個人融資の種類や選び方とは?利用する上での注意点も解説
基礎知識
更新日:2024.09.20
個人がお金を借りる(個人融資)には、さまざまな方法があります。それぞれの方法には異なる特徴があるため、利用する人の目的や事情に合わせて最適なものを選ぶのがいいでしょう。
そこで当記事では、個人融資のさまざまな種類を紹介し、最適なものを選ぶ方法について解説します。また、個人融資と似た言葉である「個人間融資」も解説し、なぜ危険なのかについても触れたいと思います。
目次
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個人融資の種類
ここでは個人融資の5つの種類を紹介します。自分に合った個人融資を選ぶためにも、まずはどんなものがあるのかをマスターしておきましょう。
目的別ローン
融資を受けたお金の使い道が決まっているローンを、目的別ローンといいます。よく知られているのは住宅ローンで、これはマイホームを購入するための資金を借りるためのローンです。
そのほかに車の購入に利用できるマイカーローン、教育資金のための教育ローン、リフォーム資金に利用できるリフォームローンなどがあります。
なお、これらのローンは同じサービス内容であっても金融機関によって名称が異なることがあります。
フリーローン
先ほどの目的別ローンは、お金の使い道が決まっています。それに対して融資を受けたお金の使い道が原則自由なのが、フリーローンです。生活費に充てたり、趣味に使ったり、旅行の費用に充てることなども可能です。
カードローン
カードローンは、契約時に設定した利用可能枠の範囲内で何度でも借入ができます。フリーローンと同じく、お金の使い道は原則自由です。
「カードローン」という名称ですが、近年ではカードを発行せずに利用できるサービス(カードレスキャッシング)もあります。
公的融資制度
国や自治体などが設けている公的融資制度も、個人融資の一種です。それぞれ条件が定められており、その条件を満たせば融資を受けることができます。
生活に困窮している人や失業した人などに対する救済的な制度が多いですが、教育ローンや奨学金など、教育費の融資を受けられる制度もあります。
審査はある?
公的融資制度には、それぞれ審査があります。生活に困窮している人を救済するための融資制度の場合は、いまの生活状況を証明する必要があり、融資を受ける必要性が高いかどうかが審査されます。
民間企業による個人融資は返済能力の有無が最も重視されますが、公的融資では逆に「本当にお金に困っているか」「融資を受けることが救済になるか」が重視されます。
種類
公的融資制度には、主に以下のようなものがあります。
制度の名称 | 概要 |
---|---|
生活福祉資金貸付制度 | 低所得者、高齢者、障がい者などに対して資金の貸付を行う制度。総合支援資金や福祉資金、教育支援資金などがある。 |
求職者支援資金融資 | 失業中の人が職業訓練を受けるにあたり、その期間の生活費を支援する融資制度。 |
母子父子寡婦福祉資金貸付金制度 | 20歳未満の子がいる人で配偶者がいない人に対する融資制度。 |
教育一般貸付(国の教育ローン) | 教育費の融資を受けられる国の制度。融資の上限は350万円で、特定の条件を満たしている場合は450万円まで融資可能。 |
いずれも融資制度なので返済の必要がありますが、そのほかにも社会保障制度として生活保護などもあります。
申込手順
公的融資制度の申込や相談の窓口は、住民票がある自治体の市区町村役所です。現在置かれている状況を説明し、公的融資を受けたいと伝えましょう。
相談窓口では最適な融資制度を案内してくれるので、それぞれの融資制度で必要な申込書を記入し提出します。
生活に困窮していることや、教育費が必要であることなどを証明する書類が必要になるため、それぞれの融資制度で求められる書類を揃えましょう。
必要書類を提出すると審査が行われ、通過すると融資が行われます。
クレジットカードのキャッシング枠
クレジットカードには、買物代金の決済に利用できるショッピング枠に加えて、お金を借りることができるキャッシング枠が付帯しているものがあります。
お手持ちのクレジットカードにキャッシング枠が付帯している場合は、審査不要でATMなどから融資を受けることができます。
個人融資の選び方
ここまでさまざまな個人融資の方法を紹介してきましたが、これだけ多くの選択肢があると何を利用すればいいのか分からなくなってしまうかもしれません。
そこで、自分に合った個人融資のサービスを選ぶ方法を解説します。
目的に応じて
融資を受けたお金を何に使うのかが決まっているのであれば、その目的に使えるローンを選ぶのがいいでしょう。なぜなら、お金の使い道に制約がないローンよりも、目的別ローンのほうが低い金利で利用できる可能性が高いからです。
一方、お金の使い道が複数ある、少額ずつ繰り返し借りたい場合はカードローンを選ぶといったように、使い勝手で選ぶのも1つのポイントです。
金利
金利は利息に直結するため、できるだけ金利の低いローンを選ぶのがいいでしょう。ただし、個人が利用できる融資の上限金利は法律で定められており、金融機関はその上限金利の範囲内で設定しています。
法律によって定められている上限金利は、以下のとおりです。
融資金額 | 上限金利 |
---|---|
10万円未満 | 20% |
10万円以上100万円未満 | 18% |
100万円以上 | 15% |
正規の金融機関は、すべてこの上限金利を遵守しています。万が一これらの上限金利を超えるような金利を提示された場合は、違法業者である可能性が高く、利用するべきではありません。
借入までにかかる日数
融資を受けるまでの時間も、重要な比較検討項目です。今すぐお金が必要といったように急いでいる場合は、即日融資に対応している消費者金融のカードローンが適しています。
また、キャッシング枠が付帯しているクレジットカードをお持ちなのであれば、クレジットカードを利用するのがいいでしょう。
返済のしやすさ・方法
個人融資を選ぶ際には、返済のしやすさもしっかり比較検討しましょう。返済は定期的にあるので、返済しにくいローンを利用すると忙しくて返済が遅れてしまったり、うっかり忘れの原因となったりします。
近年では返済方法が多様化しており、口座振替やATMに加えてインターネットでの返済、スマートフォンによる返済に対応している金融機関もあります。
返済の物理的、時間的な負担を軽減する意味でも自分にとって返済しやすいローンであるかを検討しましょう。
個人融資を利用するにあたり
個人融資を利用する前に知っておくべきことを、4つの項目にまとめました。申込の前に、これらの点をしっかり理解しておきましょう。
借入する際は計画を立ててから
いくら借入をして、毎月いくらずつ返済をして、いつまでに返済を終えるのか。借入の前に、こうした計画を立てておきましょう。カードローンなどを提供している金融機関のなかには、Webサイトに返済シミュレーションを提供していることがあります。こうしたサービスを利用すると、総返済額や毎月の返済額などが事前に分かるので、活用しましょう。
なお、プロミスにはお借入希望額と毎月のご返済額などを入力するだけでご返済期間がわかる「ご返済シミュレーション」があります。
借入できるかは審査次第
借入の前には、必ず審査があります。審査に通過しなければ借入はできませんし、審査の結果によっては申込額よりも少ない利用可能額になることもあります。
各金融機関はそれぞれ審査基準を設けていますが、その内容は公表されていません。そのため、必ず審査に通る方法はなく、実際に申込をしてみないと審査に通るのかどうか分からない部分があります。
金融機関は返済能力を判断するために、年収や勤続年数、他社を含めたこれまでの利用歴などを審査します。
一般的に個人融資の審査は数日から1週間程度を要しますが、消費者金融のなかには即日融資に対応している金融機関もあります。
プロミスは即日融資に対応しており、お申込から最短3分でお借入が可能です。
利息が発生する
個人融資を利用すると、利息が発生します。そのため、返済時には元金に利息を足した金額を返済することになります。利息は金利によって決まる仕組になっており、金利が低いほど利息は少なくなります。
先ほど解説したように、金利は法律によって上限が定められており、借入金額に応じて15%から20%が上限です。各金融機関は、この上限金利の範囲内で金利を適用します。
返済に遅れた場合、遅延利息が発生する
契約時に決まった返済日までに返済ができなかった場合、遅延利息が発生します。利息制限法では遅延利息の上限も定めており、上限は20.0%です。遅延利息は遅延した日数に応じて加算されていきます。
遅延が長期化すると信用情報機関にそのことが記録され、以後のローン審査で不利になる可能性があります。
あらゆる面で不利益が多いので、返済に遅れることのないように注意しましょう。
個人間の融資は危険
個人融資は国や企業が個人に融資をするサービスのことです。それと似た言葉に、「個人間融資」があります。この両者は全くの別物で、個人間融資には多くのリスクがあるため、おすすめしません。
間違って利用してしまうことがないよう、個人間融資の概要と危険性について解説します。
個人間融資とは
家族や親戚、知人などからお金を借りることも個人間融資の一種。近年問題視されているのがSNSやネット上の掲示板などを介して行われている、個人間のお金の貸し借りです。
こうした場所で「お金を貸します」と言っている人が正規の金融機関である可能性は低く、違法な高金利が条件になっていることも少なくありません。また、闇金まがいの強引な取立に及ぶような事例もあり、利用してしまうと思わぬ事態に巻き込まれるかもしれません。
個人間融資が危険な理由
個人間融資は新手の闇金とも指摘されており、法外な高金利や強引な取立など、問題は山のようにあります。融資を勧誘する際には審査が甘い(もしくはない)といった文言を使ってお金が必要な人を募り、融資の段階になると高金利を提示される場合もあります。
法外な高金利であるがゆえに返済が滞りやすいわけですが、その場合は早朝や深夜に押しかけてくるといった暴力的な取立や、精神的に負担をかけるような取立をするといった事例もあります。
お金に困っているからといって安易に利用してしまうと、さらに苦しめられることになります。くれぐれも個人間融資は利用しないようにしましょう。
安全に個人融資を行うには
国や正規の金融機関などが提供している個人融資は、いずれも法律に則った正規のサービスです。用途自由のカードローンやフリーローンをはじめ、さまざまな目的に応じて利用できる目的別ローンがあります。生活に困窮しているのであれば国や自治体の公的融資制度を利用できる可能性もありますし、こうした正規の個人融資サービスを上手に利用することが重要です。
本文中では言葉が似ている個人間融資について、その危険性も解説しました。ネット上にはこうした怪しげな情報が数多くあるので、くれぐれも利用しないようにしましょう。
【ライター情報】
田中 タスク
自身も投資家として資産運用を実践しつつ、そこで得られた知見を交えて投資系ライターとしてインターネットや書籍などの記事制作に取り組む。一方で消費者金融やカードローンなどに関する知識をいかして、「お金のピンチ」を乗り切る方法の発信にも注力、借入に対する正しい知識の重要性を発信中。