カードローンの借換のメリットとデメリットとは?注意点や利用方法を解説
基礎知識
更新日:2024.08.28
「ローンの借換」というと住宅ローンの借換を想像する方がいるかもしれませんが、カードローンも借換が可能です。カードローンの借換には金利を下げたり、毎月の返済額を少なくできるといったメリットがあるため、現在カードローンを利用中の方にとっては気になるところではないでしょうか。
そこでカードローンの借換が気になる方に向けて、借換のメリットやデメリット、注意点などについて解説します。
目次
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カードローンの借換とは
現在利用中の金融機関から別の金融機関のカードローンに乗換えてお金を借り、現在の金融機関の借入を完済することを、カードローンの借換といいます。
借換というと借入残高の全額を別の金融機関に乗換え、それまで利用していた金融機関との契約を解消するような意味合いに感じるかもしれませんが、借入残高の一部を乗換えることも含めて借換といいます。
また、複数の金融機関からの借入を1社にまとめる「おまとめローン」も借換の一種といえますが、「おまとめローン」は貸金業法による総量規制の例外的な扱いになるなど、通常の借換とは法的な位置づけが異なります。
借換のメリット
カードローンの借換で考えられるメリットは、主に2つあります。1つずつ見てみましょう。
金利を下げることができる
すでに利用しているカードローンよりも金利の低いカードローンに借換をすると、金利を低くできる可能性があります。金利の低いカードローンへの借換は最終的な支払利息の総額を抑えることにもつながります。
毎月の返済額が減る場合がある
毎月の返済額は、金融機関によって異なります。すでに利用している金融機関よりも毎月の返済額を低く設定できる金融機関に借換をすると、毎月の返済額を少なくできる可能性があります。
借換のデメリット
メリットの次には、借換によって考えられるデメリットについても解説します。
借換時に審査がある
借換をするためには、金融機関に新規のカードローン申込をする必要があります。新規の申込時には審査があるため、借換を実行するには新たに申込をした金融機関の審査に通ることが条件になります。
その審査に通らなければ借換ができないため、申込む前の段階で審査に通ったことを前提に計画を立てるのはおすすめしません。
支払期間を延ばすと利息が増えてしまう
借換によって毎月の返済額を少なくできることはメリットですが、その一方で元金(実際に借入をしているお金)の返済額も少なくなるため、返済期間は長くなります。返済期間が長くなると利息額は多くなるため、最終的な返済総額は増える可能性があります。
ただし、借換によって金利を低くすることができれば、返済総額が増えることなく返済期間を長くできる可能性はあります。
借換先を選ぶ際に比較すべき項目
借換先の金融機関を選ぶ際に、比較するべき項目は3つあります。1つずつ解説していきましょう。
金利
返済総額を減らせることは、借換によって得られるメリットの1つです。そのためには現在利用している金融機関よりも金利が低い金融機関を選ぶのが有効です。
多くの金融機関では一定の幅でカードローンの金利が提示されていますが、新たに契約する場合はそのなかの上限金利が適用される可能性が高く、比較検討をする際には上限金利が現在利用している金融機関よりも低いかどうかに注目しましょう。
約定返済額
借換によって毎月の返済額を少なくしたい場合は、約定返済額を比較検討するのが有効です。約定返済額とは毎月返済する必要がある最低額のことで、各金融機関は借入残高に応じて約定返済額を設定しています。
約定返済額が低い金融機関を選ぶと、毎月の返済額を少なくできる可能性があります。
返済期間
約定返済額が少ない金融機関を選ぶと毎月の返済額を少なくすることはできますが、多くの場合返済期間は長くなります。しかし、金融機関には最長の返済期間が定められています。
例えばプロミスの場合、返済期間は原則最長6年9か月となっています。
毎月の返済額を少なくするための借換をするのであれば、借換先の返済期間も比較検討するのがいいでしょう。
ただし、カードローンは借入と返済を繰り返して利用できるサービスです。利用状況に特に問題がなければ契約は自動的に更新される金融機関もあります。
借換をする際の注意点
借換をする際に注意しておきたい点について解説します。
返済シミュレーションを必ず行う
借換をしたら毎月の返済額や、最終的な返済総額はどうなるのかといった部分はとても重要です。
多くの金融機関は、Webサイトに返済シミュレーションなどのサービスを設けています。借換先として検討している金融機関の返済シミュレーションを利用して、借換をした後の返済計画をしっかりイメージしておきましょう。
申込時には改めて審査が必要
先ほど述べたように、借換では別の金融機関に新規申込をすることになるため、必ず審査があります。現在利用している金融機関の審査に通ったからといって、新たに申込をした金融機関の審査に通るとは限りません。
借換先となる金融機関の審査では、主に以下の点が審査の対象になります。
・本人の属性
職業や勤務先、年収などの情報です。返済能力があると判断できる安定的な収入があるかどうかがポイントです。
・信用情報
審査時、金融機関は信用情報機関に照会をします。借入状況や返済状況などといった申込者の信用情報を調査するためで、審査の対象となる信用情報には現在利用しているカードローンに関連する情報も含まれます。
・総量規制
消費者金融などの貸金業者は、貸金業法にのっとった営業をしています。貸金業法には総量規制といって、融資をできるのは年収の3分の1までとする規定があります。
年収の3分の1を超える融資額にならないかを審査しており、借換を希望する金額が総量規制の上限額を超える場合は審査に通るのが難しくなります。
返済方法の種類も確認する
近年ではコンビニATMからの返済やスマートフォンのアプリによる返済など、カードローンの返済方法が多様化しており、自分に合った方法を選びやすくなっています。現在利用しているカードローンの返済方法が自分に合っていると感じているのであれば、借換先の金融機関にも同じ返済方法があるかを確認しておきましょう。
借換先の金融機関が、現在利用している返済方法よりも便利な方法を設けている可能性もあるため、借換の機会により便利な返済方法を検討してみるのもいいかもしれません。
借換をする際は返済総額の確認を必ず行いましょう
金利の引下げや毎月の返済額を少なくできることなど、借換にはいくつかのメリットがあります。しかしメリットがある一方で、借換によって最終的な返済額が多くなってしまう可能性があるなど、注意するべき点もあります。
借換でしっかりとメリットが得られるように、返済総額のシミュレーションなどをしっかり行い、借換をするべきだと判断できた上で申込をするようにしましょう。
【ライター情報】
田中 タスク
自身も投資家として資産運用を実践しつつ、そこで得られた知見を交えて投資系ライターとしてネットや書籍などの記事制作に取り組む。その一方で消費者金融やカードローンなどに関する知識をいかして、「お金のピンチ」を乗り切る方法の発信にも注力、借入に対する正しい知識の重要性を発信中。