おまとめローンのデメリットは?便利な使い方と利用する際の注意点

基礎知識

おまとめローンのデメリットは?便利な使い方と利用する際の注意点

おまとめローンは複数の借入をまとめられるローン商品で、利用すれば返済の手間や負担を軽減できる可能性があります。しかし、おまとめローンにはメリットだけでなくデメリットもあり、把握しないまま安易に利用すれば、返済の負担がかえって増すかもしれません。
この記事では、おまとめローンのメリット・デメリットや、総量規制の対象にならない理由、注意点などについて解説します。

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おまとめローンのメリット

おまとめローンのメリット

おまとめローンは、2社以上の借入をまとめるローン商品のことです。まずは、おまとめローンを利用する具体的なメリットを解説します。

毎月の返済額が少なくなる

複数の借入があると、1社あたりの返済額は少なくても、借入全体で考えると月の返済額が多くなり、負担になるかもしれません。詳しくは後述しますが、おまとめローンは貸金業法の総量規制で定められたルールによって、「例外貸付」に分類されます。おまとめ前より毎月の返済額と総返済額が少なくなるという条件があります。おまとめローンを新たに契約することで、借入総額は同じでもひと月あたりの返済額を少なく設定できる可能性があります。

借入状況の管理が楽になる

おまとめローンを利用するメリットのひとつに、借入全体を管理しやすくなることがあります。
複数社から借入があれば、金利や返済方法が借入先によって異なる場合もあり、それだけ返済を管理する手間が増えます。返済日や返済先を間違えて、「うっかり遅延してしまった」ということもあるかもしれません。返済の遅延は信用情報に記載されることがあり、できるだけ避けたいものです。
借入先をひとつにまとめれば、返済日や返済方法もひとつです。管理が楽になり、精神的にも余裕が持てます。

金利の負担を抑えられる

おまとめローンのメリットに、金利の負担を抑えやすいことがあります。貸金業者は利息制限法を遵守しており、10万円未満の借入の上限金利は20.0%、10万円以上100万円未満の借入は18.0%、100万円以上の借入は15.0%です。つまり、金額の大きい借入ほど金利が低くなるため、複数の少額の借入をまとめることで、金利が低くなる可能性が高くなります。

返済総額を減額できる

借入の支払総額は、元金と利息を足した金額です。元々の借入とおまとめローンの金利を比較すれば、たった数%の違いかもしれませんが、借入額と返済期間によっては大きな差が生まれる可能性があります。
金利の低いおまとめローンで借入をまとめれば、借入期間や借入総額が同じでも、利息負担を抑えられ、結果的に支払総額を減らすことにつながります。

おまとめローンのデメリット

おまとめローンのデメリット

おまとめローンにはデメリットもあり、把握した上で利用することが重要です。おまとめローンの主なデメリットは、下記の2つがあります。

支払総額が増える可能性がある

おまとめローンのメリットは、元々の借入との金利差です。しかし、元々の借入の金利が低い場合、必ずしもおまとめローンの金利が低いとは限らない点に注意してください。
さまざまな金融機関がおまとめローンを提供していますから、中には元々契約していた借入よりも、金利が高い商品もあります。その場合は金利が上がることで、支払総額も増えてしまう可能性があります。

また、おまとめローンを利用する際に、無理なく返済できるようにと返済回数を増やしすぎて、返済期間が長引くことがある点にも注意が必要です。金利が低いおまとめローンを利用しても、返済期間が長引くことで結果的に利息を長い期間支払うことになり、支払総額が増えるかもしれません。

追加の借入ができない

カードローンの多くは利用限度額内なら何度も借入・返済ができるものです。しかし、おまとめローンは基本的に返済専用の商品です。そのため、返済が進んでも追加の借入はできません。
また、おまとめローンは金額の大きな借入です。新たに分割払いや借入などを契約する際、多額の借入があるということで、審査で返済能力に疑念を抱かれることも考えられます。状況に応じて借入や返済がしたい方にとってはデメリットになるでしょう。

おまとめローンを利用する際の注意点

おまとめローンを利用する際の注意点

おまとめローンは、複数の借入の返済を負担に感じている方に便利な商品ですが、注意しておきたいことがあります。利用の際の注意点を3つご紹介しましょう。

おまとめローンを提供していない金融機関もある

カードローンのおまとめは、どこの金融機関でも対応しているというわけではありません。そもそも、契約内容で、おまとめを目的とした利用を認めていないケースもあります。その場合、せっかく申込をしても審査に通らない可能性があるので、あらかじめ確認が必要です。
カードローンのおまとめをするなら、おまとめローン専用商品を提供している金融機関を対象に検討しましょう。

審査が厳格になる

おまとめローンの申込にも、もちろん審査があります。おまとめローンは総量規制の対象からは外れますが、だからといって審査に通りやすいということではありません。銀行や貸金業者、いずれのおまとめローンをご利用になる場合でも、返済が厳しくなれば利用者にとっても金融機関にとってもリスクは大きくなります。

利用限度額が高く金利が低いローンほど、審査は厳しくなるのが一般的です。金利が低いということは利用者にとっては良いことですが、金融機関にとってはそれだけ収入が少なくなることになります。そのため、返済ができなくなった際のリスクを回避するために、審査を厳しくすると考えることができます。おまとめローンの審査は甘いということはないので、注意してください。

カードローンの審査についてはこちらの記事もご覧ください。
カードローンの審査のポイントは?審査に落ちたときの対処法を紹介

違法業者を利用しない

おまとめローンを検討するときは、違法業者にも注意が必要です。返済に困っているときに、「すぐに借りられる」など甘い話で誘ってくる違法業者は多数います。
違法業者から借入した場合、高額な手数料を請求される、追加で借りるよう迫られるなどする可能性も高くなります。そうなれば、返済を楽にしたいという目的自体が果たせません。おまとめローンを検討したことで、かえって状況を悪化させることにつながりますから、違法業者を選ばないように気をつけましょう。

通常、貸金業を営むには、社名や所在地を管轄の財務局長、または都道府県知事に登録する必要があります。しかし、違法業者の場合はそもそも登録されていない場合がほとんどです。あやしいと感じたら、まず金融庁の「登録貸金業者情報検索入力ページ」で、登録があるか確認してください。

おまとめローンは総量規制の対象外

おまとめローンは総量規制の対象外

貸金業法では、消費者を多重債務から守るため、貸金業者が年収の3分の1を超える金額を貸付しないよう禁じています。例えば、年収が300万円の人なら貸付上限額は100万円です。

カこの、年収を基準にした貸付上限額のことを、一般的に総量規制と呼びます。総量規制は、1社だけが対象ではなく、利用者が借入するすべての貸金業者からの借入が対象です。
仮に年収300万円の方がA社で50万円の借入があるなら、B社で新たに可能な借入額は50万円まで。ただし、A社とB社でそれぞれ50万円借りても、どちらかを完済すれば、新たに50万円を借入することは可能です。つまり、総量規制にふれない範囲であれば、常に年収の3分の1を超えない金額で借入ができます。

総量規制についてはこちらの記事もご覧ください。
総量規制とは?年収の3分の1を超える借入と規制対象について

総量規制対象外になる条件は?

前述のように、総量規制では年収の3分の1を超える貸付を禁じています。しかし、すでに借入が総量規制の上限額に達していても、貸金業者から借入できる例外があります。ひとつは「除外貸付」、もうひとつは「例外貸付」です。
除外貸付とは、総量規制にはなじまないと判断されるもので、例えば、高額な医療費や葬儀費用など、緊急性がある貸付が対象です。ほかにも、有価証券・不動産などを担保とした貸付や、住宅ローン・自動車ローンのような貸付なども含まれます。また、そもそも銀行による貸付は銀行法の対象であり、貸金業法の総量規制の対象にはなりません。

これに対して例外貸付は、借入によって利用者が有利になる貸付や、親族や家族の入院費など社会通念上必要があると認められる貸付を指します。利用者が有利になる貸付とは、借入残高を減らすための借入などが該当します。

総量規制の対象外についてはこちらの記事もご覧ください。
総量規制の対象外の借入とは?上限に達しても借りられるか解説

おまとめローンが総量規制の対象外である理由

おまとめローンは、総量規制の「例外貸付」に該当するものです。複数のカードローンをおまとめすることが利用者にとって有利になるという特性があり、その点が例外貸付に該当します。

ただし、それにはいくつか条件があります。まずは、おまとめをした後の金利がそれ以前の金利よりも低いことです。おまとめしても金利が高くなってしまう、またはほとんど変わらないのであれば、利用者にとって有利とはいえません。さらに、対象となる借入は貸金業者からの借入に限り、銀行からの借入や親族・知人からの借入などは対象外です。
おまとめした後の返済総額や毎月の返済額がおまとめ前よりも少ない金額になる、担保などの条件がおまとめ前よりも楽になるという条件もあります。
これらの条件を満たしていない場合には、総量規制の対象とみなされてしまいます。

おまとめ後の債務は総量規制の対象になる

おまとめローンを借入する段階では総量規制の制限を受けませんが、おまとめした後は総量規制の対象です。
例えば、年収300万円の人がA社とB社からそれぞれ50万円を借入し、C社のおまとめローンを利用してA社とB社の合計100万円を完済したとします。この場合、C社から借入した100万円は総量規制の対象となるため、貸金業者から新たな借入はできません。

おまとめローンは完済を目指すために使おう

おまとめローンの利用で、返済総額を抑えることができ、毎月の返済負担をやわらげることが可能です。借入先を一元化することで、管理も楽になるでしょう。
ただし、おまとめローンにはメリットばかりでなく、注意点やデメリットもあります。利用の際は、メリット・デメリットを把握し、完済までの計画をきちんと立てた上で検討してみてください。

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