同棲した場合の生活費はいくら?月々の金額の目安や内訳、支払の分担方法を紹介

同棲生活を考えている方は、1か月生活するのにいくらの費用がかかるのか、どの支出の負担が大きいのか疑問を持っているのではないでしょうか?
また、生活費の支払をどのくらい分担するか、生活費が足りなくなった場合にどうすべきか悩んでいる方もいるでしょう。
本記事では、同棲をした場合にかかる生活費の目安、家賃や食費など項目ごとにかかる費用、生活費が足りない場合の対処方法を詳しく解説します。
目次
同棲でかかる1か月の生活費の目安はどれくらい?
まずはこれから同棲する場合に目安となる1か月の生活費の目安について紹介します。総務省統計局の調査をもとに同棲でかかる1か月の生活費の目安を調査しました。
費目 | 金額(円) |
---|---|
食費 | 86,088円 |
家賃(注) | 18,454円 |
水道光熱費 | 24,040円 |
家具・生活用品費 | 12,579円 |
衣料品費 | 9,500円 |
医療費 | 15,147円 |
交通費・通信費 | 42,093円 |
教育費 | 11,975円 |
教養娯楽費 | 29,414円 |
その他 | 54,888円 |
合計 | 304,178円 |
出典:総務省統計局「家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 年度次 2024年度」
※上記出典を元に筆者作成
(注)家賃については持家など支払義務がない人も含まれているため、実態よりも低い金額になっている可能性があります。また、家賃は地域や物件によっても異なります。
同棲する際に特に費用がかさむのは、家賃と食費です。家賃は約11万円のため、全体の支出の約3割を占めています。
次に多くの費用がかかる項目は食費です。総務省統計局の調査によると、一人暮らしの食費は平均48,204円です。このことから、二人暮らしになると、食費もおおよそ2倍になることがわかります。
住居費の目安について
総務省統計局「【その他】家計収支の概況 令和6年(二人以上の世帯)」を確認すると、1か月あたりの家賃の平均額は18,088円と出ています。しかし、この調査には、家賃を払っていない方が含まれたり住宅ローンの支払が算入されていなかったりするため、必ずしも実情を反映しているとはいえません。
ここからは、アパート・マンション等の賃貸物件に住む場合と住宅ローンを組んで持ち家に住む場合とで月額家賃がいくらかかるのか見ていきましょう。
アパート・マンション等の賃貸物件に住む場合

まずは総務省の令和5年住宅・土地統計調査をもとにアパート・マンション等の賃貸物件に住む場合の月額家賃を紹介します。
借家の種類 | 月額家賃(円) |
---|---|
公営の借家 | 24,961円 |
都市再生機構(UR)・公社の借家 | 71,831円 |
民営借家(木造) | 54,409円 |
民営借家(非木造) | 68,548円 |
給与住宅 | 37,993円 |
全体平均(専用住宅) | 59,656円 |
出典:総務省|令和5年住宅・土地統計調査
アパートやマンションの種類によって月額家賃の目安は変わります。公営の借家や給与住宅(社宅や寮など)であれば家賃は安めですが、都市再生機構・公社の借家や民営借家(いわゆる民間の不動産会社を通じて借りる賃貸物件)では、家賃が7万円前後かかります。
住宅ローンを組んで持ち家に住む場合
次に住宅ローンを組んで持ち家にする場合の返済額や返済負担率の目安について見ていきましょう。
住宅の種別 | 年間返済額(万円) | ひと月あたりの返済額(万円) | 返済負担率(%) |
---|---|---|---|
注文住宅 | 全国平均:155.2万円 三大都市圏平均:179.6万円 |
全国平均:12.9万円 三大都市圏平均:15万円 |
全国平均:19.4% 三大都市圏平均:19.5% |
分譲住宅 | 分譲戸建住宅:125.0万円 分譲集合住宅:123.6万円 |
分譲戸建住宅:10.4万円 分譲集合住宅:10.3万円 |
分譲戸建住宅:17.6% 分譲集合住宅:15.5% |
中古住宅 | 中古戸建住宅:108.3万円 中古集合住宅:110.6万円 |
中古戸建住宅:9万円 中古集合住宅:9.2万円 |
中古戸建住宅:16.1% 中古集合住宅:15.7% |
住宅ローンの年間返済額およびひと月あたりの返済額は、住宅の種類によって異なります。注文住宅を購入する場合、年間返済額は155万2,000円、ひと月あたりの返済額は12万9,000円(いずれも全国平均)です。また、返済負担率は19.4%になります。
次に分譲住宅の場合は、年間返済額が125万円、ひと月あたりの返済額は分譲戸建住宅の場合で10万4,000円(いずれも全国平均)です。
最後に中古住宅の場合は、年間返済額が108万3,000円、ひと月あたりの返済額は中古戸建住宅の場合で9万円(いずれも全国平均)となります。
また、中古住宅なら返済負担率を16.1%に抑えることが可能です。
このように、住宅ローンを組んで持ち家を購入する場合、二人の希望に合った家にしたい場合は注文住宅、家賃の返済負担を抑えたい場合は中古住宅を選ぶことを推奨します。
同棲をすると一人暮らしよりも生活費は節約できる?
同棲をする目的の1つに一人暮らしよりも生活費を抑えられると考える人もいるかもしれません。総務省統計局の調査によると、単身世帯の消費支出は1か月平均169,547円に対して、二人以上の世帯では300,243円です。
つまり、単身世帯の平均を2倍した金額よりも二人以上の世帯の平均のほうが金額が低くなります。
特に家賃については、一人暮らしの家賃は平均71,182円ですが、二人暮らしをした場合の家賃は平均110,027円となるため、仮に2人で費用を分担すれば一人あたりの負担は約16,000円も抑えることができます。
このことから、同棲をすると一人暮らしよりも生活費を節約することは十分可能です。
生活費を抑えるためのポイント
一人暮らしをしていた時は、自分の生活費だけを考えていれば良かったですが、同棲をする場合は二人で生活費を抑える必要があります。
ここからは、同棲をする際に生活費を抑えるためのポイントを紹介します。
支出は二人の手取り収入合計の60%を目安にする
生活費を抑えるためには、二人の収入の範囲で生活をすることが重要です。一般的に生活費の目安は、手取り収入の60%が目安と言われています。

例えば、二人の手取り収入の合計が40万円の場合は、生活費を24万円に抑えるように意識しましょう。残った4割については、使い道は自由ですが将来結婚する可能性があることも踏まえて、何割かは貯金に回しましょう。
家賃は手取り収入の30%に収める
支出を手取り収入の60%に支出を抑えるためには、費用ごとに支出をどのくらい抑えればいいのか確認することも重要です。
家賃については、一般的に手取り収入の30%に収めるようにしましょう。仮に二人の手取り収入が40万円であれば、12万円までに抑えます。
食費は15%以内が目安
食費は、15%以内が目安となります。手取り収入40万円で考えると、毎月の目安は60,000円です。
1日あたりに直すと2,000円となるため、外食の頻度が多すぎると、60,000円をオーバーする可能性があります。
毎月の目安と1日の目安を確認した上で、自炊と外食の割合を検討することが重要です。
水道光熱費は10%以内に
水道光熱費は10%以内が目安とされています。手取り収入40万円の場合は、4万円以内に収めるようにしましょう。水道光熱費は、季節によって大きく費用が変わるので注意が必要です。
特に冷暖房の使用頻度が多くなる夏と冬は費用が高くなる傾向があるため、1年分の費用を12等分した金額が4万円以内に収まりそうか計算する必要があります。
通信費も10%以内に
総務省統計局の調査では、1か月あたりの通信費の平均的な金額は41,731円、全体の金額(344,871)のうち、通信費の割合は13.90%です。
ただし、同棲をすれば、通信費を10%以内に抑えることも可能かもしれません。なぜなら、二人で過ごす時間が長くなることで、スマートフォンの通話時間が減ったり、毎日顔を合わせることで連絡頻度が少なくなったりする可能性があるからです。加えて、これまで個別に支払っていたインターネットのプロバイダ料金も回線を1つにすることができ、費用を抑えることが可能です。
また、これから新居を探す場合は、インターネット回線が無料の物件を探すことで、インターネット契約時にかかる工事費用や通信料を節約できます。
生活費の支払はどうやって管理する?
同棲生活を始める上で、避けて通れないのが毎月の生活費の負担割合です。
同棲を始める前に家賃や食費、水道光熱費といった支出を双方がどのくらいの割合で負担するか決めておくことで、同棲後にトラブルになることを避けやすくなります。
ここでは、生活費の支払方法として代表的なものをいくつか紹介します。
支出を半分ずつ支払う
どちらか片方に負担を掛けさせたくないと考えている場合は、双方が半分ずつ支払うようにしましょう。給与が入ったらすぐに生活費の分は口座から除いておき、それぞれが支払をする、もしくはどちらか片方が支払をする際、事前にもう片方の人から自分のお金を受け取っておきます。毎月負担する金額が同じであれば、公平感があり、片方に負担をかけさせているという意識を持つ必要がなくなります。
あらかじめ決めた金額をそれぞれ出し合う
あらかじめ決めた金額をそれぞれ出し合う方法も、一般的な方法です。お互いの負担する金額は、二人で話し合って同額にするあるいは収入に応じて割合を変える2つのパターンがあります。
この方法は、双方の金銭的な負担額が明確になるため、お金に関するトラブルが起きにくいこと、双方が責任を持って一定額を負担することで、対等な関係を築きやすいと言うメリットがあります。
ただし、収入に大きな差がある場合は、同じ金額に設定するのではなく、収入によって差を付けるようにしましょう。なぜなら、同じ金額にした場合、収入の少ないほうは自由に使えるお金が減ってしまうからです。
例えば、それぞれの手取りが25万円と15万円の場合は、片方が6割、もう片方が4割といったように負担する割合を決めます。
項目ごとに支払を分担する
各費用ごとに支払を分担する方法もあります。例えば、家賃とインターネット回線の費用は男性、食費と水道光熱費は女性が支払うといった分担方法です。
ただし、各項目によって費用の大きさは異なりますし、季節によって支払金額が大きく変わることもあります。
また、それぞれの銀行口座から引落しをするかクレジットカードで支払を行うので、双方の負担している金額が見えにくいといったデメリットもあります。
「私のほうが毎月多く支払っている」「冬になると水道光熱費が高くなりすぎて支払が苦しい」など、不満を抱えないように相手を気遣う気持ちを持つことも重要です。
生活費を抑えるコツ
同棲をした後も生活費の支払ができるか不安がある方もいるかもしれません。ここでは、生活費を抑えるコツをいくつか紹介します。
生活必需品をまとめ買いする
食費や日用品費を買うためにスーパーやコンビニに行く機会が多い人は、生活必需品をまとめ買いするようにしましょう。
スーパーやコンビニでは、さまざまな商品が販売されているため、ついで買いや衝動買いをしてしまうリスクがあります。
自分の意思だけで、ついで買いや衝動買いをやめようとしてもなかなか上手くいかない方もいるのではないでしょうか。
生活必需品をまとめ買いすることで、スーパーやコンビニに行く頻度を減らせます。さらに特売セール開催時にまとめ買いしておけば、節約しやすくなります。
外食の回数を決めて自炊を基本にする
外食をする場合、自炊と比べると食費が嵩んでしまうので注意が必要です。
食費を節約するためには、外食の回数を減らして自炊の回数を増やすようにしましょう。
また、友達とお酒を飲む時は、家で飲む機会を増やしたり外食ではなく持ち帰りにしたりすれば、外食の費用を抑えることが可能です。
ランチをお弁当にする
ランチを外で食べることが多い人は、お弁当にすると言う手段もあります。ランチを外食にした場合、1人あたり500円〜1,000円以上かかるため、月に20回ランチに行くと1万円〜2万円かかります。
しかし、ランチをお弁当にする場合は、材料をスーパーで安く購入できれば、食費を抑えることが可能です。
また、お弁当なら外で食べるよりもカロリーを抑えやすいため、健康面でもメリットがあります。
毎日の外食が楽しみと言う方は、せめてお弁当にする日を増やすようにしましょう。
どうしても同棲の生活費が足りない場合の対処方法
計画的に生活費を抑えようとしてもいざ同棲生活を始めてみると、一時的に生活費が足りなくなることもあります。ここでは、どうしても同棲の生活費が足りない場合の対処方法を解説します。
日雇いバイトをする
すぐにお金を用意しなければならない場合は、日雇いの単発バイトと言う手段もあります。一般的にバイトでは、給与の締め日が決められており、翌月以降に銀行へ給与を振込んでもらうことがほとんどです。
しかし、日雇いのバイトなら給与の締め日が1日単位で設定されています。さらには、一般的なアルバイトとは異なり、働いたその日に手渡で現金を受取ることができる会社もあります。
ただし、当日中にお金が必要な場合は、必ず即日払の仕事を探しましょう。即日払の仕事では、当日中に給与を受取ることが可能ですが、日払の仕事は締め日が1日単位というだけで、当日中に必ず支払われるわけではありません。
求人票を見る際は、即日払か確認しましょう。
不用品を売却する
家に不用品がある場合は、リサイクルショップに持っていき売却することで、当日中に現金を手に入れることができます。日数に余裕がある場合は、オークションに出品して高値で売却できる可能性があります。
また、貴金属や宝石、ブランドバッグ、スマートフォンなどを質屋に担保として預けて、評価額に応じた金額を借りることも可能です。特に近年はスマートフォンの端末価格が高騰しているため、中古のスマートフォンの需要も高くなっています。
スマートフォンを質に出した場合、数万円の評価額が付くこともあります。
クレジットカードのキャッシングやカードローン利用する
持っているクレジットカードにキャッシング機能が付帯している場合は、金融機関やコンビニにあるATMからキャッシング枠の範囲内で現金を借りることが可能です。
また、カードローンを利用することで、最短で当日中にATMやアプリからお金を借りることもできます。利用限度額の範囲内であれば繰り返し借入が可能なため、お金が足りなくなった時だけ使うことが可能です。
ただし、カードローンを利用する際には審査を受ける必要があります。
お互いに納得した分担方法で生活費の管理をしよう
同棲生活を始めると、多くの生活費がかかります。家賃や食費など各項目の費用の目安を知っておき、使いすぎないようにしましょう。お互いに納得した方法で支払の分担をしなかった場合、トラブルの原因になりかねないため注意が必要です。どちらがいくら負担するのか事前に話し合うことが重要です。双方が無理のない範囲で生活費を抑えるようにしましょう。