カードローンによる借換のメリットとデメリットとは?注意点や利用方法を解説

「ローンの借換」というと住宅ローンの借換を想像する方がいるかもしれませんが、カードローンも借換が可能です。カードローンの借換には金利を下げたり、毎月の返済額を少なくできたりするといったメリットがあるため、現在カードローンを利用中の方にとっては気になるところではないでしょうか。
そこでカードローンの借換が気になる方に向けて、借換の基本情報やおまとめローンとの違い、メリットやデメリットについて解説します。借換先の選び方や、借換をしたほうが良いケース、利用するうえでの注意点についても紹介するので、ご検討中の方はぜひ最後までお読みください。
目次
カードローンの借換とは
現在利用中の金融機関から別の金融機関のカードローンに乗換てお金を借り、現在の金融機関の借入を完済することを、カードローンの借換といいます。
借換とおまとめローンは何が違う?
借換は、現在利用しているローンを、より低金利または条件の良いローンに切替ることを指します。金利を下げることで支払利息を減らし、返済負担を軽くするのが目的です。例えば、年18%のカードローンから年14%のカードローンに切替ることで、同じ返済額でも利息負担を減らせます。
一方、おまとめローンは、複数社からの借入を1つにまとめるサービスです。返済日や返済先をまとめることができるため、支払管理がしやすくなります。また、借入総額がまとまることで金利が下がる場合もありますが、必ずしも金利が下がるとは限りません。
目的が「返済条件の改善」なのか「管理の簡素化」なのかで選択が異なるため、自分の状況にあわせて選びましょう。
借換のメリット
カードローンの借換で考えられるメリットは、主に2つあります。1つずつ見てみましょう。
金利を下げることができる

既に利用しているカードローンよりも金利の低いカードローンに借換をすると、金利を低くできる可能性があります。金利の低いカードローンへの借換は最終的な支払利息の総額を抑えることにもつながります。
毎月の返済額が減る場合がある
毎月の返済額は、金融機関によって異なります。既に利用している金融機関よりも毎月の返済額を低く設定できる金融機関に借換をすると、毎月の返済額を少なくできる可能性があります。
借換のデメリット
メリットの次には、借換によって考えられるデメリットについても解説します。
借換時に審査がある
借換をするためには、金融機関に新規のカードローン申込をする必要があります。新規の申込時には審査があるため、借換を実行するには新たに申込をした金融機関の審査に通ることが条件になります。
その審査に通らなければ借換ができないため、申込む前の段階で審査に通ったことを前提に計画を立てるのはおすすめしません。
支払期間を延ばすと利息が増えてしまう
借換によって毎月の返済額を少なくできることはメリットですが、その一方で元金(実際に借入をしているお金)の返済額も少なくなるため、返済期間は長くなります。返済期間が長くなると利息額は多くなるため、最終的な返済総額は増える可能性があります。
ただし、借換によって金利を低くすることができれば、返済総額が増えることなく返済期間を長くできる可能性はあります。
カードローンの借換先を選ぶ際に比較すべき項目
借換先の金融機関を選ぶ際に、比較するべき項目は3つあります。1つずつ解説していきましょう。
金利
返済総額を減らせることは、借換によって得られるメリットの1つです。そのためには現在利用している金融機関よりも金利が低い金融機関を選ぶのが有効です。
多くの金融機関では一定の幅でカードローンの金利が提示されていますが、新たに契約する場合はそのなかの上限金利が適用される可能性が高く、比較検討をする際には上限金利が現在利用している金融機関よりも低いかどうかに注目しましょう。
約定返済額
借換によって毎月の返済額を少なくしたい場合は、約定返済額を比較検討するのが有効です。約定返済額とは毎月返済する必要がある最低額のことで、各金融機関は借入残高に応じて約定返済額を設定しています。
約定返済額が低い金融機関を選ぶと、毎月の返済額を少なくできる可能性があります。
返済期間

約定返済額が少ない金融機関を選ぶと毎月の返済額を少なくすることはできますが、多くの場合返済期間は長くなります。しかし、金融機関には最長の返済期間が定められています。
例えばプロミスの場合、ご返済期間は原則最長6年9か月となっています。
毎月の返済額を少なくするための借換をするのであれば、借換先の返済期間も比較検討しましょう。
ただし、カードローンは借入と返済を繰り返して利用できるサービスです。利用状況に特に問題がなければ契約は自動的に更新される金融機関もあります。
借換した方が良い?しないほうが良い?迷った際の見極め方
カードローンの借換は、条件によっては大きなメリットがありますが、すべての人に適しているわけではありません。ここでは、借換を検討すべきケースと控えた方が良いケースをそれぞれ紹介します。
借換を検討するべきケース
返済負担の軽減や利息削減につながる可能性がある場合は、借換を前向きに検討しても良いでしょう。特に、以下のような状況に当てはまる人は要チェックです。
毎月の返済額を抑えたい人
毎月の返済額を減らしたい場合は、返済期間や約定返済額(毎月返済しなければならない最低額)を見直せるカードローンへの借換がおすすめです。
ただし、返済期間が延びると利息の支払期間も長くなり、最終的な返済総額が増える可能性があります。また、借換後は返済日が変わる場合もあるため、滞納を防ぐためにスケジュール管理を徹底しましょう。
金利が高いローンを利用している人
現在のローンの金利が高い場合、低金利のカードローンに切替ることで利息負担を軽減できる可能性があります。例えば年18%のローンから年14%のローンに切替れば、同じ返済額でも支払う利息が減り、完済までの総負担を抑えられます。
金利差がわずか数%でも、長期の返済では大きな節約につながるため、借換の効果は十分に期待できます。
クレジットカードのリボ払いを利用している人

クレジットカードの「ショッピングリボ」や「キャッシングリボ」は、年15%以上の金利が設定されていることが多く、返済が長期化しやすい傾向にあります。カードローンに借換することで、金利を引下げ、効率的に返済できる可能性があります。
特にリボ払いは毎月の支払額が一定で返済の負担が少ない場合でも、元金がなかなか減らないことが多いため、早めの見直しが効果的です。
借換を控えた方が良いケース
一方で、状況によっては借換を行ってもメリットが小さい、もしくは逆効果になる場合があります。以下のようなケースは注意が必要です。
完済までの残り期間が短い人
既に完済までの期間が短い場合は、借換よりも現状のまま返済を続けたほうが有利なことがあります。借換には場合によっては手数料がかかるため、完済までの残り期間が短い場合メリットがほとんど得られない可能性があります。また、返済期間を延ばすことでかえって利息総額が増えるリスクもあります。
借入金額が少ない人
借入残高が少ない場合、たとえ金利を下げられても削減できる利息はごくわずかです。特に数万円程度の借入残高では、借換のための手間や時間に見合う効果はほとんど期待できません。
信用情報に不安がある人
借換では必ず審査が行われ、年収や勤務先、勤続年数といった属性情報だけでなく、返済履歴や延滞履歴などの信用情報も確認されます。信用情報に傷がある場合は、審査に通らないだけでなく、審査落ちの記録が信用情報に残り、今後のローン利用にも悪影響を及ぼす可能性があります。信用情報に不安がある場合は、無理な申込は避けるほうが安心です。
借換をする際の注意点
借換をする際に注意しておきたい点について解説します。
返済シミュレーションを必ず行う
借換をしたら毎月の返済額や、最終的な返済総額はどうなるのかといった部分はとても重要です。
多くの金融機関は、Webサイトに返済シミュレーションなどのサービスを設けています。借換先として検討している金融機関の返済シミュレーションを利用して、借換をした後の返済計画をしっかりイメージしておきましょう。
プロミスのご返済シミュレーションで試してみよう
プロミスでは、公式サイト上で簡単に利用できる「ご返済シミュレーション」が提供されています。このシミュレーションでは、以下の項目を入力するだけで、毎月のご返済金額や返済総額を自動で試算できます。
- ・お借入希望額
- ・毎月のご返済金額
- ・ご返済期間
- ・お借入金利(年率)
借換を検討する際、「どれくらい返済負担が軽くなるのか」「返済総額がどの程度変わるのか」を事前に把握することが重要です。数字で具体的に確認しておくことで、無理のない返済計画を立てやすくなります。
申込時には改めて審査が必要
カードローンの借換では、新たに契約を結び直すため、必ず審査が行われます。借換先となる金融機関の審査では、主に以下の点が審査の対象になります。
・本人の属性
職業や勤務先、年収などの情報です。返済能力があると判断できる安定的な収入があるかどうかがポイントです。
・信用情報
審査時、金融機関は信用情報機関に照会をします。借入状況や返済状況などといった申込者の信用情報を調査するためで、審査の対象となる信用情報には現在利用しているカードローンに関連する情報も含まれます。
・総量規制
特に注意したいのが総量規制です。貸金業者からの借入総額が「年収の3分の1」を超えてはならないというルールで、この条件を超えている場合は借換審査に通らない可能性があります。
申込前には、現在の借入額と年収を再確認し、総量規制に抵触しないかを確認してから手続を進めましょう。
プロミス等のカードローンで総量規制以上を借りれる?年収の3分の1を超える借入と規制対象について
返済方法の種類も確認する
近年ではコンビニATMからの返済やスマートフォンのアプリによる返済など、カードローンの返済方法が多様化しており、自分に合った方法を選びやすくなっています。現在利用しているカードローンの返済方法が自分に合っていると感じているのであれば、借換先の金融機関にも同じ返済方法があるかを確認しておきましょう。
借換先の金融機関が、現在利用している返済方法よりも便利な方法を設けている可能性もあるため、借換の機会により便利な返済方法を検討してみるのも良いかもしれません。
借換をする際は返済総額の確認を必ず行いましょう
金利の引下げや毎月の返済額を少なくできることなど、借換にはいくつかのメリットがあります。しかしメリットがある一方で、借換によって最終的な返済額が多くなってしまう可能性があるなど、注意するべき点もあります。
借換でしっかりとメリットが得られるように、返済総額のシミュレーションなどをしっかり行い、借換をするべきだと判断できた上で申込をするようにしましょう。