教育ローンの賢い借り方とは? 2つのローンと奨学金との違いやメリット・デメリットを解説

便利な使い方 更新日:2025.11.12
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教育ローンの賢い借り方とは? 2つのローンと奨学金との違いやメリット・デメリットを解説

子どもの受験費用や入学金・授業料、一人暮らしに必要な資金といった教育費は、金額によっては家庭の大きな負担となります。そんな時に役立つのが「教育ローン」です。

教育ローンを活用すれば、必要な教育費をまとめて用意でき、返済は毎月分割で支払できるため、家計への負担を和らげながら子どもの進学をサポートできます。本この記事では、国と民間の教育ローンの特徴や奨学金との違い、メリット・デメリットを整理し、教育ローンを賢く利用するためのポイントをわかりやすく解説します。

目次

教育ローンとは何か?

教育ローンとは何か?

教育ローンとは、子どもの教育費を保護者が金融機関から借入れて用意するローンのことです。原則として子ども本人が直接借りるのではなく、保護者が契約者となります。

利用できる範囲は広く、入学金や授業料といった学費だけでなく、受験費用や進学を機に一人暮らしを始める際の家賃や敷金・礼金に充てられる場合もあります。金融機関や商品によって利用用途は異なりますが、「教育にかかる費用全般」をサポートできるのが教育ローンの大きな特徴です。

そもそも教育費はどのくらいかかる?

教育費は進路によって大きく金額の差が出ます。例えば文部科学省のデータによると、幼稚園から大学まですべて公立に進学した場合はおよそ770万円、幼稚園と大学が私立で小中高が公立の場合は約1,120万円がかかるとされています。

小学校以外すべて私立の場合は約1,500万円が必要になる可能性があり、さらに下宿や一人暮らしをするとなると、住居費等も別途かかってくるでしょう。そのため、あらかじめ教育費がいくらかかるか把握しておくことが重要です。

教育ローンは主に2種類

教育ローンには大きく分けて「国の教育ローン」と「民間の教育ローン」の2種類があります。ここでは、各教育ローンの特徴や利用条件、金利、申込方法などの違いを順に解説します。

国の教育ローン

国の教育ローンとは、政府系金融機関である日本政策金融公庫が取扱っている公的な融資制度で、正式名称は「教育一般貸付」といいます。

利用できるのは対象となる学校に入学・在学する子どもの保護者です。世帯年収に一定の制限が設けられており、融資の上限額は原則として子ども1人につき350万円(一定条件を満たせば450万円まで)で、幅広い教育関連費用に充てることができます。

また、申込には連帯保証人が必要となるか、保証料の支払が求められる点も特徴です。金利は固定金利(保証料別)で年3.15%(2025年9月時点)に設定されており、民間の教育ローンより申込から融資までに日数がかかります。

民間の金融機関での教育ローン

銀行や信用金庫など、民間の金融機関が提供している教育ローンは、国の教育ローンに比べて利用条件が柔軟です。世帯年収の制限はなく、保証人や保証料が不要なケースも多いため、審査を通過すれば幅広い層が利用できます。

ただし、金融機関ごとに申込条件を設けているため、誰もが無条件で利用できるわけではありません。また、金利は一般的に年2.0~5.0%程度が相場となっており、上限金利が適用されると国の教育ローンより返済負担が大きくなります。

教育ローンと奨学金の違いとは

教育ローンと奨学金の違いとは

教育費をまかなう方法として「奨学金」も広く利用されていますが、教育ローンとはいくつか異なる点があります。

項目 教育ローン 奨学金
契約者 保護者 子ども本人
資金調達のタイミング 入学前から申込が可能、かつ一括で振込される 入学後に毎月定額が振込まれる

また、奨学金には「返済不要の給付型」と「要返済の貸与型」があります。貸与型には「第一種奨学金(無利子)」と「第二種奨学金(有利子)」の2種類があり、世帯の収入や子どもの成績によって利用可否が決まります。

一方、教育ローンは成績要件がなく、教育に関連する幅広い費用に対応できる点がメリットです。ただし、審査を通過する必要があるため、収入や信用情報の状況によっては利用できない場合もあります。

教育ローンのメリット

教育ローンには、奨学金や他のローンにはない利点があります。ここでは、主なメリットを4つ取り上げて解説します。

子どもに返済の義務が生じない

貸与型の奨学金を利用した場合、卒業後に返済義務を負うのは子ども本人です。一方で教育ローンは、あくまで保護者が契約者となるため、子どもに返済の負担が直接かからないのが大きなメリットです。

使い道の自由度が比較的高い

国の教育ローンは、使い道の自由度が比較的高いという点で、奨学金よりも柔軟に利用できるのが特徴です。奨学金の使い道は原則「進学に必要とする費用」であるのに対し、教育ローンは入学金や授業料だけでなく在学中に必要となる家賃や通学費、パソコン購入費、学生の国民年金保険料など幅広い用途に利用できます。民間の教育ローンも教育関連費用に広く対応していますが、金融機関ごとに利用条件が異なるため、申込前に確認することが重要です。

なお、一般的なカードローンやフリーローンでも自由に資金を使えますが、教育目的以外にも使える分、金利が高めに設定されやすいというデメリットがあります。

申込期間の自由度が高い

奨学金には申込時期が決まっていますが、教育ローンは基本的に通年で申込ができます。入学金や一人暮らしのための敷金・礼金といった入学前に必要な費用をまかなえるのは大きな魅力です。

ただし、国の教育ローンは審査に10日前後、融資実行までさらに10日前後かかるため、混雑する時期には余裕をもった申請が必要です。民間の教育ローンも10日〜2週間程度かかるといわれているため、いずれも「早めの準備」がポイントとなります。

成績面での制限がない

奨学金は子どもの成績や家庭の経済状況が基準となりますが、教育ローンでは成績は審査対象になりません。奨学金を利用できない場合でも、教育ローンであれば利用可能なケースがあります。もちろん、安定した収入や返済能力といった審査基準は設けられていますが、学力要件に左右されない点もメリットです。

教育ローンのデメリット

教育ローンは便利な制度ですが、利用にあたっては注意しておきたい点もあります。ここでは主なデメリットを4つ解説します。

金利が高い

教育ローンは奨学金に比べると金利が高めに設定されています。奨学金の第一種は無利子、第二種でも年1.0%未満であるのに対し、国の教育ローンは年3.15%、民間の教育ローンは年2.0~5.0%程度が相場です。条件によっては金利優遇を受けられる場合もありますが、基本的には奨学金よりも利息負担が大きくなります。

なお、国の教育ローンには金利優遇制度もあり、交通遺児家庭、母子家庭・父子家庭、世帯年収200万円(所得132万円)以内の家庭、あるいは扶養する子どもが3人以上いて世帯年収500万円(所得356万円)以内の場合などは、金利が2.75%まで引下げられます。利息負担を軽減できる可能性があるため、条件に該当するか必ず確認しましょう。

収入要件を満たさなければならない

国の教育ローンには世帯年収の制限が設けられています。例えば、子ども1人を扶養している場合、世帯年収が790万円(所得600万円)を超えると利用できません。子どもが2人以上の場合は一部緩和されますが、それでも上限は設けられています。

民間の教育ローンでは明確な収入制限はないものの、安定した収入が求められるため、いずれにせよ一定の収入要件をクリアする必要があります。

他の審査に影響が出るかもしれない

教育ローンを借入れると、その後の住宅ローンやクレジットカードの審査に影響が出る場合があります。借入額が大きいと「返済能力に余裕がない」と判断される可能性があるためです。特に将来的にマイホーム購入を検討している家庭は、教育ローンの利用が住宅ローン審査に与える影響も考慮しておく必要があります。

教育資金を借りるならローン? 奨学金?

教育費を準備する手段には、大きく分けて「教育ローン」と「奨学金」があります。それぞれの状況に応じてどちらが向いているか異なるため、特徴を理解したうえで選びましょう。

教育ローンの利用が適している人

教育ローンは、子どもに返済の負担をかけたくない家庭や、入学前の費用が不足している家庭に向いています。入学前に必要となる入学金や入学時の一時費用は、入学後に振り込まれる奨学金では対応できません。教育ローンなら申込から融資までの流れが比較的早く、急な支払にも対応できます。特に、まとまった金額を短期間で準備したい場合に有効です。

奨学金の利用が適している人

子ども自身に学費を準備・返済してほしい家庭や、できるだけ経済的負担を抑えたい家庭には奨学金が適しています。奨学金には返済不要の「給付型」もあり、条件に当てはまれば将来の負担を軽くできます。

また、無利子の「第一種奨学金」や、低金利の「第二種奨学金」もあるため、教育ローンより利息負担が小さいのも魅力です。ただし、申請時期が定められているため、スケジュールを確認して早めに準備することが必要です。

2つの併用も可能

教育ローンと奨学金は併用することも可能です。例えば、入学金や一人暮らしを始める際の敷金・礼金などは教育ローンでカバーし、在学中の学費や生活費は奨学金でまかなうといった使い分けをすれば、負担を分散しつつ利息も抑えられます。両方の特徴を理解して、家庭の状況に合った組合せを検討するのがおすすめです。

教育ローンを借りる際の注意点

教育ローンは大切な教育資金を準備できる便利な仕組ですが、利用方法を誤ると家計の負担を大きくしてしまうおそれもあります。ここでは、教育ローンを利用する際に注意しておきたいポイントを3つ紹介します。

必要な金額だけ借入する

必要な金額だけ借入する

教育ローンには比較的大きな借入枠が用意されていますが、借入可能額いっぱいまで利用してしまうのは危険です。借入額が大きくなるほど毎月の返済負担が重くなってしまいます。教育ローンを利用する際は「必要最低限の金額」だけを借りるようにし、返済計画を立てた上で慎重に判断することが大切です。

資金の利用可能範囲を確認する

教育ローンで利用できる資金の範囲は、金融機関ごとに異なります。入学金や授業料に加え、住居費やパソコン購入費などに使える場合もあれば、学費以外の用途には利用できない場合もあります。事前に利用可能範囲を確認し、なるべく幅広い用途に対応できる教育ローンを選んでおくと安心です。

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