借入金とは?主な種類や借入の流れ、借入先の選び方を解説

基礎知識

借入金とは?主な種類や借入の流れ、借入先の選び方を解説

借入金とは、金融機関などから借りたお金のことです。しかし、一口に「お金を借りる」といってもその方法や借入先はさまざまです。
当記事では借入金についての概要から借入金の種類、そして主な借入先の種類などについて解説します。
また、はじめてお金を借りる方に向けて、借入をするまでの基本的な流れについても解説します。

目次

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借入金とは

借入金の正式な定義は、「借用証書などを交わし、返済義務のある金銭」となります。つまり、返済することを約束した上で借りたお金のことです。
それを踏まえて、ここではローンとの違いや「元金」「金利」「利息」という語句のそれぞれの違いについて解説します。

ローンとの違い

借入金というのは、会計用語です。お金を借りたら帳簿には「借入金」として記帳します。あまり一般的な会話には登場しない言葉ですが、借りたお金であるという意味合いは変わりません。
これに対して、ローンというのは借入の手段、もしくはお金を借りることができるサービス、商品の名称です。例えばカードを使ってお金を借りるサービスは「カードローン」、教育資金を借りるサービスは「教育ローン」といった具合です。
担保を設定することで住宅購入費用の借入ができる「住宅ローン」も、広く知られているローン商品の1つです。

元金・金利・利息の違い

借入をしたお金は、元金といいます。金融機関などからの借入金には利息が発生するため、その利息がどれだけ発生するかの割合を金利といいます。
例えば、100万円を年利15%で1年間借りた場合、総返済額は115万円になります。このうち100万円が元金、金利は15%なので利息は15万円となります。

借入金の種類

借入金の種類

当記事では銀行からの融資や消費者金融からの借入など、さまざまな種類をすべて「借入金」と表記しています。それを踏まえて、ここでは借入金の主な4つの種類を紹介します。

証書貸付

証書貸付は、金銭消費貸借契約という契約を交わし、その上でお金を貸付けることです。借りるお金の金額や金利、返済期日などを記載した証書を発行してお金を貸付けるもので、「住宅ローン」や各種目的別ローンなどが証書貸付に該当します。

手形貸付

お金を借りる人や会社が金融機関に向けて約束手形を発行(振出しといいます)し、金融機関はその約束手形に記載された金額を貸付ける仕組が、手形貸付です。約束手形を振出す側(振出人)は、約束手形に記載された期日までに借入金の返済を約束します。
企業の支払などのための一時的な資金調達などに利用されることが多いため、1年以内の短い期間の借入によく用いられます。

手形割引

前項で解説した約束手形を金融機関に買取ってもらう形でお金を借りるのが、手形割引です。取引先などからの代金支払を約束手形で受け取ったものの、その約束手形に設定されている期日まで待つと資金繰りが難しいと判断した場合、金融機関に期日未到来の約束手形を買取ってもらうことができます。
金融機関は割引料を差引いた金額を支払うため、受取れる金額は約束手形の額面金額と同じではありません。また、買取ってもらった約束手形が万が一決済されない(振出人が返済できない)事態になってしまうと、一度は買取ってもらった約束手形の買戻しをしなければならないため、一定のリスクもあります。

当座貸越

契約時に設定した限度額の範囲内で自由に借入や返済ができる借入方法を、当座貸越といいます。銀行で利用できるカードローンも、当座貸越の一種です。

主な借入先

主な借入先

先ほどは、借入金の種類についての解説でした。次は、主な借入先について解説しましょう。

銀行

銀行はお金を貸すことが本業です。そのため、幅広いニーズに対応したローン商品が用意されています。借入金の使い道が原則自由なフリーローンやカードローン、目的別のローンとしては教育ローンや住宅ローン、マイカー(自動車)ローンなどがあります。

貸金業者

貸金業者とは、貸金業法が適用される消費者金融やクレジットカード会社、信販会社などのことです。
クレジットカード会社からお金を借りる場合は、クレジットカードに付帯しているキャッシング枠を利用することになります。あくまでも付帯的なサービスであるため利用可能額はそれほど大きくはなく、ショッピング枠の一部という位置づけです。
それに対して消費者金融は個人向けにお金を貸付けるサービスが主力商品なので、利用可能額が多い、即日融資に対応していてスピードが速いなど高い利便性があります。

公的機関

経済的に厳しい状況に置かれている人に向けて、国や地方自治体にはそれを救済するための融資制度が設けられています。代表的なものに、「生活福祉資金」や「母子父子寡婦福祉資金貸付金制度」などがあります。
これらの公的融資は目的や適用される条件などが異なるため、利用を希望する方はご自身に該当するかどうかをチェックした上で申込を検討してください。

借入先の選び方

ここまで解説してきたように、借入先の選択肢はさまざまです。それぞれサービスの内容や特徴が異なるため、ここでは借入先の選び方について解説します。

お金を借りる目的で選ぶ

借入金の使い道が事前に分かっている場合は、それぞれの目的に合った金融機関やローン商品を選ぶのがいいでしょう。そのほうが金利を低く抑えやすいため、利息負担を軽減できます。
住宅ローンや教育ローンなど種類は豊富にありますが、お金の使い道がどれにも該当しない、もしくは複数にまたがっているような場合は使途が原則自由であるフリーローンやカードローンなどを検討するのがいいでしょう。

融資の速さで選ぶ

お金を借りる理由や事情によっては、急いでいることもあるでしょう。その場合は申込から借入までのスピードが速い金融機関を選ぶのが得策です。
数ある借入先のなかで、最も速い借入が期待できるのは消費者金融です。大手をはじめ消費者金融のなかには即日融資に対応している金融機関もあるため、急いでいる際には強い味方になるでしょう。

借入の審査では何をチェックされるのか

借入の審査では何をチェックされるのか

借入の申込をすると、必ず審査があります。審査の内容や基準は金融機関によって異なりますが、どんな金融機関であっても返済能力があるかどうかを審査する点では共通しています。
返済能力に関わる情報として、金融機関は主に以下の情報をチェックしています。

  • ・個人情報(本人確認も含めて)
  • ・返済能力(年収や他社借入状況、過去の借入情報など)
  • ・勤務先に関する情報

これらの情報をもとに、金融機関は貸付の可否や金額などを総合的に審査しています。

お金を借入する(融資を受ける)基本的な流れ

お金を借りて返済をするまでの大まかな流れを解説します。

借入申込・審査

最初に、金融機関に対して借入の申込をします。最近ではWebサイトの申込フォームや、アプリをインストールしてスマートフォンから申込ができる金融機関もあります。
申込時には本人確認書類を提出しますが、これについてもWebからの提出やスマートフォンのカメラを使って撮影して提出する方法などがあります。
本人確認書類の提出が終わって申込が完了すると、金融機関による審査が始まります。

契約締結・振込

審査に通過すると、契約に進みます。契約を完了すると、いつでも借入が可能になります。
Webサービスからの振込依頼やアプリを使う方法、カードを使ってATMから出金する方法など、多くの借入方法が用意されています。

借入金を返済する

借入をすると、返済が始まります。毎月一定額を返済する方式や、借入残高によって月々の返済額が変動する方式などがあります。
返済の手段には、銀行引落や銀行振込、ATMなどがあります。

借入は無理のない範囲で行いましょう

借入金という言葉の意味や種類、借入先の種類などについて解説しました。今では手軽かつスピーディに借入ができるためとても便利になっていますが、手軽であるがゆえについつい借りすぎてしまう可能性があります。借入額が増えると返済額も増えるので、月々の返済が生活を圧迫することがないよう、借りすぎには注意しましょう。

【ライター情報】
田中 タスク
自身も投資家として資産運用を実践しつつ、そこで得られた知見を交えて投資系ライターとしてネットや書籍などの記事制作に取り組む。その一方で消費者金融やカードローンなどに関する知識をいかして、「お金のピンチ」を乗り切る方法の発信にも注力、借入に対する正しい知識の重要性を発信中。

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