葬式の費用が払えない!支払方法や費用を安く抑える方法を解説
不安解消
更新日:2022.02.21
身内が亡くなり、葬式を行うとなると、それなりにまとまった費用がかかります。故人の預貯金をあてられればいいのですが、そうでなければ急な出費で払えないということも少なくありません。
ここでは、葬式にかかる費用の目安や、葬式の費用が払えない場合の対処法のほか、葬式費用をできるだけ安く抑える方法を解説。また、葬式の費用でトラブルにならないために気をつけたい点もご紹介します。
目次
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葬式にかかる費用は100万円以上
株式会社鎌倉新書が運営する日本最大級の葬儀ポータルサイト「いい葬儀」が2020年に行った全国調査によると、葬式にかかる費用の平均は184万3,300円。その内訳は下記のとおりです。
<葬式にかかる費用とその内訳>
- ・葬儀費用の平均額:119万1,900円
- ・飲食費用の平均額:31万3,800円
- ・返礼品費用の平均額:33万7,600円
規模が大きめな一般葬の費用平均は239万5,570円で、親しい人が中心となって故人を送る家族葬の場合に限っても、小規模とはいえ平均は137万914円となっており、葬式を行うには平均100万円以上の費用がかかっていることがわかります。
葬式の費用がないときの解決法
100万円を超える出費となると、急に出せるものではありません。まえもって準備できればいいのですが、葬式はいつ発生するか心構えがしづらく急な出費になりがちで、葬式費用の捻出に困ることは少なくありません。
そんな葬式の費用が払えなくて困ったときに頼れる方法としては、下記のようなものがあります。
葬祭扶助制度を利用する
葬祭扶助制度とは、生活保護法にもとづいた制度で、喪主が経済的に困窮している場合に、申請に応じて自治体が葬儀費用を負担してくれるものです。故人に葬儀費用を出せるほどの財産がないこと、もしくは喪主が生活保護を受けているか葬儀費用を捻出できないと社会福祉事務所や地方自治体に認められることが要件になります。
保険制度の埋葬料や葬祭費を利用する
社会保険や国民健康保険には、葬式でかかる費用を目的とした給付金が支給される制度があります。
社会保険に加入している被保険者が亡くなった際、埋葬の費用として、喪主に給付されるのが埋葬料です。国民健康保険・後期高齢者医療制度の被保険者が亡くなった場合は、葬祭費という名目で喪主に給付金が支給されます。
金額は埋葬料が5万円、葬祭費は1万~7万円となり、申請すれば受取れます。
葬儀ローンを利用する
葬儀会社によっては、葬式費用をローンで支払うことができます。利息は葬儀会社によりますが、8~18%程度が相場です。
死亡保険金で支払う
故人が死亡保険に加入しており、保険金の受取人が葬式の喪主となる場合は、死亡保険金で葬式の費用をまかなうことができます。死亡保険金を受取るには、受取人から保険会社に請求する必要があります。
預貯金の仮払い制度を利用する
故人が葬式の費用として金融機関に預貯金を残していた場合は、預貯金の仮払い制度を利用して引出し、葬式の費用にあてるのがおすすめです。
人が亡くなるとその方の預金口座は凍結され、相続手続きが完了するまで引出せなくなってしまいますが、相続人であれば一定額の範囲内で仮払いを受けることができます。
カードローンを利用する
葬式費用の支払いは、葬式が終わってから1週間程で支払わなければいけないことが多く、保険金の受取手続きなどが間に合わない場合もあります。ひとまず立替払いをするために、急いで現金を調達したいなら、融資までのスピードが早く、利便性が高いカードローンがおすすめです。
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葬式の費用を低く抑えるには?
葬式費用の捻出に困ったときの解決法はあるとはいえ、そもそも費用の平均は自動車1台分に匹敵するほど高額です。葬式費用をできる限り低く抑えるには、葬式の内容とのバランスにはなりますが、下記のような方法があります。
区民葬・市民葬を利用する
区や市などの自治体が住民サービスの一環として行っている葬式プランとして、区民葬や市民葬があります。費用は自治体と葬儀会社の協定料金となっており、内容は簡素ながら、安価で葬式を行えます。
例えば、東京都世田谷区の場合は、祭壇料金、霊柩車運送料金、火葬料金、遺骨収集容器代で、計17万9,550円(税込)から葬式を行うことができます。
家族葬や一日葬にして最小限に抑える
家族葬や一日葬にすると、一般的な葬式より費用を抑えられます。「いい葬儀」が2020年に行った全国調査によると、一般葬の費用平均は239万5,570円ですが、小規模な家族葬が137万914円、一日葬だと134万8,500円となっています。
火葬式にして火葬だけ行う
葬式をせず火葬だけ行う場合、費用はかなり抑えられて10万~40万円程になります。ただし、通夜や葬儀といった宗教的な儀式を行わない方法のため、寺と縁をつなぐ機会がなく、納骨を断られる場合があるようです。納骨したい寺がある場合は、事前に相談しておくのがいいでしょう。
香典を葬式費用にあてる
香典を葬式費用にあてるのは一般的によく行われます。しかし、弔問客の人数によって金額が変わるのに加え、約半額は香典返しとするため、香典だけで葬式費用のすべてをまかなうのは困難です。
葬儀費用でトラブルにならないための注意点
葬儀費用をめぐっては、誰が出すのか、どこから出すのかが揉め事の種になりがちです。後々のトラブルとならないよう、下記の2点には注意しておきましょう。
兄弟姉妹がいる場合は葬式費用の取り決めをしておく
親が亡くなったとき、誰が葬式費用を負担するのかについて明確に定めた法律はありません。一般的には喪主が負担するケースが多いですが、兄弟姉妹全員で平等に負担する場合や、親の遺した預貯金からまかなう場合もあります。
折半するつもりで葬式費用を全額支払ったが、後で兄弟姉妹から負担を断られたとなると、トラブルに発展することは必至。葬式費用の問題は、事前に兄弟姉妹でよく話し合って決めることが大切です。各々の経済状況も考慮した上で、喪主がすべて支払うのか、財産を相続する割合で決めるのか、全員で折半するのかといったことを決めておきましょう。
相続財産から支払えない項目や出金額の上限を確認する
故人が預貯金などの現金を残していた場合、相続財産から葬式費用を支払うことができます。この場合相続人は、故人の遺した財産から葬式費用を差引いた金額を相続することになります。
また、遺産分割協議の完了前でも、仮払い制度により故人名義の預貯金はある程度引出せますが、出金額の上限は「金融機関ごとの死亡時の預貯金残高×法定相続分×1/3」と「150万円」のうち、低いほうに限られることにも注意が必要です。
まずは落ち着いて、葬式費用を抑える方法や支払う方法を考えよう
身内が亡くなった上に、葬式の費用が払えないと焦ってしまいますが、故人の預貯金の仮払い制度を利用する、区民葬・市民葬を利用するなどで葬式費用を抑えつつ、葬儀ローンやカードローンなども活用することで、支払えるケースはたくさんあります。まずは落ち着いて、使えそうな方法を考えてみることから始めましょう。
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