金利って何?仕組や計算方法・利息との違いなど詳しく解説

基礎知識

金利って何?仕組や計算方法・利息との違いなど詳しく解説

カードローンやキャッシングなどを利用する際、必ずチェックするべきなのが金利です。金利が高いと利息が多くなり、逆に金利が低いと利息は少なくなるということは多くの方がすでに理解していることと思います。
しかし、その金利にも多くの種類があります。この記事では金利の仕組や種類、計算方法などを解説します。また、金利と利息の違いや関係性についても解説するので、これからお金を借りたいという方はぜひこの機会に金利と利息についてしっかり理解しておきましょう。

目次

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金利とは

金利とは、借入をしたお金に対して発生する利息の比率です。一般的に金利は年利で表記されるため、例えば金利が15%と表記されている場合は、借入残高に対して1年で15%の利息が発生することを意味します。

金利の種類・特徴

ひと口に金利といっても、実は多くの種類があります。ニュースに登場する「金利」や、私たちの生活で用いる一般的な「金利」など、金利の種類について、それぞれの用語が用いられる分野別に解説していきます。

長期金利・短期金利

長期金利は、一般的に期間が1年以上のローンなどに適用される金利のことです。住宅ローンやマイカーローンなどは返済が年単位になることが多いため、これらの金利は長期金利です。
一方短期金利とは、1年未満の金融商品に適用される金利のことを指します。例えば、1年未満の定期預金に適用される金利は短期金利に分類されます。

預金金利・貸出金利

預金金利と貸出金利は、どちらも銀行などの金融機関に関連する用語です。預金口座にお金を預けた際に適用されるのが預金金利で、金融機関が顧客に資金を融資する際に適用されるのが貸出金利です。
貸出金利は預金金利よりも高く設定されるため、その差分が銀行の収益になります。

固定金利・変動金利

固定金利や変動金利は、住宅ローンなど長期のローンに用いられる用語です。最初の契約時に設定した金利が完済まで適用されるのが固定金利で、返済中に金利が変動する可能性があるのが変動金利です。
変動金利のローンを利用している場合、金利は国の政策金利や短期プライムレート(銀行が企業に融資をする際の金利)の動向によって変動します。

基準金利・適用金利

基準金利と適用金利も、住宅ローンなどの長期ローンでよく用いられる用語です。先ほど解説したように住宅ローンの金利は政策金利や短期プライムレートの動向によって決まる仕組になっており、金融機関はこれらの動向に応じて基準金利を設定します。
しかし基準金利は金融機関にとっての「定価」にあたるもので、実際にそれぞれの顧客に融資をする際の金利は顧客の信用状態などによって異なります。この顧客それぞれに適用される金利を、適用金利といいます。

名目金利・実質金利

名目金利と実質金利は、いずれも経済用語です。物価上昇率(インフレ率)を考慮していない名目上の金利は名目金利で、物価上昇率を差し引いた金利を実質金利といいます。
例えば名目金利が5%で物価上昇率が2%の場合、実質金利は3%です。

金利と利息の違い

金利と利息の違い

金利とは利息を算出するために用いる比率で、単位は%(パーセント)で表記されます。利息は借入額に金利を掛けて求められた「お金のレンタル料」のような位置づけのお金のことで、単位は円です。
カードローンやキャッシングなどを利用すると金利に基づいて利息が算出され、返済時には元本に利息を加えた金額を返済します。

カードローンと住宅ローンにおける金利の違い

さまざまなローンのうち、ここでは利用している人が多く知名度の高いカードローンと住宅ローンに絞り、金利の特徴や金利の決まり方、利息の計算方法などを比較していきます。

カードローン

カードローン

カードローンは、消費者金融や銀行、信販会社などが提供しているサービスです。契約時に設定した利用可能額の範囲で何度も借入が可能で、お金の使い道も原則自由です。
「カード」という名称になっていますが、近年ではカードを発行せずに利用できるサービスもあります。

種類別金利の特徴

カードローンを提供しているのは、消費者金融や銀行、信販会社などです。金利を中心にそれぞれの特徴を比較してみましょう。

カードローンの種類 特徴
消費者金融 申込から融資までのスピードが速く、即日融資に対応している会社もある。初回の利用時には無利息期間があるなど利便性が高い。
一方で銀行や信販会社と比べると金利は高め。
銀行 大手メガバンクや地方銀行など、さまざまな銀行が提供しているサービス。消費者金融と比べると審査に要する時間が長い。
一方でほかの金融機関と比べると金利は低め。
信販会社 信販会社やクレジットカード会社などが提供しているカードローン。法律的な位置づけは消費者金融と同じで、金利は消費者金融と比べると低めであるものの銀行と比べると高め。

借入金利の決まり方・流れ

カードローンを提供している金融機関は、一定の幅を設けて金利を提示しています。例えばプロミスの場合、金利は4.5%~17.8%です。どの金融機関も初回の利用時には提示している金利の上限(プロミスの場合は17.8%)が適用されるケースが多く、その後利用額や利用実績によって金利が低くなることがあります。
利息制限法では借入額によって上限金利が定められており、借入額が多くなることによって金利が低くなることもあります。
こちらは、利息制限法による上限金利です。

融資金額 上限金利
10万円未満 20%
10万円以上100万円未満 18%
100万円以上 15%

借入額が90万円だった人が追加の借入をして残高が110万円になった場合、適用される上限金利が18%から15%に変わります。それにともなって適用される金利も低くなります。

カードローンの利息の計算方法

カードローンの利息を計算する一般的な計算式は、以下のとおりです。
借入金額(利用残高) × 金利 ÷ 365(うるう年の場合は366日) × 利用日数= 利息

カードローンは完済する日が決まっていないため、1日あたりの利息を計算した上で利用日数を掛ける計算式になっています。

それでは、実際に利用した場合の利息を計算してみましょう。金利は多くの金融機関が適用している18%とします。

1つめは、10万円を15日間借りた場合です。
10万円 × 18% ÷365日 × 15日 = 約739円

2つめは、50万円を30日間借りた場合です。
50万円 × 18% ÷ 365日 × 30日 = 約7,397円

住宅ローン

住宅ローン

住宅ローンは借入額が大きく返済期間が数十年に及ぶ長期ローンなので、金利によって返済額が大きく変わります。そのため、金利にはよりシビアな視点をもつべきでしょう。

金利タイプ

住宅ローンの金利には、変動金利型、固定金利期間選択型、そして全期間固定金利型の3種類があります。それぞれの特徴やメリット、デメリットをまとめました。

金利タイプ メリット デメリット
変動金利型 全体的に金利が低く、特に金利が低い情勢の時にはメリットが大きくなる 金利が上昇する局面では借入金利も高くなってしまう
借入後に金利が変動する可能性があるため返済計画に影響が出ることがある
固定金利期間選択型 金利変動リスクを限定しつつ比較的低い金利で利用できる 変動金利型にある「125%ルール」がなく、金利上昇局面では急激に金利が高くなる可能性がある
全期間固定金利型 金利が上昇しても影響を受けないためリスクの回避が可能
全期間の返済計画が最初に決まるため計画を立てやすい
ほかのタイプと比べると適用金利は高め
金利が下がる局面であってもそのメリットを受けられない

固定金利期間選択型にある「125%ルール」とは、変動金利型の住宅ローンに適用される金利上昇緩和措置のことです。金利が急激に上昇しても変動金利型住宅ローンの金利上昇は125%までに抑えることがルールとなっています。

住宅ローンの流れ

住宅ローンは借入額が大きいため、審査も入念に行われます。最初に金融機関への相談から始まり、申込をすると事前審査があります。
事前審査では年収に対するローン返済額の比率(返済比率)や返済能力に直結する属性情報、既存のローン利用状況などが審査されます。
事前審査に通過すると、本審査に進みます。事前審査では申込者の返済能力が審査されますが、本審査では購入予定の不動産の価値が審査されます。また、住宅ローンでは団信(団体信用生命保険)と呼ばれる生命保険にも加入します。本審査では団信の審査も行われ、この両方に通過してはじめて住宅ローンの融資が実行されます。

住宅ローン利息の計算方法

住宅ローンの毎月の利息は、以下の計算式で求めることができます。

直前のローン残高 × 月利(年利÷12) = 利息

住宅ローンの金利は年利で表記されているため、月利を求めるには年利を12で割ります。
それでは、住宅ローンの残高別に毎月の利息を計算してみましょう。金利は1.5%とします。
1つめは、ローン残高が3,000万円の場合です。

3,000万円 × (1.5% ÷ 12) = 3万7,500円

2つめは、ローン残高が1,000万円の場合です。

1,000万円 × (1.5% ÷ 12) = 1万2,500円

金利の変動について

金利は景気や経済の状況、それぞれの国の方針などによって常に変動しています。金利が変動する要因や仕組を理解しておくとお金の借入や資金の運用などに役立つので、ここでは金利が変動する仕組について解説します。

金利の変動が起きる原因

金利に最も強く影響を与えるのは、景気の動向です。景気がよくなると企業の経済活動が活発になり、消費者の消費意欲も向上します。そのため資金の需要が大きくなるため、金利は上昇しやすくなります。
反対に、景気が悪くなると資金需要や消費意欲が低下するため、金利は低くなります。
それぞれの国の中央銀行は景気が悪くなると政策金利を引下げて資金の流れを活性化するための政策(金融緩和)をとり、逆に景気が過熱気味になると政策金利を引上げて資金の流れを止めようとする政策(金融引締め)をとる傾向があります。

金利が上昇して起こる影響

金利が上昇すると、企業にとっては資金調達のコストが増大するため、借入をしにくくなります。
個人についても金利が上昇することで利息の負担が大きくなるため、住宅ローンを利用したマイホームの購入などを控える傾向が強まります。

変動金利が上昇した時の対策

変動金利型の住宅ローンの返済中に金利が上昇したら、まずはどれだけ返済額が増えるのかを把握することから始めましょう。上昇分がどれほどになるかをつかむことができれば、それに対する有効な対策を講じやすくなります。
そして、金利の上昇に備える有効な対策は、繰上返済です。毎月の返済には元金と利息が含まれていますが、それとは別に繰上返済をした場合、その返済金は全額元金の返済に充てられます。元金が少なくなれば、金利が上昇しても利息の上昇を抑えることができます。
繰上返済で当初の予定よりも早い完済を目指すために、節約や貯金の習慣を身につけて繰上返済に回せるお金を確保しましょう。

金利に関する注意点

この記事では金利についてさまざまな角度から解説してきましたが、最後に金利に関する注意点を3つの項目で解説します。

上限金利を理解したうえで、違法な金利ではないか確認する

金融機関からお金を借りる場合、法律によって上限金利が定められています。上限金利は先ほど紹介したとおりで、これを超える金利を提示している業者は違法な営業をしている可能性が高く、利用するべきではありません。
上限金利を超える金利を提示していないかをチェックすることで、違法業者を利用してしまうリスクを軽減できます。

手数料込みの金利がいくらか計算する

ローン商品によっては、金利だけでなく手数料が発生する場合があります。例えば、住宅ローンの場合は金利に加えて事務手数料が発生するため、手数料も含めた金利がいくらになるのかという実質的な負担額を把握しておく必要があります。
一方で、消費者金融のように手数料がかからないローンもあります。

返済計画を立てる

適用される実質的な金利がわかれば、総返済額や毎月の返済額がわかります。それに基づいて返済計画を立て、返済はその計画どおりに進めるようにしましょう。
無理な計画を立てると長続きせず、かえって計画どおりに返済できなくなる可能性が高いので、返済計画は無理がなく現実味のあるものであることも重要です。

まとめ

お金を借りる際、金利はとても重要な「スペック」です。それだけに、事前に金利やそれ以外のコストをしっかりと把握し、それに基づいた返済計画を立てましょう。
提示されている金利が法律に則ったものであるかも重要な判断基準で、違法な金利であると思ったら利用しないようにすることで、無用なトラブルに巻き込まれるリスクを軽減できるでしょう。

【ライター情報】
田中 タスク
自身も投資家として資産運用を実践しつつ、そこで得られた知見を交えて投資系ライターとしてインターネットや書籍などの記事制作に取り組む。一方で消費者金融やカードローンなどに関する知識をいかして、「お金のピンチ」を乗り切る方法の発信にも注力、借入に対する正しい知識の重要性を発信中。

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