カードローンの借入残高とは?確認方法や借入状況を把握するメリットについて

基礎知識

カードローンの借入残高とは?確認方法や借入状況を把握するメリットについて

カードローンは持っていると急な出費への備えができて便利なものですが、安心して使うためには計画的に利用することが重要です。必要以上にお借入れすることで返済に無理が出ないよう注意しましょう。計画的に利用するうえでこまめに把握しておきたいのが「残高」です。この記事では、カードローンの残高の確認方法や見方など一般的な情報をまとめて解説していきます。

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カードローンの借入残高(利用残高)とは?

カードローンの借入残高(利用残高)とは?

借入残高(利用残高)とは、借入しているお金の残高のことです。常に正しい借入残高を知っておくことは返済計画を立てる上でも重要です。

借入の額がどれくらいになっているのか、自分の頭の中でおおまかな計算をしている人は多いかもしれません。しかし、実際の額と見比べてみると違いが生じていることは多いものです。

このようなズレが出てしまうと、必要なときに借入ができないという事態に陥ることもあります。正しい借入残高を知ることで、返済予定とズレている場合でも早めに把握できます。自分で計算するだけでなく、カードローン会社から提供される情報を必ず確認しましょう。

利用限度額や借入可能額との違い

カードローンにはどれにも「利用限度額」や「借入可能額」が設けられています。利用限度額とはカードローン会社からお借入できる金額の上限を指すものです。ただし、誰もがCMや広告などでカードローン会社が提示している利用限度額で利用できるというわけではありません。

実際には、申込者を審査したうえでその人に合った利用限度額が個別に設定されることになります。カードローン会社が広告などで表示している利用限度額は、そのカードローンで提供できる最高限度額を意味しています。

例えば、「最高限度額800万円」と掲げている場合は、そのカードローンでもっとも借入できる人の利用限度額が800万円ということです。利用限度額を決める条件のひとつに「総量規制」があります。総量規制とは貸金業法で定められている規制のひとつで、年収の3分の1を超える貸付を行ってはいけないとされています。審査の際、他社からの借入などと照合したうえで総量規制を超えることがないか判断し、年収などさまざまな条件も加味して利用限度額を決めていくのです。

そのため、たとえ他社の借入がなく好ましい条件で審査に通った場合でも、利用限度額が年収の3分の1を超えて設定されることはありません。また、金利についても同じことがいえるので誤解のないようにしましょう。カードローン会社では最低利率と最高利率の両方が明記されているのが一般的です。利率は、個別の利用限度額が決定されてから最低利率と最高利率の範囲内で設定されます。

総量規制の詳細については下記よりご覧ください。
総量規制とは?年収の3分の1を超える借入と規制対象について

利息は借入残高を元に計算される

利息は借入残高に所定の利率を掛けて計算されます。その計算式は、以下のとおりです。

借入残高 × 利率(金利) ÷ 365 × 返済までの日数 = 利息

利率は最初の契約時に決まるため、契約内容の変更がない限りは変わることはありません(ただし、延滞をした場合には契約内容の変更がなくても遅延利息が発生することがあります)。その一方で、借入金額や返済までの日数は利用状況によって変化するので、このふたつによって利息額が変動すると理解しておくとよいでしょう。

また、借入残高に利息を足したものが最終的な返済総額になるので、これをできるだけ抑えたい場合は、「借入残高を少なくする」か「返済までの日数」を短くする、もしくはその両方が有効です。お金の余裕があるときには前倒しで返済するようにしておくと利息額が少なくなるということも憶えておきましょう。

クレジットカードの「利用可能額」との違い

カードローンでよく使われている表示や言葉について紹介してきましたが、クレジットカードにもよく似た言葉があります。

クレジットカードの利用状況を確認する際、「利用可能額」という言葉が使われているのはご存じでしょうか。クレジットカードで使われている利用可能額とは、「利用が可能な枠があといくら残っているか」を示すものです。また、クレジットカードの場合、ショッピング利用だけでなくキャッシング利用についても利用可能額で表示されます。

カードローンで使われることの多い利用残高と似ていますが、「借りている額(利用残高)」と「利用できる額(利用可能残高)」では大きく意味が変わってしまいます。このふたつを混同しないように注意しましょう。

カードローンの借入残高を確認する方法

カードローンの借入残高を確認する方法

カードローンの借入残高を確認するにはさまざまな方法があります。利用者の誰もがきちんと自分の借入残高を把握できるよう、確認方法を複数用意することで柔軟性を持たせているのです。どれが正しいということではなく、自分に合った方法で確認すれば問題ありません。では、どのような確認方法があるのか見てみましょう。

Webやアプリ

カードローン会社のWebサイトにある利用者向けサービスや、提供されているアプリで借入残高を確認することができます。いずれもインターネット環境とスマートフォンもしくはパソコンといった端末があれば利用可能なため、メンテナンス時間を除けば24時間いつでも場所を選ばず借入残高の確認ができます。

インターネットを利用するため通信費は発生しますが、窓口に行く手間や電話代などと比べると負担は少なく、すでに主流になっている確認方法です。

ATM

カードローン会社のATMや提携ATMでは、カードと暗証番号があれば銀行の残高照会と同じ感覚の操作で借入残高を確認することができます。店舗の窓口などで担当者と対面するのが苦手、そもそも店舗が近くにない人にもおすすめな確認方法です。

また、ATMで借入や返済をした場合も利用明細に借入残高が記載されているので、利用時の明細を保管しておくと直近の借入残高を把握しておくことができます。

窓口や電話

カードローン会社の店舗にある窓口や、電話でも借入残高の確認ができます。ATMやWeb、アプリなどの利用が一般的でなかった時代には、窓口や電話による方法が一般的でした。担当者が対応してくれるので、Webサイトやアプリ、ATMなど機械の操作が苦手な人にとっては有効な方法といえるでしょう。

ただし、カードローンの借入残高は重要な個人情報なので、本人確認ができない場合には照会できません。窓口や電話で確認をする際には、本人確認のできる身分証明書などを用意しておきましょう

借入残高を把握しておくことのメリット

借入残高を把握しておくことのメリット

Webサイトやアプリ、ATMなどで簡単に確認ができるため、カードローンを利用する際には借入残高を把握しておくことがおすすめです。ここでは借入残高を把握しておくメリットを解説します。

返済の計画がしやすい

借入残高を把握すると、それを返済するのに毎月いくら必要なのか、その返済を続けていくといつ完済になるのかといった全体像が見えます。カードローン会社の利用者向けサービスやATMの明細などにもこうした返済に関する情報が記載されているため、返済計画に役立ちますが、これも借入残高の確認とともに得られる情報です。

借入残高を常に把握しておくと、いまの生活と照らし合わせて「もう少し多めに返済できそうだ」といった見通しも立てやすくなります。
不測の事態に慌てないためにも返済計画を立てることは重要であり、そのためにはいまの借入残高を正確に知る必要があります。

なお、返済計画は事前にシミュレーションをすることもできます。
プロミスの返済シミュレーションについては下記よりご覧ください。
ご返済シミュレーション(お借入返済)

利息の計算ができる

借入には利息が発生します。その利息がいくらになるのかを知ることは、返済計画を立てる上でも重要です。
利息は借入残高と返済までの日数によって決まるので、借入残高が大きくなり、返済までの日数が長くなると利息額も大きくなります。利息を抑えたい場合は借入金額と期間をコントロールする必要があるため、ここでもやはり借入残高を把握しておくことが重要になります。

返済不能のリスクを回避できる

アプリやATMなどで手軽に借入ができるのはカードローンのメリットのひとつです。ただし、借入残高を意識せずに借入をしてしまうと、気づいたときには借りすぎてしまったという事態にもなりかねません。そのような事態を防ぐためにも借入残高の確認は重要だと言えるでしょう。

返済能力を超える借入をしてしまうと返済が遅れたり、返済不能な状態になってしまう恐れもあります。返済が遅れると遅延利息が発生し、さらにそのことが信用情報機関に記録される可能性があります。

返済不能になってしまうことは利用者本人にとっても不利益が大きいため、借入残高をしっかり把握することでそのリスクを回避しましょう。

借入可能額がない場合に考えられる原因

カードローンを利用している中で、利用可能な残高があって借入ができると思っていたものの、手続をしてみると利用できない場合があります。こうした場合には理由が必ず存在するため、早めの対応が必要です。どのような理由が考えられるのか、ご紹介します。

利用限度額を超えている

利用できると思っていたカードローンで借入をしようとしてもできない場合、理由のひとつに利用限度額を超えていることがあげられます。ただし、この場合はふたつの可能性を考えることができます。

ひとつは、もともと設定されていた利用限度額をうっかり超えてしまった場合です。自分ではまだ利用限度額が残っていると思っていても、実際には思った以上に借入していることもあります。

もうひとつ考えられるのは、カードローン会社の判断で利用限度額が引き下げられている場合です。カードローン会社は定期的に利用者の審査をおこなっており、借入や返済の状況が適切であるかどうかを判断しています。これを、「途上与信」といいます。
途上与信によってカードローン会社が利用限度額を引き下げると、借入額が増えていなくてもそれ以上の借入ができなくなることがあります。

いずれにしても、本来あると思っていた利用可能額がすでになく、借入ができないということは計画的な利用ができていなかったと判断していいでしょう。このような事態を防ぐためにも、こまめに借入残高を確認しておくことは重要なのです。なお、利用可能残高がゼロと表示されている場合は、それ以上の借入はできません。

返済遅延などで一時的に利用が停止されている

借入ができない理由は途上与信だけとは限りません。カードローン会社が自発的に利用を制限している場合もあります。

通常、このようなときに考えられるのは返済の遅延です。まず、慌てずに返済期日が過ぎていないかどうか確認してみましょう。遅延による一時的な制限の場合、まずは入金によって遅延を解消することが重要です。遅延は、信用情報機関に記録されると他の審査へも影響しやすいため、普段から返済日を忘れないよう管理しておくことが重要です。

借入残高がマイナス表記の場合に考えられる原因

カードローンを利用していると、銀行の預金残高がマイナスで表示されることがあります。通常、預金残高がマイナスになるということはあり得ません。しかし、「カードローン貸付」や「定期預金担保付」など貸付機能の付いた商品を利用している場合には、このようなことが起こります。では、カードローン貸付と定期預金担保貸付について詳しく説明していきます。

カードローン貸付

カードローン貸付が付いているのは銀行カードローンの場合です。銀行口座とカードローンが紐付けされていることによって、口座の残高が不足しているときに自動的に融資が行われるという仕組になっている商品もあります。これを自動融資といいます。例えば、公共料金の支払を口座振替にしていて引落し当日に残高が足りていないと、カードローンから自動的に融資されるという仕組です。

そのため、引落額に対して残高が足りなかった場合に自動融資が実行されると、融資された金額の分がマイナスという形で表示されます。ただし、中には自動融資の対象にならないケースもあります。そのひとつがカードローンの返済です。残高が不足していることに気づかないと、知らないうちに電気や携帯が停止されてしまうこともあるかもしれません。そのようなトラブルを考えると自動融資は便利な機能です。

しかし、自動融資のことを忘れていると知らないうちにカードローンの借入残高が増えていることになります。公共料金など口座振替にしている支払がある場合には、必要な残高があるかどうか確認しておきましょう。

定期預金担保貸付

定期預金担保貸付も自動融資のひとつです。定期預金担保貸付の場合は、その名のとおり、定期預金を担保に貸付を行う仕組のことで、カードローン貸付と同じ流れです。定期預金担保貸付は総合口座を開設すると自動的についている場合もあります。定期預金担保貸付で貸付が行われたときも、口座の預金残高はマイナス表示となります。

借入残高が減っている気がしないのはなぜ?

カードローンは急な出費でもすぐに現金を引出すことができ、持っていると便利です。しかし、便利であるがゆえに計画的な利用を心がけないと、先が見えなくなってしまうこともあります。特に注意したいのは、返済は続けているのに借入残高が一向に減らないというケースです。この場合はどのようなことが考えられるのか、ご紹介します。

利息しか払えていない

カードローンの返済はほとんどがリボ払いで設定されています。リボ払いは毎月定額で返済を行うことから予定を組みやすいというメリットがあるものの、利息と元金の内訳が見えにくいというデメリットもあります。カードローンの返済額には端数が出ないため意識しにくいですが、実は元金と利息に分けることができるのです。実際には支払方式によって違いますが、月々の返済額が低いと実際に払っているのは利息分だけというケースも少なくありません。

利息は元金に対して発生するもので、元金が減らなければいつまでも利息だけを払い続けることになります。自分では返済を続けているつもりでも、元金の返済が進んでいないということもあるでしょう。元金をできるだけ早く返済するには、毎月の返済(約定返済)に加えて、随時返済の併用や約定返済額を下げすぎないこともポイントです。ただし、支払方式によっては早く返済することもできます。
また、リボ払いには「元利定額返済方式」と「元金定額返済方式」の2種類があります。元利定額返済は返済を進めるうちに利息と元金の割合が変わっていきますが、金額は一定なので内訳はわかりません。一般的にカードローンに多いのは元利定額返済の方です。

一方、元金定額返済方式は元金に利息を加えて返済するため、返済のたびに金額が変動します。例えば、毎月5,000円を返済する場合、元利定額返済の方は5,000円の中に利息も含まれているため、実際に支払う金額はそのまま5,000円です。ところが、元金定額返済方式であれば5,000円の元金の外に利息を上乗せするため、実際に支払う金額は5,000円より高くなります。
1回で支払う金額は元金定額返済方式の方が高くなるケースが多いですが、決まった元金を確実に返済していくので、少しずつ返済は楽になっていきます。

すぐに追加で借入ている

なかなか借入残高が減っていかない利用者の中には、追加でのお借入が多い人もいます。何度か返済を続けて借入残高が減ると、人によっては残高が減ったことに安心して、せっかく返済した分を借入してしまうといったこともあります。これでは、いつまでも借入残高は減りません。たとえ利用限度額に余裕が出た場合でも、ひとつのお借入が終わるまでは追加の利用はひかえるようにしましょう。そのためにも、どのようなときにカードローンを使うべきか事前にと決めておくことも大切です。

借入残高を減らすためにできること

借入残高を減らすためにできること

カードローンは極度貸付といって、設定されている限度額の範囲内で借入ができる仕組になっています。利用者の意思によりいつでも返済が可能で、お金に余裕がある時に随時返済をすれば借入残高を減らすことができます。なお、随時返済とは約定返済日(契約時に設定した毎月の返済日)以外の日に利用者の任意で返済をすることです。もちろん借入残高を減らせば利息を抑えることもできるため、少しでも返済額を抑えたい場合にはおすすめの方法です。

随時返済は利用者が任意で返済するものなので、金額や期日についてはすべて自由です。もちろん随時返済をしなかったからといって遅延になるわけではありませんが、日々の出費を見直して浮いたお金を随時返済に回せば、当初の計画よりも返済が早く進むでしょう。

随時返済はWebサイトの会員向けサービスやアプリ、ATMなどで手軽に行うことができます。もちろん随時返済をした際にも最新の借入残高を確認できるので、以後の返済計画を立てやすくなります。

借入残高は信用情報に記録される?

カードローンの利用があれば、借入残高をはじめ契約に関する情報のすべてが信用情報機関に個人の信用情報として記録されます。ただし、問題があるから記録されるというわけではありません。クレジットカードなども同じですが、利用があれば誰でも記録されるということです。記録しておけば、利用者がカードローン会社などからどれだけのお借入しているかを把握することができます。

前述したように、カードローンのお借入は貸金業法によって年収の3分の1を超えない額という総量規制が決められています。そのため、信用情報機関に記録された情報をもとに、総量規制を超えることがないかの確認もおこなっています。ただし、返済が契約通りに進んでいないなど、カードローンの適切な利用ができていない場合は問題視され、他のローンなどの審査に影響すると考えた方がいいでしょう。

借入残高についてよくあるご質問

借入残高に関して、よくあるご質問とその答えをまとめました。

マイカーローンや住宅ローンも借入残高に含まれますか

借入残高とはカードローン会社から借入をしている金額のことです。マイカーローンや住宅ローンはそれぞれ別のローンであり、カードローンの借入残高には含まれません。

借入残高はどうやったら確認できますか

利用しているカードローン会社のWebサイトにある会員向けページやスマートフォン用のアプリ、ATMなどで簡単に確認することができます。コンビニエンスストアのATMなど提携ATMでも確認可能です。その他には店舗の窓口や電話による方法もあります。

プロミスでの返済方法については下記よりご覧ください。
ご返済方法

カードローンの借入残高(利用残高)はこまめにチェックしよう

カードローンは正しく利用すれば、便利に活用できます。生活をスムーズにしてくれる要素もあり、万が一の備えとして心強いでしょう。しかし、気持ちのゆるみや計算違いから使い過ぎてしまうと、返済が厳しくなってしまうこともあります。そうならないためには、借入残高(利用残高)の仕組を理解してこまめに確認を行い、確実に返済を進めていくようにしましょう。

【ライター情報】
田中 タスク
自身も投資家として資産運用を実践しつつ、そこで得られた知見を交えて投資系ライターとしてネットや書籍などの記事制作に取り組む。その一方で消費者金融やカードローンなどに関する知識をいかして、「お金のピンチ」を乗り切る方法の発信にも注力、借入に対する正しい知識の重要性を発信中。

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