カードローン・クレジットカードの不正利用!? 6つのケースと対処法を解説
不安解消
更新日:2021.02.04
「出費が重なってお金がない」というときに、カードローンを利用すると急場をしのぐことができて助かります。クレジットカードを使えば、手元に現金がなくてもショッピングができて便利です。これらのカードは日々の生活でとても役に立ちますが、気づかないうちにカード情報を盗まれて不正利用されるケースが増えています。今回はカードの不正利用やカード犯罪の手口について、よく目にする情報を解説します。
目次
もっと見る
カードの不正利用?と思ったら確認すること
カードの利用明細を確認したときに、不正利用をされたのではないかと心配になる記録を見つけることがあります。例えば、カードをまったく使ったはずのない日に利用履歴がある場合です。正常な取引をしたときでも決済日と請求日がずれることがあるので、利用店舗名や購入商品などもあわせて不正利用かどうかチェックする必要があります。利用日時以外の項目にも身に覚えがないか、よく確認してみてください。
ほかにも、全然見覚えのない店舗名が利用明細に記載されていて、不正利用を疑うこともあるでしょう。しかし、カード会社に登録されている店舗名と実店舗の名称が異なるケースは少なくありません。不安なら、利用した心当たりのある店舗やカード会社に問い合わせてみるのが無難です。もし、自分が知らない店舗でのカード使用だと判明したら、不正利用の可能性があることをカード会社に連絡しましょう。
キャッシングの不正利用の原因
カードローンやクレジットカードによるキャッシングが不正利用される事例が多発しています。日本クレジット協会の調査によると、2019年のクレジットカードの不正利用被害額は273.8億円で、年々増加の一途をたどっています。カード所有者なら誰にでも被害が起こる可能性があり、不正利用につながるケースを知っておくことが重要です。キャッシングが不正利用される原因としてどのようなものが考えられるのか、次に紹介します。
盗難
財布を盗まれて中に入っていたカードを不正利用される場合と、カードそのものを奪われて使用される場合があります。よくある手口は、電車内や駅構内で居眠りをして財布もしくはバッグごと取られたり、飲食店などで掛けておいた上着や鞄から盗まれたりなどです。車上荒らしや引ったくりで財布を奪われたときにも、中にカードが入っていれば不正利用される可能性が高いです。財布を落としてしまったら、拾う人しだいでは悪用するかもしれません。
カードの盗難および紛失の際には、すぐにカード会社に連絡してカードを止める手続きが必要です。また、不正利用の被害がなくても、警察に盗難または紛失の届出をしてください。届出が遅れたために被害がより深刻になる恐れがあるので、盗難や紛失に気づいたらすぐに対応をするべきです。その後、カード会社から書類の提出や被害状況の調査への協力を求められるのでしっかり応じましょう。調査で不正利用と認められた請求は、カード会社による補償を受けられる場合もあります。
スキミング
カードそのものを盗まなくても、不正利用をする方法が存在します。「スキミング」と呼ばれる手口で、「スキマー」という読取り機械を使ってカードの磁気情報を盗み取るものです。盗んだ磁気情報を偽造カードにコピーし、本人になりすまして不正利用をおこないます。近づきさえすれば「スキミング」は可能なので、混みあった電車の中やエレベーター内で情報を取られても気が付きません。
海外では、ATMや飲食店のカード挿入口付近に「スキマー」が取り付けられている場合もあり、怪しいと感じたらなるべく利用しないようにしましょう。支払いの際に、店員だからといって安易に信用してクレジットカードを預けるのも厳禁です。また、暗証番号を知られなければスキミングの被害を防止できる場合もありますので、店員や監視カメラから見えない状態で暗証番号を入力するよう心がけてください。
詐欺サイトなど
実在の企業が運営するホームページを模した偽サイトや、有名企業をかたった詐欺メールを目にしたことはないでしょうか。これらの手口は、あの手この手で個人情報を入力させようとしてきます。もちろん、一番の狙いはカード情報です。偽物でありながら巧妙に作られているうえに、知っている企業名を見るとつい信用してしまう消費者心理をついた悪質な手法です。なかなか見破るのが難しい場合もありますが、不自然な点が少しでもあれば、まずは疑いましょう。
詐欺メールから偽サイトへと誘導し、カード情報を盗み取る手法を「フィッシング詐欺」といいます。利用者が騙されていることに気づかない場合が多く、被害が拡大しやすいです。また、架空のオンラインショッピングサイトで購入手続きをさせ、入力したカード情報を悪用するケースも増えています。こちらも、商品が届かなかったりカードの利用明細を見たりしてから発覚することが多く、通報や対応がどうしても遅れてしまいがちです。
情報漏洩被害
オンラインショッピングを運営する企業サイトはセキュリティ対策を万全におこなっていますが、それをおびやかすウイルスやマルウェアも日々進化しています。カード利用者がいくら気を付けていても、ショッピングサイトがハッキングされるなどして、カード情報が盗まれてしまう可能性もゼロではありません。また、悪意を持った社員やシステムエラーなどのさまざまな要因もあるため、情報漏洩が起こるリスクを完全に排除するのは不可能です。
情報漏洩による被害が起きたとき、補填があったとしても全額補償されるとは限りません。補償の責任があるオンラインショッピングの運営会社が倒産すれば、被害を受けた利用者は手の打ちようがなくなるでしょう。情報漏洩に対して利用者側でおこなえる自衛の手段はほとんどなく、セキュリティ対策が脆弱そうなショッピングサイトを利用しないようにするぐらいしかありません。
不正利用されたらすべきこと
カードの不正利用はいつ起こるかわからないものです。盗難や紛失以外では事前に察知することは困難なので、利用明細をマメにチェックして不審な点はないか確認しましょう。不正利用を早期発見すれば大きな被害を防げるはずです。では、不正とみられる履歴がみつかったらどうすればよいのでしょうか。ここでは、不正利用が疑われるときの対処法について具体的に紹介します。
カード会社に連絡する
不正利用をされたのではないかと疑問に思ったら、自分の考えを信じてカード会社に連絡をしてください。「もし違ったらどうしよう」と思って躊躇する気持ちはわかりますが、逆に不正利用だった場合には被害がさらに拡大するかもしれません。自分がすぐに連絡することによってカード会社が対策をおこない、ほかの誰かの不正利用を食い止められることもあります。どちらにせよ、不正利用かどうかは利用者では正確に判断できませんので、カード会社に調査を任せましょう。
カード会社に理由を話せば、すぐにカードを止めてもらうことができます。疑わしい状態では安心してカードを使い続けられませんから、勇気をもってしっかり止めてください。時間は要しますが、再発行の手続きをすれば不正利用の疑いがないカードが手に入ります。もし不正利用が間違いないとわかったときは、警察へ被害届も出しておくべきです。
カードの再発行
カードの不正利用が発覚すると、そのカードは利用停止になります。その後、カード会社からの案内にしたがって再発行をおこなうという流れです。カード再発行用の書類が自分の指定する住所へ送付されるので、必要事項を記入して返送します。新たな暗証番号や引き落とし口座を再設定して再発行カードを受け取れば、利用を再開できます。
不正利用を防ぐためにすべきこと
いろいろな方法でカードの不正利用がおこなわれるため、すべての要因を取り払うのは難しいことです。しかし、対策できるものは対策をし、少しでも被害を受ける可能性を減らしましょう。「面倒だな」と思うかもしれませんが、不正利用をされたあとのほうがさらに面倒な事態になります。自衛できることはなるべくやっておいたほうが賢明です。今後、自分のカードの不正利用を防ぐためには、どのようなことをしたらよいかを解説します。
暗証番号やパスワード、IDの徹底管理
カード情報が盗まれても、暗証番号やパスワードが知られなければ被害を防ぎやすくなります。会員サイトなどのIDも同様です。しかし、カード情報にも記載されている生年月日や電話番号を暗証番号やパスワードとして使用すると、不正利用者によって容易に知られてしまいます。また、「aaaa」「abcd」「1234」「9999」などの単純な文字の羅列も、数回の適当なパスワード入力で破られる恐れがあるのでおすすめしません。なるべく複雑になるように、アルファベットと数字を混在させたものを設定するとよいでしょう。
複数のサービスで同じIDやパスワードを使いまわすと、1つのサービスで情報漏洩があったときに自身の利用サービスすべてに被害が起こる可能性があります。管理が大変でも、サービスごとにIDやパスワードは変えておくべきです。さらに万全を期すなら、自分以外には推測できないIDやパスワードを設定し、誰にも見られることがないように慎重な取り扱いを心がけなくてはいけません。
クレジット情報の入力に注意
クレジットカードは便利なため日常生活で利用するシーンは多く、詐欺の被害にあう可能性も常につきまといます。特にオンライン決済で使用する場合には細心の注意を払わなければなりません。悪質なサイトやフィッシング詐欺などに騙されて、カード情報を渡してしまうような事態は絶対に避けましょう。すぐにできる対策としては、メールやSNSに記載されたリンク先のサイトを簡単に信用しないことです。偽サイトや架空サイトは、検索エンジンで探しても検索結果に出てくることはまずありません。検索エンジンのシステムで排除されますし、もし検索結果に出れば知識がある人にすぐ通報されるからです。そのため、集客はもっぱらメールやSNSなどのURLリンクに頼っています。
また、信用できるサイトであるか確認するには、SSL対応のページであるかチェックするのも有効です。ブラウザ上に鍵マークが表示されているか、「https://」で始まるURLのサイトならSSLに対応しています。SSLはデータ暗号化の仕組みで、SSL対応ページであることがわかればセキュリティ対策が施されていると安心してよいでしょう。
カードをしっかり管理する
カード自体の盗難や紛失を防ぐことも重要です。むやみにカードを持ち歩かなければ、それだけカードをなくす確率は下がります。そのときの外出で買い物をしないことがわかっているなら、財布は持っていくにしてもカードは家に置いていくことが望ましいです。カード類の置き場所は決めておき、使う時だけそこから持ち出すようにしましょう。普段使わないカードも一緒に置いておけば、カードがなくなっていないかすぐに確認できます。
カードを持ち歩くときは財布に入れて肌身離さず、常にポケットやカバンに入っていることを確認してください。屋内では上着やカバンに財布を入れたままで放置してはいけません。海外に比べて日本は安全だといわれていますが、無防備にしていると犯罪行為を助長する可能性もあります。カードの不正利用を防ぐには、徹底的に自己防衛をするという意識が重要です。
不正利用にすぐに気づけるためにすべきこと
一般的なクレジットカードは盗難保険が付帯されており、不正使用された場合には、保険会社の判断に基づいて、被害額を免除してもらえる場合があります。ただし、補償されるのはショッピング枠の被害のみで、キャッシング枠には適用されないことに注意してください。不正利用によるキャッシング枠の被害を防ぎたい場合は、クレジットカードではショッピング枠だけに設定しておくことです。必要ならカードローン会社と契約して、キャッシング用のカードを別に用意するのをおすすめします。
不正利用に対する保険適用は、「カード会社が通知を受けた日より60日以内まで」と規定されていることが多いため、盗難、紛失および不正利用の連絡はすぐにおこなってください。発見と連絡が遅れると、多額の請求が残ってしまう可能性があります。不正利用に早く気づくには、日ごろから利用明細をチェックするのが一番です。明細チェックを欠かさずおこなうことで不正利用を見つけやすくなるだけでなく、カードの使い過ぎを防いでしっかり金銭管理をする意識も持てます。
不正利用の可能性があればすぐに連絡を
盗難や紛失、スキミングやフィッシング詐欺など、カードの不正利用につながる要因はさまざまです。心当たりがあるときは、すぐにカード会社に連絡してください。素早い対応をおこなえば、被害の拡大を抑えることができます。そして、不正利用を事前に防ぐためにも、カードの管理や暗証番号、パスワードなどの扱いには十分注意しましょう。