引越しの初期費用が払えない!費用を抑える方法まとめ
不安解消
更新日:2021.12.27
引越しをしたいと考えているけれど、初期費用が支払えない、資金が足りないという人は少なくありません。引越しにかかる初期費用はそれくらい高額で、たとえ貯金がある人であっても負担となります。
そこで、引越しの際に初期費用としてどのような費用がかかるのか、それらを安くする方法はあるのかなど、初期費用が足りないときの対処法について解説します。
目次
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引越しの初期費用としてかかるものは?
引越しの初期費用とは、賃貸物件に入居する際に不動産会社や大家に支払う費用の総額です。具体的に、何にどれくらいお金がかかるのか、内訳を見てみましょう。
<引越しの初期費用の内訳>
項目 | 目安 |
---|---|
敷金 | 家賃の1~2か月分が目安 |
礼金 | 家賃の1~2か月分が目安 |
前家賃 | 家賃の1か月分 |
仲介手数料 | 家賃の0.5~1か月分+消費税が目安 |
火災保険料 | 1万5,000~2万円程度 |
鍵交換費用 | 7,000~1万2,000円程度 |
引越し代 | 5万~7万円程度(単身の場合、時期・距離・荷物の量で変動あり) |
初期費用の目安は家賃の4~6か月分といわれていて、仮に家賃が8万円なら、それだけで32万~48万円です。このほか、保証会社を利用する場合の保証料や、新しい家具・家電、生活用品の購入、インターネット回線・プロバイダ契約などの費用がかかるケースもあります。
引越しの初期費用が払えないときはどうする?
ここからは、引越しの初期費用が払えないときでも何とかする手立てを考えてみます。まず、下記の方法が利用できないか考えてみましょう。
助成金を利用できないか確認してみる
自治体によっては、引越しや家賃に関連した助成金を受けられることがあります。
例えば、「結婚新生活支援事業」は、世帯所得が400万円未満(世帯年収約540万円未満)で、夫婦ともに39歳以下の新規に婚姻した世帯(2021年度の場合は2021年1月1日~2022年3月31日に婚姻した世帯)に対して、婚姻に伴う住宅取得費用または住宅賃借費用、引越し費用を補助するというものです。
これらの助成金は、市区町村で申請を受付けています。また、市区町村が独自に用意している助成金があるかもしれません。インターネットなどで要件が合致する制度がないか調べてみましょう。
支払方法を変更する
不動産会社によっては、敷金・礼金などの費用の分割払いや後払いに応じていることがあります。利用したい場合は、物件探しをする段階で確認してみてください。
分割払いや後払いが可能な場合の多くは、支払方法がクレジットカード決済に限定されています。現金での分割払い、後払いをしたい場合は、交渉してみるしかないでしょう。敷金・礼金は分割払いや後払いOKでも、前家賃や仲介手数料は不可といったケースもあります。
また、カードローンを利用して、引越しの初期費用を用意する方法も考えられるでしょう。カードローンは使い道が限定されていないため、引越しの初期費用にも利用できます。不動産会社の意向に関係なく一時的にお金を借りて、後から分割で返していくことができるのも便利です。
ただし、その場合は引越し後、家賃とは別に利息を含めた月々の返済額が加算されることになります。それを考慮して、利用を検討してください。
引越しの初期費用が払えない場合にできること
引越しの初期費用が払えないとき、できるだけ費用を安くするためにできることがあります。ここでは、物件の費用を抑える方法と、引越しの費用を抑える方法を紹介します。
物件の費用を抑える
物件に関わる費用を抑えることができれば、引越しの初期費用を抑えることができます。具体的には、下記のような方法があります。
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・フリーレントや手数料なし、礼金なしの物件を紹介してもらう
不動産会社によっては、フリーレント、または仲介手数料なし、敷金・礼金なしの物件を紹介していることがあります。そういった物件を探す、または優先的に紹介してもらうことも、初期費用を抑える手段のひとつです。
フリーレントとは、一定期間家賃が無料になる契約形態のこと。最初の1~3か月だけは家賃無料というケースが多く、大家が1日でも早く入居者を確保したいというときによく採用されます。
仲介手数料なし、敷金・礼金なしの物件も最近は増えています。中には「トリプルゼロ」などと呼ばれる敷金・礼金・仲介手数料すべて不要の物件、仲介手数料の代わりに前家賃がゼロの物件もあります。
こうした物件は人気が高く、入居者の募集開始からすぐに契約が決まってしまう傾向があります。見つけたときは早めの決断が必要ですが、同時に慎重さも求められることを覚えておいてください。 -
・大家(貸主)に家賃を下げてもらえるか交渉する
不動産会社経由で、大家に家賃を下げてもらうよう交渉することもできます。周囲の家賃相場と比べて高めの家賃設定である場合や、空室期間が長い場合などは交渉の余地があります。
ただし、交渉を断られる、あるいは交渉を持ちかけることで契約や紹介自体を嫌がられるケースもないとはいえません。どうしても入居したいけれど、家賃がネックというときに限って試してみるといいでしょう。家賃そのものを下げることはできなくても、敷金・礼金を下げてもらう、1か月分フリーレントにしてもらうなど、初期費用を下げられる可能性もあります。 -
・家賃が安い部屋を借りる
家賃そのものが最初から安い物件を借りられるなら、それに越したことはありません。引越しの初期費用が払えない場合は、物件を再考するのもひとつの手です。敷金・礼金、仲介手数料はすべて家賃を基準として決められるので、初期費用だけではなく、その後の生活に占める住居費も抑えられます。
少しでも家賃を安くしたいなら、郊外や家賃相場が安い路線、駅からやや遠いような物件を探してみましょう。
引越しの費用を抑える
引越しの初期費用の中で、引越し業者を利用する引越し代は、ある程度のウェイトを占めるものです。初期費用を抑える方法のうち、引越し代を抑える方法をご紹介します。
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・オフシーズンに引越しをする
引越し代を抑えたいなら、引越し業者の繁忙期は避けるべきでしょう。引越し業者の費用は、移動する距離や荷物の多さのほか、そのときの依頼の多さによって変わります。入学や転勤などで多くの人が転居する3月と4月は、1年で料金が最も高く、予約も取りづらい状況です。また、繁忙期以外でも大型連休や大安吉日は引越しする人が多く、引越し費用が高くなる可能性があります。
反対に、引越し業者の費用が最も安いのは、1月や11月です。引越し業者の閑散期なら、複数の業者に見積もりを依頼して、値引き交渉をすることができるかもしれません。繁忙期と閑散期を比べると、同じ都道府県内の単身引越しの場合でも、1万~1万5,000円の違いが出ます。 -
・荷物を極力少なくする
荷物が少なければ小さなトラックで運ぶことができ、作業員の数も減らせるので、その分、引越し代を安くできます。
引越し業者によっては、少ない荷物で引越しをするための「単身引越しパック」などと呼ばれる安価のサービスもあります。単身引越しパックは専用の滑車つきコンテナボックスなどに荷物を積み込んで輸送するもので、このボックスに荷物を収められれば、通常よりかなり格安で引越しができます。引越し前にできるだけ不要な物は処分して、荷物を少なくすることがおすすめです。 -
・時間指定をしないフリー便を利用する
フリー便は、引越しの日にちだけを決めておいて、作業開始時間は引越し業者に合わせるというプランです。トラックや作業員が空いている時間に作業をすることになるため、業者にとって効率が良く、その代わりに料金を安くしてもらえます。
引越しが早朝や夜になる可能性があり、前日まで荷物の搬出入の時間がわからないというデメリットはありますが、都合がつくのならフリー便を使うほうがお得です。 -
・引越し業者を使わない
引越し業者を使わずに引っ越すことも可能です。ダンボールを用意して荷物を梱包し、レンタカーを借るなどして自力で荷物を運べば引越し代を抑えられます。友人に引越しの手伝いを頼むのもいいでしょう。
ただし、荷物が少なければ軽トラック程度で引越しができますが、ワンボックスバンや2tトラックを借りるとなると、単身引越しパックなどとさほど変わらない費用になる可能性があります。養生や荷運びに慣れていない素人が行うことで、家や家具・家電などに傷をつけたり故障させてしまったりする可能性もゼロではありません。
労力と料金、リスクを十分に検討した上で、引越し業者に依頼するか、自力で引越しするかを選んでください。
引越しの初期費用は工夫次第で下げられることも
引越しの初期費用が高くて払えないというときでも、さまざまな対処法を講じることで解決策が見つかる可能性があります。物件に関わる費用を抑えつつ、引越し代も節約するという合わせ技も試してみましょう。
それでも足りない分は、使える助成金がないか探してみる、カードローンを使って支払うといった方法も考えられます。引越しすることをあきらめてしまわず、工夫できる余地がないか、よく考えてみてください。