を検討しても、カードローンは危ないと聞いて不安に感じる方も多いかもしれません。果たして、「カードローンは危ない」という話は本当でしょうか。
カードローンはたしかにリスクもありますが、メリットも数多くあります。今回は、カードローンに危険性があるといわれる理由や、そのリスクの回避方法についての一般的な情報をまとめて見ていきましょう。
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カードローンにデメリットや危険性はあるのか
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カードローンとは、カードもしくはWebサービス、スマートフォンのアプリなどを使ってお金を借りることができるサービスのことです。お金を借りるサービスである以上、返済が必要となります。返済困難に陥ってしまった方の話やニュースなどを目にすると、どうしてもお金を借りることに不安を感じる方もいるでしょう。また、返済が遅れると取立が発生するのではないかというイメージも、カードローンに対して不安に感じてしまう要因の1つです。
もちろんカードローンに違法性はなく、借入限度額や金利には法令で上限が定められており、その上限を超えた金利が設定されることはありません。そういったルールを守っていない業者は闇金と呼ばれる違法業者であり、カードローンとは無関係です。
また、強引な取立など乱暴なイメージも闇金のものであり、カードローンのことではありません。
カードローンにも利用時には返済総額や返済期間をしっかり理解して適切に利用する必要があるなど注意点はありますが、適切に利用していれば多くのメリットがあるサービスです。
カードローンのデメリットや危険性
カードローンに危険性があるとされるのは、デメリットやリスクに不安を感じるからでしょう。危険性を知っておくことは大切ですが、必要以上に恐れないためにも、カードローンのマイナス部分を正しく理解することが大切です。まずは、カードローンのデメリットと危険性についてご紹介します。
他ローンを組む際の審査に影響する可能性がある
1つ目に考えられることとして、他ローンを組む際の審査に影響する可能性があるというのが挙げられます。なぜなら、貸金業者や信販会社は、顧客の金融取引に関する情報を、信用情報機関に提供することが法令で定められており、カードローンの申込をすれば記録が残るからです。
信用情報機関とは、金融機関からカードローンでの借入の情報や、個人のクレジットカードの使用履歴などを収集し、管理する組織です。こういった金融取引の情報を信用情報といい、信用情報機関は信用情報を各金融機関に提供することによって、過剰な貸付を防ぐ役割を果たしています。
金融機関はカードローンなどの金融サービスを契約する際に審査を行っており、その際に信用情報が照会されます。他社ですでに多額の借入がある場合や、返済の遅延などがある場合は、それらの情報が審査に影響を及ぼす可能性があります。照会した信用情報の内容によっては、審査に通らないこともあります。
ただし、適切に利用と返済をして申込の記録や通常の返済記録が残っているだけで問題になることはありません。総量規制との関わりで年収に対する借入総額は審査に影響を及ぼしますし、延滞や債務整理などの記録があった場合もその記録内容が審査時に考慮されます。
他ローンと比べて金利が高い傾向にある
カードローンは、住宅ローンやマイカーローンなどの目的別ローンと比較して金利は高めです。しかし、不動産担保や保証人を求められることが多い目的別ローンと比べ、カードローンは無担保かつギャンブル資金などでなければ使途自由で契約可能、返済中でも利用限度額以内なら必要な時に借入できるという強みがあります。
カードローンは以下のように利息制限法にもとづいた金利が設定されており、これを超えることはありません。
■利息制限法の上限金利
借入した金額 | 上限金利 |
---|---|
10万円未満 | 年20.0% |
10万~100万円未満 | 年18.0% |
100万円以上 | 年15.0% |
住宅ローンやマイカーローンに比べて金利は高めですが、同じように現金が借入できるクレジットカード付帯サービスのキャッシングなどと比べて、特別に金利が高いことはないでしょう。
また、消費者金融などが提供している無利息サービスを利用したり、早めに返済したりすることで利息は抑えられます。
便利さゆえに借りすぎてしまう場合がある
スマートフォンやコンビニATMなどで借入ができるカードローンもあるため、便利であることは1つのメリットです。早朝や深夜、休日でも急に現金が必要になった時に利用でき、一度契約を行えば、利用限度額の範囲内で何度も借入と返済が可能です。
その便利さゆえに、お金が足りない時につい頼ってしまいがちな方は多く、「借りすぎてしまう危険性がある」というのはある程度事実でしょう。
金融機関は申込者の年収や他社の借入状況などを考慮して、返済能力に問題ないと判断できる額しか貸付しませんが、借入の前にしっかりと返済計画を立て、必要な額だけを借りることが重要です。
返済期間が長期化する・返済総額が増える場合がある
こちらは、カードローンの利息を求める計算式の一例です。
借入残高 × 金利(実質年率)÷ 365日×借入日数 = 利息額
借入残高と金利を固定して考えると、利用日数が増えれば利息も増えます。つまり、借入日数が増えると元金と利息を足した返済総額も増えることになります。返済総額を抑えるには利息を最小限にすることが有効なため、「借入日数を減らす=長期化させない」ことが重要でしょう。
ほとんどのカードローンでは、毎月の返済額を無理のない範囲で設定できるリボルビング払いが採用されています。リボルビング払いの中でも残高スライド式は借入残高に応じて毎月の返済額が変動する仕組です。
<リボルビング払いについての図表>
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この図のように借入残高が大きく変動しても毎月の返済額がそこまで大きく変動することはありません。これだけを見るとリボルビング払いは毎月の返済負担が少なく感じることもあるでしょう。しかしその一方で、最低返済額だけの返済だと元金返済のスピードが遅くなるため「毎月支払っているのになかなか返済が終わらない」と感じることはあるかもしれません。実際には借入残高に応じて一定の期間で返済を完了できるように各社が基準を設けているため、「いつまでも返済が終わらない」ということはありません。
カードローンのメリット
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ここまでカードローンのデメリットやリスクについて解説しましたが、メリットの部分についてもしっかりと理解をしておくことが大切です。ここではカードローンのメリットについてご紹介します。
利用目的の自由度が高い
住宅ローンやマイカーローンなどはいずれもローンの名前のとおり、住宅や自動車の購入にのみ使うことができるローンです。それに対してカードローンにはお金の使い道に関する制限がなく、借入をしたお金は自由に使うことができます。冠婚葬祭の出費や突然のケガや病気の治療費、生活費の少し足りない分など、これらの用途でお金を使っても問題ありません。
担保なし・保証人なしでも申込める
一般的にカードローンは、担保や保証人を必要としません。お金を借りる際の担保というと不動産がはじめに挙がりますが、それだと不動産を所有していない方はお金を借りづらくなります。
また、保証人を求められたとしても保証人をすぐに見つけられるとは限らず、頼めそうな人がいない、そもそも人に借入のことを知られたくないこともあるでしょう。
カードローンは原則として担保や保証人が不要なので、こうした事情の方であっても利用しやすいメリットがあります。担保や保証人が不要なので借入のためにこれらの手続をする必要がなく、審査が速いというのもメリットといえます。
場所や時間の利便性が高い
カードローンは、「今すぐお金が必要」というニーズに対応ができるローンです。カードを発行している金融機関のATMはもちろんですが、コンビニエンスストアなどの提携ATM、さらにはWebサイトの会員向けページやスマートフォン用アプリなどからの操作で振込による借入をすることも可能です。
特にインターネットを利用する借入には場所や時間の制約がほとんどなく、とても利便性が高いです。
契約内であれば何度でも利用できる
カードローンは極度貸付といって、契約した利用限度額の範囲内であれば何度でも借入と返済ができます。「今月はお金に余裕があるので多めに返済」といった利用や、「今月はお金に余裕がないので借入」といった利用ができるのは、カードローンが極度貸付だからです。
利用者は自分のお財布のような感覚で利用できることも、カードローンのメリットと言えるでしょう。
カードローンのデメリットに対する対処方法
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カードローンは上手に使えば、日常生活で役に立つサービスです。冠婚葬祭や病気、事故などで、急な出費が発生した時にも助けになるでしょう。
続いては、カードローンを賢く利用するためのコツを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
必要な時に必要なだけ借入する
カードローンは便利であるがゆえに、ついつい気軽に借入をしてしまいがちです。これはメリットの裏返しといえる部分ですが、必要な時に必要な分だけ借入をするのは基本と言えます。
借入残高が多くなると利息額が増え、金額によっては返済困難に陥ってしまうリスクが高くなります。このことを踏まえて、計画的な利用を心がけましょう。
余裕ができた際には繰上返済をする
返済総額をなるべく減らすには、返済期間を短くするのが近道です。では、返済期間を短くするにはどうすればいいのでしょうか。
カードローンは、毎月決められた返済額以上の繰上返済(臨時返済)が可能です。月々の返済に加えて、余裕がある時に多めに返済することで、予定よりも返済期間を短くできます。無理が生じない範囲で、月の返済額を高めに設定するのも有効です。早期に完済することが利息を抑えることにつながり、結果として返済総額を抑えることができます。
低金利のカードローンを選ぶ
カードローンは消費者金融や銀行、信販会社などさまざまな金融機関が提供しています。それぞれのカードローンを契約すると金利が設定されますが、業種や会社、さらには提供しているローン商品によって金利はさまざまです。
少しでも利息の負担を抑え、早期完済を目指すのであれば、金利が低いカードローンを選ぶのも有効な方法です。カードローンの金利は各社のホームページなどで提示されているので、事前に申込先の金利を調査して比較検討することも重要です。
つねに借入額や返済日を把握しておく
「うっかり返済日を過ぎてしまった」「気づいたら借入額が大きくなっていた」という事態にならないように、返済日や現在の借入額は把握しておいてください。延滞をすると信用情報への影響が懸念されるだけでなく、返済総額が増えることにつながります。
カードローンの利用に慣れてくると緊張感がなくなりやすいので、定期的に返済シミュレーションをするのがおすすめです。また、カードローン会社によっては、返済日のメール通知サービスを行っています。自分で管理すると忘れてしまう方は、このようなサービスを利用してみてください。なお、返済忘れを防ぐために口座振替が利用できる金融機関もあるので、こうしたサービスを利用するのも1つの方法です。
返済計画を必ず立てる
借入をする際は、事前に返済計画を立てておきましょう。「いくら借りて、毎月いくら返済するのか」「いつまでに完済するか」「利息はいくらになるか」など、事前に考えることが重要です。
「足りなくて毎月借りてしまう」という状況にならないよう、月々の返済額は無理のない範囲で設定してください。借りることに抵抗がなくなると、ずるずると借入額が増えてしまいやすくなります。また、完済時期を決め、払うべき利息を知っておくのも返済総額を抑えるには効果的です。返済時期が延びるといくら利息が増えるのかも意識しておくと、不要な借入をしなくなります。
カードローン各社の公式サイトでは、返済シミュレーションツールを利用できることが多いので、返済計画を立てるために活用してみてください。
カードローン以外の借入方法
当記事ではカードローンの借入方法を解説していますが、お金を借りる方法はこれだけではありません。カードローンにはまだ抵抗がある、カードローンの審査に不安があるという方は、これらの方法も知っておくと良いでしょう。
クレジットカードのキャッシング枠
クレジットカードは後払いで商品を購入できるカードですが、カードによっては利用限度額の一部がキャッシング枠として設定されており、キャッシング枠の範囲内で現金の借入ができます。それぞれのクレジットカードの提携ATMなどで簡単な操作で借入ができるため、キャッシング枠のあるクレジットカードを持っている方にとっては最も手軽な方法です。
ただし、これから新たにクレジットカードを発行してキャッシング枠を利用したいという場合は、カードの発行に数週間程度の時間がかかることには注意しましょう。
金融機関のフリーローン
フリーローンとは、使途自由のローン商品のことです。カードローンのように契約額の範囲内で繰り返し借入できる方式ではなく、最初に借入をしたらあとは毎月決まった金額を返済します。カードローンと比べるとお財布のように利用できる便利さはありませんが、毎月の返済額が決まっているので計画的な返済ができるメリットがあります。
質屋
ブランド品や腕時計、デジタル家電などといった換金性の高い品物を持っている場合は、それを担保に質屋でお金を借りる方法があります。質屋に預けた品物の価値に応じてお金を借りることができるため、担保となる品物の価値によって借入額は異なります。
万が一返済困難になった場合、質屋は担保となる品物で回収をするため、その品物の価値を超えた金額の借入はできません。そのため借りすぎを防ぐメリットがあると言えるでしょう。
もちろん、返済をすると預け入れていた品物は手元に戻ります。
公的機関の公的融資制度
経済的に困窮している方に向けて、国や地方自治体などが実施している貸付制度があります。「お金が必要」という方に向けて、公的機関の代表的な制度を紹介します。
貸付制度名 | 概要、対象者 |
---|---|
緊急小口資金 | 休業などによって一時的に生活の維持が困難になるほどお金に困窮している人。 貸付の上限金額は20万円。 |
総合支援資金(生活支援費) | 生活の再建に必要な費用として、最長12か月、毎月20万円まで(単身者は毎月15万円)の貸付を行う。なお、保証人がある場合は無利子、ない場合は金利1.5%。 |
総合支援資金(一時生活再建日) | 生活を再建するために一時的に必要な日常生活などの費用として60万円以内の貸付を行う。保証人がある場合は無利子、ない場合は金利1.5%。 |
カードローンのデメリットについてよくあるご質問
カードローンのデメリットに関連して、よくあるご質問とその答えをまとめました。特に「怖い」という印象をお持ちの方や、「返済できなかった場合のこと」が気になる質問にも回答していますので、漠然とした不安を解消してください。
カードローンは怖いというのは本当ですか
カードローンはお金を借りることなので、漠然と「怖い」というイメージを持っている方もいます。強引な取立などに懸念を抱く方もいますが、それはカードローンではなく非合法の闇金のことを指している可能性が高く、正規の金融機関によるカードローンを適切に利用している限り、怖い思いをすることはありません。適切に利用すればむしろメリットを感じる方のほうが多いでしょう。
多重債務になりやすいといわれるのはなぜですか
「多重債務になりやすい」といわれるのも、カードローンが危険だと思われる理由の1つです。適切に利用している分には問題ないのですが、返済日や返済総額、返済期間などを把握することなく複数の金融機関からの借入をすると返済管理がずさんになってしまい、気付けば多重債務になってしまったというケースはあり得ます。やはり重要なのは、計画的な利用と適切な返済管理です。
カードローンの審査は時間がかかりますか
カードローンを提供している金融機関や、その種類によって異なります。最も早いのは消費者金融で、即日のうちに借入ができるサービスもあります。これに対して銀行のカードローンは最短でも翌日、通常は1~2週間程度の時間を要します。
プロミスでは即日融資サービスを提供しており、最短3分でお借入が可能です。
即日融資については以下よりご覧ください。
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カードローンで返済できないとどうなりますか
カードローンの返済には、期日があります。契約した期日までに返済できない場合は、以下のような問題が起きる可能性があります。
- ・キャッシング機能の停止
- ・遅延利息の発生
- ・信用情報の悪化
- ・カードローンの強制解約
利用しているカードローンを利用できなくなるだけでなく、信用情報にその事実が記録されるため他社での利用にも影響が生じます。こうした不利益を避けるためにも、継続可能な返済計画が重要です。
カードローンがあると他のローンは組めなくなりますか
すでに借入がある状態で他の目的別ローンなどに申込をすると、金融機関は審査の過程でカードローン利用の事実を知ることができます。しかし、きちんと返済していればカードローンの利用自体が問題になり審査に通らなくなるといったことはありません。
それでも気になるという場合は、カードローンを完済して解約しておくことをおすすめします。
将来的に他の審査に影響させないためにすべきこと
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カードローンに危険性があるといわれる理由の1つに、「他のローン審査に影響が出る」ことがあります。しかし、カードローンを契約しただけで他のローンやクレジットの審査に通りにくくなるわけではありません。
カードローンの返済が遅れたり返済をしない場合は信用情報機関にそのことが記録されるため、新たな金融サービスの審査に良い影響は与えないでしょう。とはいえ、きちんと返済をして、借入残高が大きくなりすぎていないのならば、特に心配する必要はありません。(注)
カードローンを利用するなら、「総量規制」について知っておきましょう。
総量規制は多重債務から個人を守るための規制で、「貸付限度額は年収の3分の1以下」と決まっています。金融機関は審査をする際、申込者の他社からの借入額を調べ、新たな貸付によって年収の3分の1を超えないかを確認します。
総量規制は貸金業者に適用される法律のため、銀行は対象外ですが、銀行でも自主規制を設けていることが多いです。
総量規制が、「カードローンを契約すると、他のカードローン審査に影響する」といわれる一因でもあります。裏を返すと、総量規制に抵触しない範囲であれば、信用情報に問題がない方は新たな貸付を受けられる可能性が高いということです。
総量規制についてはこちらの記事もご覧ください。
総量規制とは?年収の3分の1を超える借入と規制対象について
万が一返済ができなくなったらどうするの
カードローンを利用する前に、「万が一、返済できなくなったら」と心配になるかもしれません。漫画やドラマであるような、取立が来ることを想像する方もいるでしょう。しかし、実際は正規の金融機関によるカードローンを適切に利用している限り、暴力的な取立は行われません。
ただし、連絡もせずに延滞し続けると、電話や督促状で、支払をするよう求められます。また、遅延利息が発生し、延滞の情報が信用情報機関に記録されます。
どうしても支払が難しい場合は、その旨をすみやかにカードローン会社に連絡し、月々の返済額や返済日の見直しなどについて相談しましょう。延滞してからではなく、返済期日が来る前に早めの連絡をすることが大切です。
カードローンのデメリットを理解して正しく利用しよう
カードローンを利用するにあたり知っておくべきデメリットやリスク、はじめての人が不安に感じやすい部分などについて解説しました。デメリットはほとんどが適切に利用しなかった時に表面化するものなので、適切かつ計画的に利用している限りはデメリットを感じることは少ないでしょう。むしろカードローンはメリットが大きく、急にお金が必要になった時に対応できるように利便性も向上しています。
賢く利用してこそメリットはより大きくなるので、カードローンとの正しい付き合い方を身につけましょう。
【ライター情報】
田中 タスク
自身も投資家として資産運用を実践しつつ、そこで得られた知見を交えて投資系ライターとしてネットや書籍などの記事制作に取り組む。その一方で消費者金融やカードローンなどに関する知識を活かして、「お金のピンチ」を乗り切る方法の発信にも注力、借入に対する正しい知識の重要性を発信中。